Feelin' Groovy 11

I have MY books.

そろそろ

2005-07-13 | 村上春樹
今週の【村上モトクラシ大調査】
「自分の知っている村上ファンはこんなところが登場人物と共通している」
 と思うものをお選びください。
だった。

自分のことで考えると、私は「内面」だろうと思う。

  思春期半ばのある時点から、ぼくは他人とのあいだに
  目に見えない境界線を引くようになった。
  どんな人間に対しても一定の距離をとり、
  それを縮めないようにしながら
  相手の出かたを見届けるようになった。
  人々が口にすることを鵜呑みにしないようになった。
  ぼくが世界に対する留保のない情熱を見いだすのは
  本や音楽の中に限られていた。
     (『スプートニクの恋人』村上春樹著 講談社)

こういうところが、だ。
20歳過ぎからは線を一部取っ払うことができるようになったが
こういう部分はまだ持ち合わせていて、
なんとかしなくちゃなぁと思っている。
だんだん春樹さんの本の登場人物も変ってきているしね。



神様からひと言①

2005-07-13 | 
課題図書の中の1つ『神様からひと言』(荻原浩著 光文社)は
深読みしなければ楽しめた。
広告代理店を辞め、再就職先でも問題を起こし
リストラ要員が送られる部署「お客様相談室」へ異動させられた主人公。
そこにいる島流しされた社員は皆個性豊かなメンバーばかりで
やりたいことをやっていて気持ちよい。

終わりは上手く行き過ぎていて作り物くさいが、
そこかしこにハッとする言葉がちりばめられているので
そこは目をつぶることができる。
ドラマにすれば人気が出そうだ。

けれど。

最後に主人公は会社の副社長の秘密をあばいて
またまた辞職している。
辞職する決意があるのなら
クレームの原因究明をする部署に働きかけて
自分たちの仕事が無駄にならないような結果に
結びつる努力をすればよいのに。
それから辞めても遅くなかった。

主人公は役員たちに言っている。

「あんたらだってそうだ。あんたも同罪だ。
 あんたも、あんたも、あんたもだ。
 四十年も五十年も生きてきて、何を覚えた。何を教わってきた。
 ゴルフのスイングか?接待に使う店のリストか?
 経費のちょろまかし方か?いつだって見て見ぬふり。
 世間に何を言われようが、会社の中でよくやった、
 お前は偉いって言われるほうが大切なのか?何が怖い?
 生活費か?女房か?近所の評判か?仕事がなくたって
 金がなくたって、死にはしない。
 新宿中央公園に行けば生きていけるぞ!」
(青字引用)

言われるのはごもっとも。気持もよくわかる。
私もそちらの偉いといわれる側にはまわりたくないとも思っている。
でもね、国民全員が浮浪者になったら社会が機能しないでしょ?
浮浪者が持っている道具は誰が作るの?
食べ物はどこからもらうの?
要は役割なんじゃないの?

ってことで主人公には共感できない本だった。
けれどその直属上司には好感が持て
一晩で一気に読むことができた。

これってやっぱりおもしろかったってことだよなあ。