恩師のご著書「思いの中に生きる」より
「感謝する」とは
先の続き・・・
ところがよく考えてみますと、
必ず一つ、一つずつを思っています。
禅定して、「今日は心を統一して
禅定三昧に入ってみたい」と思っている時、
誰かが下駄の足音をカタカタと
鳴らして通ったとします。
「ああうるさいなあ」
「今の下駄の音は重そうだからたぶん男だろう」
「あれは大分よく肥えた人にちがいない」
「どこの人かなあ」
「今頃、何をしに来たのだろう」・・・・
もう次から次へと休むことを知らず
思いが飛び回りますが、
必ず一つずつだけ思っています。
「ああ悲しい、ワッ嬉しい」
この思いを同時に思うことはできません。
また、怒り狂いながら心に
安らぎを持つこともできません。
必ず一つずつだけを思っています。