Feelin' Groovy 11

I have MY books.

同じ内容なら村上本を!

2004-10-10 | 村上春樹
  その嵐から出てきた君は、そこに踏みいれたときの君じゃないということだ。
                           (『海辺のカフカ』 村上春樹著)


この文を読んだ時、大学の時に読んでみなさいと紹介された本の一部が思い出された。
それは以下の通り。


①どんな芸術の世界も自律しているので、
現実の生活に直接あてはめるわけにはいかない。
だから、これらの物語が本の表表紙と裏表紙のあいだに成立しているということも、
また結構なことなんだ。
想像力の魔術的な領域こそ、『はてしない物語』のファンタージエン国なわけで、
ぼくたちはときどきそこへ旅して、見者となるんだ。
それからぼくたちは、外的現実にもどることができる。
変化した意識をおみやげにしてね。
そしてこの外的現実を変化させる、あるいはすくなくとも外的現実を
新しい角度から見て体験することができる。

②いろんな試みがうまくいかなくても、そのおかげで転機とか変身が決定的になる
わけだから、そういう意味では試みが不成功であったとは決めつけられない。
    (①②ともに『オリーブの森で語りあう』M.エンデ E.エプラー H.テヒル 丘沢静也訳)

①の嵐は「本を読むこと」
②の嵐は「失敗すること」

①なんて、まわりくどい文章で2回ほど読み直してしまったよ・・・。
その点『海辺のカフカ』は、簡潔だし分かりやすい。

学生の本離れを防ぎたいのなら、
紹介する本も厳選するとよいのにね。

私の学生時代にはまだ『海辺のカフカ』は発行されていなかったので
文句は言えませんが。