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2019年秋シーズン、1話も欠かさずに観た唯一の連ドラがこれでした。従って自動的に同シーズンNo.1作品ということになります。
ニート状態の主人公が新たな第一歩を踏み出すまでの充電期間をじっくり描いた点で、前シーズンの話題作『凪のお暇』と似てると言えば似てるんだけど、この『俺の話は長い』の方がはるかに共感できたのは単純に私が(こちらの主人公=満と同じく)男だから?
いや、それだけじゃないと思います。なかなか自分の意見を主張しないあちらの主人公=凪(黒木 華)とは全く対照的に、誰が相手であろうと思ったことを単刀直入に(そして的確に)ズバズバ言っちゃう満(生田斗真)はキャラクターとして魅力的だし、客観的に観て面白い。
それに、仕事も住居も人間関係もスパッと断ち切った凪は、弱そうに見えて実は強い。対して満はいくら口が達者で「孤独なライオン」を自称しようが、母親の庇護から抜け出せない正真正銘のヘタレですから、本質的にはずっと我々に近い。
諦めずに夢を追い続ける人は確かにステキだけど、大多数の人はそうも言ってられない現実に負けて、そんなに望んでもいなかった仕事に就くワケです、私みたいに。
それはやっぱり、名残惜しいし勇気の要ることです。屈辱でもあります。満みたいにそうしなくても生きて行ける環境にいれば(彼いわくニートでいられる才能に恵まれればw)そりゃなかなか踏み出せないですよ。
それでも、結果的に6年もかかったけど、彼は踏み出した。自然とエールを送らずにいられない家族や近隣住民たちと、それを受けて泣いてしまう満の姿に、私も自然と涙が零れました。
で、満が面接試験でも屁理屈全開で大口を叩くラストシーンがまた最高でしたw 相手は物怖じしない人材を求めてるって話でしたから、きっと合格するだろうし、議員秘書っていうのは本当に天職かも知れません。
満だけじゃなく、ファミリーそれぞれの成長、関係の変化も笑いを交えてよく描かれてました。そう、この「笑いを交えて」っていうのが重要なポイント。
特に光司さん(安田 顕)が義理の娘である春海(清原果耶)に初めて「お父さん」って呼ばれる場面。ホームドラマじゃ「ありがち」過ぎて逆に珍しくなっちゃった定番シーンなのに、自然と素直に泣けました。
これがもし日曜劇場みたいなゴリゴリの泣かせ演出だったら全て台無し。かと言ってクドカン作品みたいに全編小ネタありきの作劇じゃ(少なくとも私は)泣けません。笑いのサジ加減、涙とのバランス感覚において本作はパーフェクトだったと思います。
なにより素晴らしかったのは、いい歳した2人のおっさん(満と光司)が、無職なのにこの上なく幸せそうだったことw 結局はごく一般的な(いかにも日本的で窮屈な)価値観に囚われてた『凪のお暇』と違って、この『俺の話は長い』は「男が働かなくてなにが悪い?」っていう新しい価値観を示してくれました。
まったくあの屁理屈男の言った通りで、働かなくても生きていられる環境にいるなら、焦る必要なんかまったく無い。動かなきゃどうにもならない時が来たら自然と動きますよ、それまで待っててやりゃええやんって話です。
みんながそれくらいの姿勢でいれば、自殺とか衝動的な犯罪は減っていくような気がします。それじゃ国がダメになるとか言うけど、一方で働くことが好きな人だって沢山いるワケでしょう?
誰も彼も同じように働かなきゃいけないって決めつけるから窮屈になっちゃう。そりゃもちろん贅沢がしたいなら働いて稼がなきゃいけないけど、誰もがみな贅沢したいワケじゃない。私なんかはDVDとかモデルガンとかマジンガーZのフィギュアが買いたいから、その分だけは頑張って働くけど、あとは生活費だけあれば充分です。
夢を追いたい人は勝手に追えばいいし、ホームレスだって1つの選択肢だし、人それぞれ色んな生き方があっていい筈なのに、国にとって都合のいい理想像をメディアが押しつけるから歪みが生まれてくる。
とにかく、ここまでニートを肯定的に描いたドラマは今まで無かったと思うし、毎回2幕から成る『ちびまる子ちゃん』式の構成といい、久々に新鮮な連ドラが観られて私は嬉しかったです。
全てのキャラクターに対する創り手の愛も感じました。ダメでも幸せを感じていいんだって思えました。
「そうやって都合良く解釈して、お前はラクな方へ逃げたいだけだろう」って、努力することが好き(と言うより努力する自分が好き)なヤツはまた言うだろうけど、もう気にしません。私には、どんなにダメでも生きていられるという才能があるんだから。
ボインぼよよん画像は言うまでもなく、満の天敵である姉=綾子を演じた小池栄子さん。原田美枝子さんから小池さんに受け継がれたボインの血は、清原さんで途切れてしまうんでしょうか?w