ささやかな幸せ

SUPER EIGHT、本、美術鑑賞、俳句、お茶が好き!
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『チョウはなぜ飛ぶか』

2020-10-20 22:22:03 | 
『チョウはなぜ飛ぶか』 日高敏隆 岩波少年文庫
 小学生のころ、ぼくはおもしろいことに気がついた。どうしてアゲハは同じ道を飛ぶんだろう? 少年はやがて研究者となりチョウの行動のふしぎを解きあかしていく。なぞを追って、世界を知るのはたのしい。動物行動学者が夢中で調べて見たこと感じたことを、失敗談もまじえて子どもたちに語る。
 いやあ、おもしろかった。チョウがなぜ飛ぶかなんて、考えたことないもの。アゲハとモンシロチョウでは飛び方が違うとか、知らなかった。オスは、どこでメスを見分けるのか、どこで同じ種類のチョウと見分けるのかという実験もおもしろい。
 自伝的エッセイも秀逸。戦時中とはいえ「お前なんか日本のじゃまだ。早く死んでしまえ」と先生に言われれば、学校に行きたくなるのも当たり前。そうかと思えば、何か一つのことをやりたいと思ったら、なんでも要ること(昆虫学をやりたければ、本を読むために国語が要る、虫は世界のどこにいるのかで地理が要る、いつから日本にいるのかで歴史が要る等)を教えてくれた先生との出会いもある。そして、苦手な人も必要という考えで結ばれる。いろんな人がいるから、世の中のことがいろいろわかると。子どもたちに読んでもらいたい本。大人が読んでも、いい!

 この本を読んで思い出したこと。

 子どもが幼稚園に通っていた時、チョウの幼虫を虫かごで飼い、さなぎになって、チョウになったら園庭で放蝶していた。子どもが「チョウを放したい」と言う。でも、どこで幼虫をつかまえるんだよ?(当時、東京に住んでいた)お庭を持っている人が「アゲハの幼虫は、柑橘類の木につくのよね」と言っていたこと、「グレープフルーツの種を蒔いたら葉っぱがでてきてアゲハが卵を産んだ」と知り合いが言っていたことを思い出して、植木鉢にグレープフルーツの種を蒔いた。グレープフルーツは芽を出し、50cmくらいまで育ち、いい香りの葉を茂らす。そして、アゲハが卵を産み付けていたらしく、気が付いたら、アゲハの幼虫が葉っぱを食べていた。虫かごに、アゲハの幼虫を入れて、子どもに幼稚園に持っていかせる。子どもが、自分の幼虫が大きくなったとか、さなぎになったとか報告してくれるのが私も楽しみだった。そして、アゲハになり、園庭に放す。楽しそうにチョウの行方を話す子どもを見て、私もうれしかったことを本を読んで思い出した。

 自伝的エッセイであった、授業をつぶすイタズラ。私が高校生の時もやった。
 英語の先生は熱烈な阪神ファンだった。阪神が勝った翌日は、席の前の子が、「先生、阪神勝ちましたね」「すごかったですね」と話しかける。すると、先生は、嬉しそうに阪神の話を始める。そして、授業をつぶすことがよくあった。
 また、バレンタインデーに教卓に「女子からです」とチョコレートを置いておくこともあった。すると、先生は、その日は女子をあてない。男子に「おまえら、ずっこいぞ」と毒づかれながらも、女子はニヤニヤしていたこともあったなあ。
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