2023年 自作・アルミ缶輪切りカッター
1970年代に置き忘れられたペンショナーが、ソロキャンプを始めました。流行の百均でソロキャンプ一人分の調理をする熱源の小型軽量「アルコールストーブ」を知り、その単純な構造より、自作がブームになっていることに行き着きました。非常持ち出しの中に紛れて一つ入っていれば、どんな役どころが待っているかもしれない「アルコールストーブ」。加工のしやすい素材(アルミ)と使用済みの色々な色彩と形の容器、図工と技術家庭のチョットした術を遣り繰りして作り上げる楽しみ。自作を始めて数日間、失敗作も含め数個の実用品?が出来ました。
(「アルスト」に はまったかも?)
ビール空き缶2個で作るオーソドックスな形と実用性、製作過程で少し手間と神経を使うアルミ缶からのパーツ切り出し、もう少し簡単に……と、「アルミ缶輪切りカッター」を自作してみました。
※ 自作器具の製作過程、その使用は、自己責任になりますので、くれぐれもご注意下さい。
【アルミ缶輪切りカッターの製作】
1.
容器の中でアルミ缶を回転させ、固定したカッター刃で少しずつ表面を切り込み(削り取る)、輪切りにする。この方法にこだわってアルミ缶が滑るように回転し、容器の表面を加工出来る条件のものを探していました。YouTubeからヒントをもらい、Aも手元に持っていた「燃料用アルコール」(500mL)のポリエチレン製プラスチック容器を使用しました。
(「燃料用アルコール」(500mL)容器の採用)
2.
Ⅰ
アルミ缶を持って回しやすい位置(高さ)での容器の切断、特に高さは計りませんでした。たまたま高さは ゛燃料用アルコール ゛と記載されている文字の真上になりました。切断は、カッター本体を固定し、容器を回転させながら切断しますが、プラスチックのため作業は容易です。
(目測でアルミ缶を回転させやすい位置(高さ)で切断)
(カッター本体を固定 プラスチックのため容易に切断)
Ⅱ
切り取った蓋付きの上部を「湾曲部にかからない個所」の高さで切断する。蓋付き部と円筒型部の2つに切断されたものの円筒型部を縦に切断します。縦に切断する時、切断面と直角になる印刷されたライン上を縦に切断すると、なお良いです。
(蓋付き上部の丸く湾曲しない高さで切断する)
(円筒型に切り取ったものを縦に切断する)
Ⅲ
「2.- Ⅱ」で縦に切り取ったものは「スペーサー」です。一般的ビールアルミ缶の外径は66mmですが、この「燃料用アルコール」容器の内径はそれよりも少々大きく、その差を埋めるための「スペーサー」が必要になります。スペーサーを入れることにより切断時のガタつきが無く、スムーズなアルミ缶の輪切りが可能になります。このスペーサーを横に一定の高さで2つに切断しますが、1つ目の高さは、自分が容器ボトムより必要とする最低限度の高さを下回る必要があります。Aの場合20mmでしたので、僅かにそれ以下の高さで切断しました。切断する高さの確定に当たり、容器下部の湾曲した凸部がありますので、高さの調整には実際に切断するアルミ缶をセットして微調整を願います。2つの「スペーサー」と本体容器の3個がそろいます。
(20mm以下の高さにカットしたものと2つ目のスペーサーと本体容器)
Ⅳ
この「アルミ缶輪切りカッター」では事前に切り込みを入れたアルミ缶の高さしか輪切りに出来ませんので、自分が必要と思われる数種類の高さ(カットライン)を設定して下さい。Aの場合は、20mm 30mm 37mmです。なお切り込みを入れる個所は、縦に直線が印刷された「説明書」の個所が適当でした。切り込みを入れるに当たり「2.-Ⅲ」の配慮が必要で、適当な長さの加減がいります。
※ 後より追加の高さの切り込みは可能ですが、容器の強度上、限界があるかもしれません。
(アルミ缶同様に限られた高さ長さの切り込みを入れる)
(刃先が適度な長さに出る切り込みを付ける)
(30mm 37mmに切り込まれた容器側面)
3.
カッター刃の細工
Ⅰ
カッター刃のカット使用部分以外の両サイドにビニールテープを巻き付ける。片側の穴あき個所に輪ゴム2つ分を繋げたものの片方を固定する。細工したカッター刃を容器の切り込み部にセットしてみる。
(細工し容器に取り付けたカッター刃 横側より)
(カッター刃を取り付けた上部よりの写真)
4.
使用方法
Ⅰ
容器の中最下部に「20mm以下のスペーサー」を端が一部重なった状態で置く。
(1番目のスペーサーを一部重ねた状態で入れるのがミソ)
Ⅱ
切断したい高さの切り込みにカッター刃を挟み込み、輪ゴムを容器に巻き付け反対側のビニールテープに引っ掛け、仮留め状態にする。
(切断したい高さでカッター刃を仮留めする)
Ⅲ
アルミ缶を挿入する。途中カッター刃を少し引っ張って逃がし、アルミ缶を最奥部まで挿入する。1番目のスペーサーの重なった個所が缶を容器に良い具合に密着させる。
(カッター刃を少し逃がしアルミ缶を奥まで挿入)
Ⅳ
アルミ缶と容器の隙間に2番目のスペーサーの端を一部重ねながら挟み込んでいく。少しやりづらくコツが必要だが、ピッタリと入るはずです。
(2番目のスペーサーを缶と容器の間に挟み込んだところ)
Ⅴ
防護グローブをはめた手でカッター刃を加減しながら押し付け、アルミ缶を回転させます。多少刃が鈍っていたのか、予想以上の回転数13回転で写真のような切り口でアルミ缶の輪切りができました。
(防護グローブをはめカッター刃を押し付けアルミ缶を回転)
(アルミ缶13回転ほどで写真の切り口で輪切りできた)
5.
カッター刃の使い方として、1本の替え刃で何回のアルミ缶の輪切りができるか分かりませんが、鈍った刃先を「家庭用包丁研ぎ器」で研いでみました。案外、いけるようなので、今後も継続して試すつもりです。
(カッター刃を「包丁研ぎ器」で研いでみた)