2018年 新倉山浅間公園 桜まつり(2)
4月9日午後、新倉山浅間公園を下り、人並みの流れに沿って富士急・下吉田駅には、12時頃に着きました。次の目的は、「吉田のうどん」を食べに、葭之池温泉(よしのいけおんせん)へ向かうことです。下吉田駅より一つ大月寄りの「葭池温泉前駅」へは僅かな距離です。平日の天気の良い昼下がり、退職爺にはうってつけの暇つぶしとなりました。線路脇から人気の無い旧市街?と思われる町並みを20分程、あっけないほどに次の無人駅に、着いてしまいました。
(富士急の沿線 人気の無い富士見3丁目付近の町並み)
無人駅「葭池温泉前駅」から5分ほどで、中央自動車道を背にした「葭之池温泉」に着きました。2時間¥600を支払い湯殿へ、梁組みが剥き出しの天井は創業安政三年(西暦1856年)、160年余りの歴史を醸し出していました。脱衣所と浴場は、気持ちばかりの衝立で仕切られて、一種開放感があります。黒御影石(HPより)の湯船は、幾分深めで、透明なお湯です。゛古い新聞の切り抜き(「富士北麓見てある記」) ゛があり、湧水を湧かす泉質は、皮膚病・胃腸(飲水可)に良いとの説明がありました。
その時は分かりませんでしたが、後から゛切り抜き ゛を参考に、温泉に係る内容を知ることができました。
(「葭之池温泉」黒御影石の湯船 A )
湯上がりには、長テーブル×12、炬燵×2、角卓袱台×3、そのほか座布団・枕のある大広間の「お休処」が用意されており、繁農期後の慰安、登山客や観光客には、打って付けの設備がありました。Aが広間に入ったときは、炬燵に一組の老夫婦が、゛ごろ寝 ゛をしていました。ビール1本と ゛上うどん(肉・玉子入り)」(¥600) ゛を注文、軽い疲労と火照った身体に、ビールが染みます。本日の二番目の目的は、運ばれてきた゛吉田のうどん ゛で達成されました。「讃岐うどん」とは少しばかり違う゛こし ゛の強さと、醤油出汁の旨味、鶏肉に半熟玉子と鳴門に麩、多彩な具に青菜の緑も食欲をそそります。
(慰安・休憩のための設備が用意された「大広間」)
(お待ち兼ね!「葭之池温泉」の上うどん600円)
広間のガラス戸越に、「葭之池」の石碑と、時折吹く風にざわめく庭木の響き、炬燵の老夫婦も今はどこへやら、姿も見られません。閑散とした温泉宿?…に一時の静けさが、訪れました。アルコールに眠気をもよおしますが、そうもいきません。日帰りの癒やしの湯に入って1時間40分が過ぎました。3時過ぎの上りのバス停まで、余裕を見てあと20分はかかります。
バスの寝酒に゛熱燗 ゛が欲しいところですが、゛ぐっ ゛と我慢して、歴史あるスパを後にしました。
(「葭之池温泉」引き戸の入口には紙垂(しで)のお飾りが?)
(4月9日 下吉田駅周辺の散策ルート)
帰宅後、脱衣所の゛切り抜き ゛や母屋入口の紙垂(しで)が気になって、「第三の事後の楽しみ」、ブログのネタを漁ってみました。
「下吉田の小室浅間神社に800年以上続く伝統行事「筒粥神事」は、正月14日の深夜から15日未明にかけ、粥を炊く大釜に米2升、粟5合、15cmの葭(よし)×24本を付けた「粥柱」を入れて「占人」が煮る。その後、葭に入った粥の量により、作物18種類毎の豊凶や富士山を参詣登山する「道者」の数を占う。今年(2018年)は、農作物は例年より悪く、登山者は昨年を下回る」(山梨日日新聞 2018.1.16)
上記、記事の写真中に、「葭之池」の法被を着た「占人?」と思われる人が写り込んでいたので、「葭之池温泉」に確認したところ、「神事に使用される「よし」は、庭中の「葭之池」のものを捧げます」との事でした。