ささやかな幸せ

SUPER EIGHT、本、美術鑑賞、俳句、お茶が好き!
毎日小さな幸せを見つけて暮らしたい。

『カルカッタの殺人』『つけびの村』

2020-07-13 20:45:25 | 
『カルカッタの殺人』 アビール・ムカジー 田村義進訳 早川書店
 1919年、英国統治下のカルカッタ。スコットランド・ヤードの敏腕警部ウィンダムは、第一次大戦従軍を経て妻を失い、倦み疲れてインド帝国警察に赴任した。右も左もわからぬ土地で頼みの網は、理想に燃える若く優秀なインド人の新米部長刑事バネルジー。二人は英国人政府高官が何者かに惨殺された事件を捜査する。背後には暴動寸前の現地の憤懣と暗躍する諜報機関の影が…
 誰が犯人なのか?怪しい人ばかり。続きが読みたくて、今日の予定を明日に延ばして読了。私にとって、海外ミステリは当たり外れがあるのだが、これは当たりだった!面白かった。でも、伏線回収が好きな人には不向きかも。
 ウィンダムとバネルジーは、名コンビ。これからのシリーズに期待が持てる。インドの熱気や大英帝国の尊大さなども感じられる。ウィンダムが、モルヒネやアヘンの依存なのも、スーパーマンらしくなくていい。皮肉がきいてクスリとするのもいい。

『つけびの村 噂が5人を殺したのか?』 高橋ユキ 晶文社
 2013年の夏、わずか12人が暮らす山口県の集落で、一夜にして5人の村人が殺害された〈山口連続殺人放火事件〉。犯人の家に貼られた川柳「つけびして 煙り喜ぶ 田舎者」は〈戦慄の犯行予告〉として世間を騒がせたが……それらはすべて〈うわさ話〉に過ぎなかった。ノンフィクションライターが、ネットとマスコミによって拡散された〈うわさ話〉を一歩ずつ、ひとつずつ地道に足でつぶし、閉ざされた村をゆく。
 噂が犯人を追い詰めていったのだと思う。しかし、噂は噂。噂の真偽は、解明されずに肩透かしな感じ。はっきりしないから、噂なのだろうが、なんともすっきりしない。
コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする