2019年の冬シーズン、テレビ東京系列「金曜8時のドラマ」枠で全7話(初回は2時間スペシャル)が放映された、テレビ東京&ホリプロの制作による刑事ドラマ。'20年夏には単発2時間スペシャル、同年秋にはシーズン2全7話も放映されてます。
定年直前、犯人に背中を刺されて脊髄を損傷し、半身付随となった新宿東警察署刑事課捜査一課の敏腕刑事=鬼塚一路(北大路欣也)が、1年間のリハビリを終えて「司法係長」の任を授かり、職場復帰。
車椅子生活ながら、バツグンの記憶力と信頼のおける部下たちの支えを武器に、警察の「手付かず案件」の数々を掘り起こし、解決していきます。
司法係とは警察官が認知した犯罪を「刑法犯認知情報票」として警視庁にデータ送信する部署で、市民からの訴えを捜査へと繋げていく通報窓口。言わば事務仕事なんだけど、鬼塚はそこで見落とされ立件されなかった過去の犯罪被害を拾い上げ、業務の枠を越えて捜査しちゃう。
第1話の序盤は1年前=犯人に刺される前の鬼塚が描かれ、ご老体に鞭打って走り回る北大路欣也さんが見られて「おっ、結構アクション系のドラマ?」かと思いきや、すぐに刺されて車椅子生活となり、主人公がただ突っ立って謎解きするドラマどころか、ずっと座ったまま謎解きするドラマになっちゃいましたw
だけどその分、事務仕事に飽き足らず「捜査」がしたくて仕方ない、刑事志望の部下=上白石萌音さんが鬼塚の手足となって走り回るんですよね。
で、研修で配属されたヤング・キャリアの風間俊介くんがいちいち「それは司法係の仕事じゃない!」って文句言いながらも二人に感化され、知らず知らず捜査に協力しちゃう。
司法係に何かと関わる捜査一係の係長(石黒 賢)、鑑識課の係長(余貴美子)、そして署長(勝野 洋)もみんな穏やかな好人物として描かれ、人間模様が観てて心地好いんですよね。これならありがちな謎解きストーリーでもストレスなく楽しめます。
いや、ありがちと言っても初回のストーリーには泣かされたし、俳優陣の充実と相まってクオリティーが高いです。
上白石萌音さんがとうとう刑事役をやるお年頃になられた事実には感慨深いものがあるし、恋愛には100%発展しないであろう風間俊介くん(相変わらず上手い!)とのコンビネーションがまた可笑しいし、テキサス(勝野さん)も出てるし、もちろん連ドラの刑事物で主役を張るのは '75年の『新宿警察』以来(そして今回も新宿が舞台)となる北大路さんの演技と存在感が素晴らしく、たった7回で終わるには勿体ない作品だと私は思いました。