ささやかな幸せ

SUPER EIGHT、本、美術鑑賞、俳句、お茶が好き!
毎日小さな幸せを見つけて暮らしたい。

『灰の劇場』

2022-05-28 22:25:17 | 
『灰の劇場』 恩田陸 河出書房新社
  きっかけは「私」が小説家としてデビューした頃に遡る。それは、ごくごく短い記事だった。一緒に暮らしていた女性二人が橋から飛び降りて、自殺をしたというものである。様々な「なぜ」が「私」の脳裏を駆け巡る。しかし当時、「私」は記事を切り取っておかなかった。そしてその記事は、「私」の中でずっと「棘」として刺さったままとなっていた。ある日「私」は、担当編集者から一枚のプリントを渡される。「見つかりました」――彼が差し出してきたのは、一九九四年九月二十五日(朝刊)の新聞記事のコピー。
 回想やら現実の中の白昼夢やら小説やらが混じりあって、ややこしい感じ。でも、私にとってはなんだかわからない魅力があった。MやTの時代背景や心情が理解できる気がする。漠然とした不安とか。
 結婚式で白い羽根が降る場面、劇場で白い砂が積もっていく場面が美しくて しびれた。
コメント    この記事についてブログを書く
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする
« 南禅寺の三門と無鄰菴のお庭 | トップ | 『千年の読書』『昔話の扉を... »
最新の画像もっと見る

コメントを投稿

」カテゴリの最新記事