私が大学生だった頃、お料理教室に行くなら土井勝だったなあ。今でも、土井勝さんの料理本は私のバイブル。ボロボロになっても使っている。ということで、土井勝さんの息子さんの土井善晴さんの本。
『一汁一菜でよいという提案』 土井善晴 グラフィック社
長年にわたって家庭料理とその在り方を研究してきた土井善晴氏が、現代にも応用できる日本古来の食のスタイル「一汁一菜」を通して、料理という経験の大切さや和食文化の継承、日本人の心に生きる美しい精神について考察。
すみません。なめていました。軽い本だと思っていたら、深い深い本でした。
日本の食文化、ハレとケの違い、レストランと家庭料理の違い、和食とは、と一汁一菜から多岐にわたって話が広がる。和食には温度を楽しむ習慣があること。(あつあつ、ひえひえ)お茶事のご飯は、「まだ蒸れていないご飯」「よく熟んだご飯」「おこげの湯炊き」と旬のものの「はしり」「さかり」「なごり」のタイミングにあわせ、三度供されること。(三回ご飯が出るのは知っていたが、「はしり」「さかり」「なごり」だと考えたことがなかった)見た目をよくしようと意識的に手数を増やせば、食材に触れる分だけ鮮度が落ちるというのもなるほどと思った。
そして、私には、家庭料理は普通においしければよいという言葉が心に残った。うんともすんとも言わずに黙々と食べる夫と子供に腹を立てていたが、誰も何も言わないのは普通に美味しいからという一文に救われた。家庭料理は素朴で地味なのだ。
また、汁物の写真にビックリ。料理研究家の味噌汁かと思うほど、お椀になみなみの汁、だしの煮干しはそのまま入っているし、具材もぐちゃ。写真を見ているだけで、がんばらなくていいよというメッセージが伝わってくる。
食べることは生きること。優しく丁寧な文で、すんなりと体に入ってきた。
『一汁一菜でよいという提案』 土井善晴 グラフィック社
長年にわたって家庭料理とその在り方を研究してきた土井善晴氏が、現代にも応用できる日本古来の食のスタイル「一汁一菜」を通して、料理という経験の大切さや和食文化の継承、日本人の心に生きる美しい精神について考察。
すみません。なめていました。軽い本だと思っていたら、深い深い本でした。
日本の食文化、ハレとケの違い、レストランと家庭料理の違い、和食とは、と一汁一菜から多岐にわたって話が広がる。和食には温度を楽しむ習慣があること。(あつあつ、ひえひえ)お茶事のご飯は、「まだ蒸れていないご飯」「よく熟んだご飯」「おこげの湯炊き」と旬のものの「はしり」「さかり」「なごり」のタイミングにあわせ、三度供されること。(三回ご飯が出るのは知っていたが、「はしり」「さかり」「なごり」だと考えたことがなかった)見た目をよくしようと意識的に手数を増やせば、食材に触れる分だけ鮮度が落ちるというのもなるほどと思った。
そして、私には、家庭料理は普通においしければよいという言葉が心に残った。うんともすんとも言わずに黙々と食べる夫と子供に腹を立てていたが、誰も何も言わないのは普通に美味しいからという一文に救われた。家庭料理は素朴で地味なのだ。
また、汁物の写真にビックリ。料理研究家の味噌汁かと思うほど、お椀になみなみの汁、だしの煮干しはそのまま入っているし、具材もぐちゃ。写真を見ているだけで、がんばらなくていいよというメッセージが伝わってくる。
食べることは生きること。優しく丁寧な文で、すんなりと体に入ってきた。