ハリソン君の素晴らしいブログZ

新旧の刑事ドラマを中心に素晴らしい作品をご紹介する、実に素晴らしいブログです。

『太陽にほえろ!』#447ー1

2022-01-13 01:00:07 | 刑事ドラマ'80年代

もし真夜中、玄関のドアを開けて、そこにズブ濡れの志賀勝が立ってたら、あなたはどうしますか!?

しかもその日から志賀勝が我が家に住みつき、2人っきりで食事する羽目になったとしたら!? うぎゃあああぁぁぁーーーっ!!!



☆第447話『侵入者』(1981.3.6.OA/脚本=小川英&尾西兼一/監督=澤田幸弘)

ロッキー(木之元 亮)と毎晩チョメチョメして子供を宿した新妻の令子さん(長谷直美)が、とある真夜中、大きなお腹を抱えながらアパートの玄関のドアを開けたら、そこにズブ濡れの志賀勝が立っていた! きゃあああぁぁぁーーーっ!!!



その志賀勝は、3年前に恐喝と傷害の罪でロッキーに逮捕された、矢沢という元暴力団員(志賀 勝)。刑期を終えて出所したものの身寄りが無く、どうやらロッキー以外に頼れる相手がいなかった様子。

ロッキーは3年前、カッコつけて「出所したらいつでも来いよ」なんて言っちゃった事を死ぬほど後悔しますw

「ああ、そ、そうだったな。俺に出来る事があれば何でも力貸すよ!」

「ありがとうございます。じゃあ職が決まるまで此処に泊めて下さい」

「えっ?」「えっ?」

ロッキーと令子さんが夫婦仲良くフリーズします。志賀勝が、泊まる? 新婚ホヤホヤ夫婦のアパート、それもこんな狭い部屋に? 職が決まるまで? 志賀勝が?



「俺、ほかに頼るところが無いんですよ。お願いします」

矢沢に土下座されて、ロッキーは困り果てます。なにせ自分は忙しい毎日で帰りも遅い。つまり愛する令子さんを志賀勝と狭い部屋で2人っきりにさせちゃう事になる。

「いや、その……俺はいいけどさ……」

「えっ? いや、私だって構わないわよ。せっかく頼って来てくれたんだし……」

アホのロッキーは、そんな令子の社交辞令を真に受けちゃいます。

「よし、決まった!」

「ええっ?」

かくして、新婚夫婦と志賀勝との奇妙な、そして極めてデンジャラスな同居生活が始まっちゃうのでした。

しかもアホのロッキーは気づいてません。アパートの表にビニール傘が無造作に捨てられてることに。そう、矢沢は表まで傘をさして来たのに、それを捨ててわざとズブ濡れになったのでした。怖い怖い怖い怖い!



翌日、ロッキーが矢沢と一緒に求職活動してると聞いて、藤堂チームの同僚たちは驚きます。

「矢沢と言えば、人の弱味を握ってはユスったりタカったりの前科三犯。取調べでも嘘をつきっ放しでロッキーが手こずったヤツだよ」

「そんなヤツを家に泊めるなんてアイツ、人が好すぎますね」

「ドック、そりゃ無いですよ。我々の仕事は犯罪者を刑務所へ送り込んだらそれっでいいってもんじゃないでしょう?」

「ご立派! お説ごもっともだよ、建前はね」

「俺は本音の話をしてるんですよ?」

「あ、ほんね?」

(↑私じゃなくて神田さんのセンスです、念のためw)

そんな同僚たちの心配をよそに、お人好しロッキーは顔を毛むくじゃらにしながら矢沢の職探しに奔走します。

だけど、いかんせん矢沢は前科者である上に、顔が……

しかも、せっかく決まりかけても矢沢本人が渋ったりして一向に出口が見えて来ない。彼は本当に働く気があるのか?



そんな折り、七曲署管内の二大暴力団=竜神会と響組が臨戦態勢に入ってるとの情報が入り、藤堂チームに緊張が走ります。どうやら響組が竜神会を潰しにかかっており、大阪支部から大幹部が乗り込んで来るらしく、竜神会がそいつの命を狙う可能性がある。

もし、それが実行されれば全面戦争になりかねず、藤堂チーム総出で監視にあたるんだけど、ロッキーはたびたび矢沢に呼び出されて捜査に集中出来ません。

「悪いけど1人で回ってくれよ、な?」

そう言ってロッキーが捜査に戻っても、矢沢は一係室にまで押しかけ、いきなり至近距離で顔を見てしまったナーコ(友 直子)を卒倒させますw



「刑事は保護士でもボランティアでもないんだから、協力にも限度ってものがあるんだよ!」

腹に据えかねてそう怒鳴ったのは、ロッキーじゃなくてドック(神田正輝)でした。ところが当のロッキーは、顔を毛むくじゃらにしながら矢沢を庇います。

「ドック、矢沢はオレを頼って来たんです! 余計な世話を焼かないで欲しいんですが」

「余計? 協力すんのはいいけど自分の仕事はどうすんだよっ!?」



見かねたボス(石原裕次郎)が2人を刑事部屋に呼び戻します。

「ロッキー、よく考えてみろ。矢沢がお前に恨みを持ってるようなことは無いか?」



確かに、そう考えれば辻褄が合うんだけど、ロッキーは毛にまみれながらキッパリと言います。

「ありません。ボス、矢沢はそんな悪い男じゃありません。ただ拗ねてるだけなんです」



「気に入った職が見つかって、人に信頼されるようになれば、きっと立ち直ると思うんです。オレはそう信じてます!」

「分かった、それなら力になってやれ。最後までな」

「はい!」

ロッキーよ、そこまで志賀勝を信じて本当に大丈夫なのか? お人好しにも程があるのでは? ドックならずとも心配になっちゃいます。

けど、とことん人を信じ抜くスピリットは、2年間寝食を共にした愛するパイセン=ボン(宮内 淳)から受け継いだもの。そう考えると応援しないワケにいきません。

ところが!

令子さんがスーパーで買いもの中、いきなり矢沢と鉢合わせし、間近で顔を見てしまって卒倒! もしかして矢沢は、令子さんを尾けて来た? 何のために!?



しかもその夜、張り込みで忙しい毛の旦那はなかなか帰って来ず、令子さんは狭い部屋で志賀勝と2人っきり。あの顔を間近で見ながら食事する羽目になっちゃいます。当然、食欲は急降下w

「奥さん、もっとよく食べないと。お腹の赤ちゃんによくないっスよ?」



同じセリフでも、言う人の顔によって脅しに聞こえたりしちゃう。矢沢はその上ドスの効いた巻き舌で、何を言っても脅しに聞こえちゃう!

「旦那さん、遅いですねえ。ひょっとしたら今夜、帰れないかも知れませんねえ」



怖い怖い怖い怖い怖い! いくら男勝りで知られ、あの北極熊みたいな旦那を尻に敷いてる令子さんでも、深夜に志賀勝と2人っきりは怖すぎる! 胎教にも悪すぎる!



たまらず、令子さんは矢沢がトイレに立ったスキにロッキーに電話します。

「あなたお願い、早く帰って来て!」



恐怖劇場はまだまだ続きます。電話を切って令子さんが振り返ると、果物ナイフを手にした志賀勝が目の前に! うぎゃあああぁぁぁーーーっ!!!



「このリンゴ、食っていいスか?」

笑えない! 怖すぎて笑えない!!

「あっ!」

さらに志賀勝は畳み掛けます。うっかり(?)つまずいた矢沢が前屈みに転んで、持ってたナイフがたまたま(?)配線コードを切断! ブレーカーが落ちていよいよ部屋が真っ暗に!!

「きゃあああぁぁぁーーーっ!!!」

思わず逃げようとした令子さんもつんのめって転倒! 矢沢がブレーカーを上げて明るくなった部屋には、頭から血を流して倒れてる令子さんの姿が!

「お、奥さん? ……奥さん……」



いったい何が目的なんだ志賀勝!? 身重の妻を放ったらかしにして何やってんだロッキー!? そして令子さんの運命や如何に!? (つづく)




 

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