卓袱台の脚

団塊世代の出発点は、狭いながらも楽しい我が家、家族が卓袱台を囲んでの食事から始まったと思います。気ままな随想を!

つけ麺

2015年10月10日 21時01分47秒 | 食・レシピ

 その店が、昨年出来たのは、知っていました。

 

県道21号三郷松伏線、三郷市内から野田橋の松伏側西詰までの、結構、大型トラックやコンテナトラックが行き交う、交通量の比較的多い道路際に、そのお店は、ありました。外目には、うるさい道路に面した、こぢんまりとした一戸建てです。間口一間の引き違いサッシ戸が入り口ですが、曇りガラスなので、中は見通せません。「つけめん さなだ」の支柱点灯看板と、入り口横の壁面に「つけめん専門店」の店頭幕、暖簾には「三郷 さなだ」、そして「つけめん さなだ」の名入り点灯提灯が、暖簾の横に固定されていました。地味な感じの、どこにでもある街の「蕎麦屋」という、店頭外観です。

 

 

( 「つけめん さなだ」の入口 )

 

 

お店は、不便な所にあります。最寄りの駅は、JR武蔵野線「三郷駅」で、徒歩15分位。店前の県道は、バス路線ではないので、バス停はありません。お店に最寄りのバス停は、三郷駅までの路線の早稲田団地の中にあり、200m位歩きます。お店には、駐車場がありません。三郷文化会館駐車場、早稲田公園駐車場、他に100m以内に二つのスーパーの駐車場があります…が! つまり、交通手段は、車と徒歩ということです。

 

昨年の12月頃、こんな不便な所にあるつけ麺店ですので、「そのうち閉めるだろう!」と、思っていました。私は、普通のラーメンは、豚骨や味噌・塩、醤油など、すべて食べますが、特に塩ラーメンが好きです。ただ、よく目にする若者向き?…の「つけ麺」は、好んでは食べません。゛ 食わず嫌い ゛と言うことです。それまで、その店にわざわざ食べに入る機会は、ありませんでした……が!

 

Kとは、日頃より、「三郷には、美味しいところが、中々無いね!」と、愚痴っぽいことを、言っていました。何の気なしに、「つけ麺 さなだ」を検索しました。

「さなだ」に関する検索項目の出てくること!、出てくること! 内容は、個人のブログが多く、読んでいると切りがありません。「食べログ」には、写真ギャラリー/213件、口コミ/33件が掲載してあります。口コミは、概ね好意的な評価が多く、1件、1件のコメントが、「一端の評論家」で、数行で終わるものでなく、お店の外観・内装、客席数、従業員の接客態度、食べたメニューの食感・食味、レシピの分析予想や麺の製造元、個人のお薦めメニュー、店主の経歴までを事細かに分析、解剖してあります。400字詰め原稿用紙?枚分という、書き込みのものもあります。

こんな所に、こんなお店が!……と、驚きました。

 

10月8日平日昼時、開店より1年経つので、「そんなに、混んではいないだろう…? しかし、あんな店なので、もしかしたら…?」と思い、A&Kで11時半前に入りました。20席中?、すでにお客が6、7人おります。私達は、4人掛けテーブル席へ、案内されました。直後、どやどやと10人ほどの来客です。店内に2人の立待ち客に、外待ちに2名ほど、いるようでした。

Kが、気を利かして店員に「二人横並びになりますよ!」と、声を掛けました。「いえ、そのままで結構ですよ!」と、店員が即座に答え、「ありがとうございます」と、返してきました。

店内の立待ち客が座り、外待ちの客も、店員に促されて入ってきました。お客も店員も当然のような、一連の様子でした。

 

自動券売機の横に、開店当時の「お祝い札」が、10数枚貼ってあります。送られた個人名や店名は、知らないものばかりですが、この業界では、知られた方々なのでしょう?

 

私は、数量限定の「特製つけめん・大盛400g 熱もり」(¥1,100)、Kは、同じつけめんの「普通盛250g 冷もり」(¥980)を、いただきました。大盛の私は、何とか食べた!…という結構なボリュームで、Kは麺を少し残しました。Kが「少し残しちゃいました。ごめんなさい!」と、先の店員に、声を掛けました。「いいえ、うちの普通盛りは、多めですから!」と、笑いながら返してきました。また、「初めに、麺少なめの注文を頂ければ、何かトッピングをサービスさせていただきますので……」と、嬉しいサービス話も付いてきました。ああ! こんなところが口コミにあった「土地柄、ファミリー層にやさしく、地域密着型のアットホームを目指すお店」の、従業員教育なんだな!……と、思いました。

 

 

( 「つけめん さなだ」特製つけめん 大盛400g )

 

 

口コミの受け売りですが、豚骨魚介のつけ汁は、見た目以上にサラッとして油濃くなく、濃厚でした。塩好みの私ですが、少々塩っぱかったようです。汁がからんだ太麺は、歯触りがよく、好きな麺の部類です。次回は、普通盛250gにしたいと思います。塩バターコーンや味噌バターチャーシューのラーメンに慣れた舌には、時代を駆け抜ける「つけめん」の味は、よい経験になりました。Kは、「初めで、終わり」のようなことを、つぶやいておりました。味は、個人の好みがあるので、そんなものかもしれません。

 

帰り際に、先ほどの店員さんに、聞きました。

「瀬戸口亮さんて、どの人?」。店員さんが、目配せしながら「あの方です!」と、カウンターの中を、指し示しました。30過ぎの若い方が、黒の店名入りTシャツを着て、盛り付けをしておりました。

 

「つけめん」に関するこの業界は、よく知らないので、「さなだ」に関する内容を、ウェブサイトより拾ってみました。ごく個人的情報も混じっているので、怪しい内容もあります。

 

「『つけめん さなだ』の店主 瀬戸口亮氏は、品川区大崎に開業した「六厘舎」大崎本店の初代店長。「超濃厚スープ・極太麺」で、都内屈指の行列店として繁盛したが、近隣への迷惑解消が出来ず、開店後5年目に閉店した。閉店当時、瀬戸口氏は、26歳。「さなだ」の店名は、お母さんの旧姓から名付けた。三郷の店は、2014.10.2にオープン、開店当日は、50人が行列を作った。当初は、従業員のパートも不慣れで、うまく回転しないところもあったが、丁寧な接客は良かった。動物系豚骨と魚介系のつけ汁は、ポタージュ状ではないが、濃厚なサッパリとして飲めるものであり、極太でない太麺は、浅草開化楼を思わせる。注文時、麺は熱もりか冷もりを選べる。鶏肉をフレーク状にした「鶏ほぐし」は、豚骨とも良くマッチしており、醤油を染みこませた味玉も、味が良くしみている。食券は、自動券売機で購入、水はセルフとしているようだが、最初は、持ってきてくれるらしい。大方の来客が、スープ割りを頼むが、鰹スープをスープジャーより店員さんが取り出し、お客の器に入れて持ってきてくれる。席で鰹節か、柚子を選ぶと、鰹節は削り器で、柚子はおろし金で客の目前で、削って入れてくれます。柚子は、濃いめのスープを飲みやすくしてくれます。柚子を選ぶ人が多いようで、《時によって、需要に追いつかない場合があります》と、店内に断書きの張り紙があります。店外の入口脇にも張り紙があり、メニューの他、外待ちのお客様への注意書き、駐車場の利用方法など、近隣への配慮もされているようです。アルコールは、ビール中瓶のみで、つまみにチャーシューやメンマ盛りがあります。器を持参すれば、持ち帰りの麺、つけ汁、中華そばなどの販売も開始したようです。近くには、大所帯の早稲田団地があり、経営的にも、地域に根ざした店作りを、考えているようです。」


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