恩師のご著書「講演集」より
講演集、 三
難しことよりもまず実践を
私の所の会場で、先月は二百人ほど集まっていただきました。
ふだんはこういう壇の上にあがるのは嫌いですから、
皆さんと同じ席に坐らせていただいてお話会をしていたのです。
そうしますと、だんだん人数が増えてきまして、
後ろの方から顔が見えないと言われれて演壇を拵えてもらったのですね。
私が「上にあがるのはかなわないですから許して下さい。
どうぞ、下に居させて下さい」と言いますと、「先生、それは愛がない、
思いやりがない。自分だけは低い所にいて、
皆に顔が見えなくても構わないのですか」とおっしゃるのですね。
もう、そう言われると、辛くてしようがないです。
こうして、演壇の前に立たせてもらってお話させていただくようになってしまいました。
しかし、私のほんとうの思いは常に下座にありたい、下にあって皆さんと共に学びたい、
そのように思わせていただいて、ずっと続けてきました。
不思議なご縁で、先生の教えを少しでも忠実に、そして枉げないように伝え、
そして自分が実践するように努めておりますと、
やがて、その教えの輪はどんどん広がっていきます。