『パラダイス・ガーデンの喪失』 若竹七海 光文社
海に臨む庭園での老女の自殺、所轄署のクラスター騒ぎ、老人ホームを巡る不穏な噂、幼稚園児身代金誘拐――総勢15名以上の住民の物語がパッチワークのように交錯する。
章の表題がパッチワークのパターン。話は、まさしくパッチワークのよう。ごちゃごちゃした柄がパターンで一つの絵を作り出し、それがつなぎ合わされて、さらに大きな作品になる。一見、関係のない話が思いもよらないところにつながっていき、思いがけない絵を描き出す。おもしろかった。
二村貴美子警部補が、いい味を出している。全体的に明るく、ユーモアもある。
『鵜頭川村事件』 櫛木理宇 文藝春秋
一九七九年・六月。亡き妻・節子の田舎である鵜頭川村へ、三年ぶりに墓参りにやってきた岩森明と娘の愛子。突如、山間の村は豪雨に見舞われ、山間の小さな村は土砂崩れで孤立。そして、一人の若者の死体が発見される。村の有力者・矢萩吉朗の息子で問題児の大助が犯人だと若者たちは息巻くが、矢萩家に誰も反抗できず、事件はうやむやとなる。抱えていた家同士の対立が顕在化し出し、若者たちは自警団を結成する。動き始めた狂気がさらなる狂気を生み、村は騒乱に巻き込まれていく―父と幼い娘は閉ざされた村での暴動と狂乱から逃れられるのか。
家父長制度や村の閉塞感。雨もあり、陰気で不穏。タガがはずれたような暴走が怖いし。
2冊とも「どうなるんだ?犯人は誰だ?」と読み進めたが、陰と陽と真反対だった。
海に臨む庭園での老女の自殺、所轄署のクラスター騒ぎ、老人ホームを巡る不穏な噂、幼稚園児身代金誘拐――総勢15名以上の住民の物語がパッチワークのように交錯する。
章の表題がパッチワークのパターン。話は、まさしくパッチワークのよう。ごちゃごちゃした柄がパターンで一つの絵を作り出し、それがつなぎ合わされて、さらに大きな作品になる。一見、関係のない話が思いもよらないところにつながっていき、思いがけない絵を描き出す。おもしろかった。
二村貴美子警部補が、いい味を出している。全体的に明るく、ユーモアもある。
『鵜頭川村事件』 櫛木理宇 文藝春秋
一九七九年・六月。亡き妻・節子の田舎である鵜頭川村へ、三年ぶりに墓参りにやってきた岩森明と娘の愛子。突如、山間の村は豪雨に見舞われ、山間の小さな村は土砂崩れで孤立。そして、一人の若者の死体が発見される。村の有力者・矢萩吉朗の息子で問題児の大助が犯人だと若者たちは息巻くが、矢萩家に誰も反抗できず、事件はうやむやとなる。抱えていた家同士の対立が顕在化し出し、若者たちは自警団を結成する。動き始めた狂気がさらなる狂気を生み、村は騒乱に巻き込まれていく―父と幼い娘は閉ざされた村での暴動と狂乱から逃れられるのか。
家父長制度や村の閉塞感。雨もあり、陰気で不穏。タガがはずれたような暴走が怖いし。
2冊とも「どうなるんだ?犯人は誰だ?」と読み進めたが、陰と陽と真反対だった。
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