ハリソン君の素晴らしいブログZ

新旧の刑事ドラマを中心に素晴らしい作品をご紹介する、実に素晴らしいブログです。

『レッドブル』

2020-07-05 21:30:10 | 外国映画









 
1988年に公開された、全盛期のアーノルド・シュワルツェネッガー主演によるポリスアクション映画。原題は『RED HEAT』、監督は『48時間』『ストリート・オブ・ファイヤー』など男気アクションの雄=ウォルター・ヒル師匠。

シュワちゃんが今回演じたのはなんと、当時はまだソビエト連邦だったモスクワ警察のスーパー筋肉捜査官=イワン・ダンコ大尉。

無口、筋肉、無表情、筋肉、怪力、筋肉……そして裸になって大型銃を撃ちまくればターミネーターT-800と何も変わらないんだけどw、それだけにシュワちゃんにしか演じられないハマリ役となりました。

で、そんなダンコ大尉がモスクワで殺し損ねた麻薬組織のボス(エド・オロス)を追ってアメリカへと渡り、シカゴ警察のハミダシ刑事=リジック(ジェームズ・ベルーシ)とコンビを組んで悪党どもを皆殺しにするという楽しいストーリー。

『リーサル・ウェポン』('87) の大ヒットを皮切りに、当時はバディ物のポリスアクションが花盛り。ふだんは単独で主役を張るスターたちもこぞって誰かとタッグを組むようになり、スタローン先生も『デッドフォール』('89) でカート・ラッセル兄貴と看板を分かち合われたのは前回書いた通り。

『コブラ』と『ゴリラ』、そして『デッドフォール』に『レッドブル』と、いかにもスタローンvsシュワルツェネッガーが意図して同じ路線をぶつけ合ったように見えるけど、単にそれぞれがブームに乗っかっただけで公開時期が重なったのは偶然だろうと思います。それだけ当時はポリスアクション映画が熱かった!

ジェームズ・ベルーシ氏は『ブルース・ブラザース』で有名なジョン・ベルーシ氏の弟さんで、無口&勤勉なダンコ大尉に対してお喋り&テキトーなヤンキー気質のリジック刑事と、キャラクターの色分けも『デッドフォール』と被ってますw(そういやスタローン先生の役名はタンゴ。シュワちゃんはダンコ。やっぱメチャクチャ意識してる?)

ダンコ&リジックの掛け合いはターミネーターとジョン・コナー少年みたいなもんで、なかなかの名コンビじゃないかと私は思います。シュワちゃんのユーモアセンスもスタローン先生とそれほど大差なくw、お喋りは相方に任せて合間に仏頂面でごく短いジョークをかますのが一番。シュワちゃんはこのあとダニー・デビート氏とのコンビでファミリー向けコメディーを連続ヒットさせ、スタローン先生を大いに焦らせることになります。

アメリカ映画で初めてモスクワ市街や赤の広場でのロケを許可されたことでも話題になった本作。ストーリー進行がややもたついて中弛みを感じるのが残念だけど、シュワちゃんが裸になってバキュン!バキューン!バリバリバリバリ!ドッカーン!!と大暴れしさえすれば問題なし。それを楽しむ為の映画です。

クライマックスにおける、大型バス2台がシカゴ市街を爆走&破壊しまくるカーチェイスはレアだと思うし、そのダイナミック過ぎる演出はウォルター・ヒル師匠の面目躍如! ザッツ・ハリウッド! ザッツ・'80年代!

セクシーショットは、事件の鍵を握る女=キャットを演じたジーナ・ガーションさん。後にポール・バーホーベン監督のお下劣大作『ショーガール』や、ウォシャウスキー兄弟の初監督作『バウンド』等で大いに注目を浴びることになる女優さんです。

ちなみに本作における『ダーティハリー』オマージュは、ソ連製の愛銃を取り上げられたダンコ大尉がリジックから拝借して使うS&W M29マグナム44! シュワちゃんの「アイル・ビー・バック」に代わる決め台詞として「ダーティハリーって誰だ?」という渾身のギャグも飛び出しますが、大して笑えませんw
 

コメント (4)
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