『BUTTER』 柚木麻子 新潮社
結婚詐欺の末、男性3人を殺害したとされる容疑者・梶井真奈子。世間を騒がせたのは、彼女の決して若くも美しくもない容姿と、女性としての自信に満ち溢れた言動だった。週刊誌で働く30代の女性記者・里佳は、親友の伶子からのアドバイスでカジマナとの面会を取り付ける。だが、取材を重ねるうち、欲望と快楽に忠実な彼女の言動に、翻弄されるようになっていく―。
木嶋佳苗をモデルにしたと思われるが、別物と考えて読んだ方がいい。
まず、食べ物の描写がとてもおいしそう!
それから、カジマナにだまされた男や婚活パーティーに行く男の心理を描いておもしろい。「食事の準備をして、面倒をみてくれる女」「対等なコミュニケーションをとれる人生を一緒に歩くパートナーではなく、「すごいすごい」と話を聞いてくれる」人を求め、「求めれば与えられることを、なんにも疑問に思ってない」「なんの緊張感もなく大切にされて当たり前だ」と思って「誰かにケアしてもらうのをただ待って」いる男たち。若い男の人たちは、違うかもしれないが、50代以上の人はこういう人が多いような気がする。アホかいなあ。
後半は、やや失速した感じはある。
「身近に大切に思ってくれる人がいないから、自分を労わらないなんて、やっぱり誰かへの暴力なんですよ」という言葉が私の心には響いた。
結婚詐欺の末、男性3人を殺害したとされる容疑者・梶井真奈子。世間を騒がせたのは、彼女の決して若くも美しくもない容姿と、女性としての自信に満ち溢れた言動だった。週刊誌で働く30代の女性記者・里佳は、親友の伶子からのアドバイスでカジマナとの面会を取り付ける。だが、取材を重ねるうち、欲望と快楽に忠実な彼女の言動に、翻弄されるようになっていく―。
木嶋佳苗をモデルにしたと思われるが、別物と考えて読んだ方がいい。
まず、食べ物の描写がとてもおいしそう!
それから、カジマナにだまされた男や婚活パーティーに行く男の心理を描いておもしろい。「食事の準備をして、面倒をみてくれる女」「対等なコミュニケーションをとれる人生を一緒に歩くパートナーではなく、「すごいすごい」と話を聞いてくれる」人を求め、「求めれば与えられることを、なんにも疑問に思ってない」「なんの緊張感もなく大切にされて当たり前だ」と思って「誰かにケアしてもらうのをただ待って」いる男たち。若い男の人たちは、違うかもしれないが、50代以上の人はこういう人が多いような気がする。アホかいなあ。
後半は、やや失速した感じはある。
「身近に大切に思ってくれる人がいないから、自分を労わらないなんて、やっぱり誰かへの暴力なんですよ」という言葉が私の心には響いた。