ささやかな幸せ

SUPER EIGHT、本、美術鑑賞、俳句、お茶が好き!
毎日小さな幸せを見つけて暮らしたい。

『団地のふたり』『ホロコースト最年少生存者たち』

2022-11-11 15:24:38 | 
『団地のふたり』 藤野千夜 U-NEXT
 五十歳を迎え、生家である団地に戻った幼馴染の二人、なっちゃん(桜井奈津子)とノエチ(太田野枝)。売れないイラストレーターのなっちゃんは今やフリマアプリでの売り上げが生計のメインで、ノエチは非常勤講師の仕事のストレスを日々友に吐き出す。保育園からの付き合いの二人がゆるく、のんびり毎日を過ごす。
 ゆるい。すぐ読むことができる。
 でも、言わないがそれぞれ皆に隠れた事情がありそう。今後明かされるのだろうか?
 本に出てくるBS朝日の「ウチ、断捨離しました!」の番組は、私も見ている~。

『ホロコースト最年少生存者たち 100人の物語からたどるその後』 レベッカ・クリフォード 山田美明訳 芝健介監修 柏書房
 記憶も、名前も、家族に対する愛着も持ち得なかった者が、自分の人生を取り戻すことなど可能なのだろうか?支援機関のファイル、養護施設の記録、精神科医の報告書、未公開の回想録など、10カ国以上の史料とインタビューをもとに、かつて「幸運」とされた当時10歳以下の子どもたちが経験した「戦後」を描く
 幼年期の記憶は、周囲の大人がその物語を作れるように手を貸してくれたから。思い出せなかったり、説明できなかった情報を提供し、意味を教えてくれるのだ。では、生き残るために、収容所の外の人に預けられ、自分の出自や名前を偽って生きていたら?
 戦後は、全然言葉の違う遠い里親や施設へと送られたら?
 ホロコーストを生き抜いても、年配の収容所からの生存者に「小さいからわかっていない」と言われたら?
 知らないことがいっぱいあった。人生の空白期間があるのは、気持ちが悪いだろうなあ。
 ニコル・Dの「苦しみを序列化することはできない」という言葉が印象に残った。

 
コメント
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