平成27年錦秋文楽公演 第二部 2015/10/31~11/23
玉藻前曦袂(たまものまえあさひのたもと)
土曜日は文楽に行ってきた。人形の顔が変わったり、早変わりがあったり、宙乗りがあったり、色っぽいふりがあったりとおもしろかった。近くに外国の方がいたが、その方も大きな声で笑ったり、驚いたりと とても楽しんでおられたようだった。
●清水寺の段
鳥羽天皇の兄・薄雲皇子は、犬淵源蔵ら家来を連れて清水寺にやってくる。皇子は謀反を企て、藤原道春の家に伝わる獅子王の剣(かつて天竺で九尾の狐を退けたという名剣)を鷲塚金籐次に盗ませて手に入れた。皇子は恋慕する道春の娘桂姫を手に入れようとするが応じないため、従わなければ首を討つように言って去る。その桂姫が参詣に訪れ、姫が恋する陰陽師安部泰成の弟・采女之助と来合わす。そこへ、犬淵が現われ、姫を奪おうとするが、采女之助が姫を逃がす。
薄雲皇子は日蝕の生まれなので、帝位につけなかったそうだ。
●道春館の段
藤原道春の館に鷲塚金籐次がやって来て、皇子が所望している獅子王の剣を出すか桂姫の首を討って出すかと道春の未亡人・萩の方に迫る。萩の方は、桂姫は清水寺で拾い神から授かった子として育てたので畏れ多いと実子である妹の初花姫を差し出そうとするが、金籐次に拒否される。そこで、姉妹に双六をさせ、負けたほうの首を差し出すことにする。初花姫が勝負に負け、姉を助けられると喜んだのも束の間、なんと金籐次は桂姫の首をはねる。隠れていた采女之助が金藤次に刀を突き刺す。金籐次は、桂姫が自分の娘であり、獅子王の剣を盗んだことを告白する。そこへ、天皇の使いが訪れ、初花姫を玉藻前と名を改め宮中へ仕えるようにと伝える。
金籐次が切々と語る場面は、胸に迫る。
●神泉苑の段
宮中に仕える玉藻前のところに金毛九尾の狐が現われて襲いかかり、代わりに玉藻前に化けてでてくる。玉藻前を薄雲皇子が呼びとめ、謀反の企みを打ち明ける。玉藻前は、自分が妖狐だと明かし、日本を魔界にしようとしていると言う。魔界にするため、皇子の謀反に協力を約束する。神器の八咫の鏡を穢せば魔界にできるが、ただ獅子王の剣を恐れていることを語る。
狐は、金毛九尾。しかし、実際の人形のしっぽは7つ。顔は虎っぽい。一緒に見た友人は、金の胴がヘビっぽいと言っていた。初花姫の顔が狐に変わるのが見所。一瞬で変わるのが本当に不思議。
●廊下の段
玉藻前に帝の寵愛を奪われた女たちが、玉藻前を亡き者にしようと廊下で待ち構えるが、玉藻前は体から怪しい光を放ち、妖狐の威力をのぞかせる
●訴訟の段
薄雲皇子の寵愛を得た傾城・亀菊が酒色にふける皇子に代わって訴訟を裁く。
金の貸し借りを巡って、待兼の宰相と内侍の局が小競り合いをしたり、下女のお末が訴える右大弁との色恋沙汰がおもしろい。下女のお末の着物が、ミッキーマウスの顔のような柄でちょっと気になる。
●祈りの段
訴訟は、玉藻前に不審な点があると訴える安倍泰成の番になる。泰成は、玉藻前が妖狐であると言うが亀菊は訴えを退ける。次に泰成は、帝の病の平癒の祈祷を玉藻前にしてもらうよう願い出て認められる。亀菊は一人になると、現われた采女之助に八咫の鏡を渡す。そこへやって来た薄雲皇子は、亀菊を裏切ったと殺す。祈祷が始まると、泰成は獅子王の剣を玉藻前に突きつける。すると、玉藻前は妖狐の正体を現し、那須野が原へ飛び去るのであった。
●化粧殺生石
那須野は原に逃げた妖狐は、退治され、近づくものを死に追いやる殺生石となる。未練を残す妖狐の魂は、毎夜様々な姿に化けて踊り狂うのであった。
幕開けからスモークがもくもくとし、不気味な感じを出している。桐竹勘十郎さんが狐、座頭、娘、雷、いなせな男、夜鷹、女郎、奴とくりくりと早変わりで人形を持ち替えるは、宙吊りで狐を遣うはと大活躍。おもしろかった。
玉藻前曦袂(たまものまえあさひのたもと)
土曜日は文楽に行ってきた。人形の顔が変わったり、早変わりがあったり、宙乗りがあったり、色っぽいふりがあったりとおもしろかった。近くに外国の方がいたが、その方も大きな声で笑ったり、驚いたりと とても楽しんでおられたようだった。
●清水寺の段
鳥羽天皇の兄・薄雲皇子は、犬淵源蔵ら家来を連れて清水寺にやってくる。皇子は謀反を企て、藤原道春の家に伝わる獅子王の剣(かつて天竺で九尾の狐を退けたという名剣)を鷲塚金籐次に盗ませて手に入れた。皇子は恋慕する道春の娘桂姫を手に入れようとするが応じないため、従わなければ首を討つように言って去る。その桂姫が参詣に訪れ、姫が恋する陰陽師安部泰成の弟・采女之助と来合わす。そこへ、犬淵が現われ、姫を奪おうとするが、采女之助が姫を逃がす。
薄雲皇子は日蝕の生まれなので、帝位につけなかったそうだ。
●道春館の段
藤原道春の館に鷲塚金籐次がやって来て、皇子が所望している獅子王の剣を出すか桂姫の首を討って出すかと道春の未亡人・萩の方に迫る。萩の方は、桂姫は清水寺で拾い神から授かった子として育てたので畏れ多いと実子である妹の初花姫を差し出そうとするが、金籐次に拒否される。そこで、姉妹に双六をさせ、負けたほうの首を差し出すことにする。初花姫が勝負に負け、姉を助けられると喜んだのも束の間、なんと金籐次は桂姫の首をはねる。隠れていた采女之助が金藤次に刀を突き刺す。金籐次は、桂姫が自分の娘であり、獅子王の剣を盗んだことを告白する。そこへ、天皇の使いが訪れ、初花姫を玉藻前と名を改め宮中へ仕えるようにと伝える。
金籐次が切々と語る場面は、胸に迫る。
●神泉苑の段
宮中に仕える玉藻前のところに金毛九尾の狐が現われて襲いかかり、代わりに玉藻前に化けてでてくる。玉藻前を薄雲皇子が呼びとめ、謀反の企みを打ち明ける。玉藻前は、自分が妖狐だと明かし、日本を魔界にしようとしていると言う。魔界にするため、皇子の謀反に協力を約束する。神器の八咫の鏡を穢せば魔界にできるが、ただ獅子王の剣を恐れていることを語る。
狐は、金毛九尾。しかし、実際の人形のしっぽは7つ。顔は虎っぽい。一緒に見た友人は、金の胴がヘビっぽいと言っていた。初花姫の顔が狐に変わるのが見所。一瞬で変わるのが本当に不思議。
●廊下の段
玉藻前に帝の寵愛を奪われた女たちが、玉藻前を亡き者にしようと廊下で待ち構えるが、玉藻前は体から怪しい光を放ち、妖狐の威力をのぞかせる
●訴訟の段
薄雲皇子の寵愛を得た傾城・亀菊が酒色にふける皇子に代わって訴訟を裁く。
金の貸し借りを巡って、待兼の宰相と内侍の局が小競り合いをしたり、下女のお末が訴える右大弁との色恋沙汰がおもしろい。下女のお末の着物が、ミッキーマウスの顔のような柄でちょっと気になる。
●祈りの段
訴訟は、玉藻前に不審な点があると訴える安倍泰成の番になる。泰成は、玉藻前が妖狐であると言うが亀菊は訴えを退ける。次に泰成は、帝の病の平癒の祈祷を玉藻前にしてもらうよう願い出て認められる。亀菊は一人になると、現われた采女之助に八咫の鏡を渡す。そこへやって来た薄雲皇子は、亀菊を裏切ったと殺す。祈祷が始まると、泰成は獅子王の剣を玉藻前に突きつける。すると、玉藻前は妖狐の正体を現し、那須野が原へ飛び去るのであった。
●化粧殺生石
那須野は原に逃げた妖狐は、退治され、近づくものを死に追いやる殺生石となる。未練を残す妖狐の魂は、毎夜様々な姿に化けて踊り狂うのであった。
幕開けからスモークがもくもくとし、不気味な感じを出している。桐竹勘十郎さんが狐、座頭、娘、雷、いなせな男、夜鷹、女郎、奴とくりくりと早変わりで人形を持ち替えるは、宙吊りで狐を遣うはと大活躍。おもしろかった。