ふだん、朝飯はパンとゆで卵、昼飯は勤め先の(入居者さんたちが食べてるのと同じ)給食、そして晩飯はデリバリーの弁当(やはり年配者向けの健康食)プラス肉類をちょっと、っていう食生活を送る昨今の私。
ですが正月の三ヶ日だけはデリバリー弁当屋さんが休みなので、とりあえず元日の夜はスーパーで買ったおせち弁当(半額!)でせめてもの正月気分。
で、2日と3日は仕事終わりに外食しようと決め、いつもとは違う経路で愛車を走らせました。そしたら、数年前に閉店した筈の“天理スタミナラーメン”のお店が復活してた!
大好きだし、今の私に何より必要なのはスタミナですから、本来は“すき家”へ行く予定だったのを変更して駆け込みました。やっぱり旨いし、ちょっと元気になれた気がします。
そして3日の夜は今度こそ“すき家”で牛すき鍋セットを注文。すき焼きは今は亡き父のソウルフード。
その“すき家”はけっこう近所にあるにも関わらず、長年行ってませんでした。なぜなら、高校時代の同級生女子=Sちゃんが店員をやってて、会うのがちょっと小っ恥ずかしいから。
でも、行かなくなってから10年近く経ってるし、同級生ってことは今年還暦になるし(つまりお互い年女と年男)、なんとなく「もういないだろう」ってタカをくくってたんですよ。
ところが食べ終わってレジへ行ったら、女性の店員さんに声をかけられました。
「もしかしてハリソンちゃん?」
それほど親しかったワケじゃないのに彼女が私を「ちゃん」づけで呼ぶのは、高校の演劇部でみんながそう呼んでたから。
私は本来テニス部(のユーレイ部員)だったけど、文化祭でどうしても男子キャストが欲しかった彼女ら(当時の演劇部は男子部員ゼロだった)にスカウトされ、その演目だけという前提で参加した美味しい(けどほろ苦い)いきさつがあるワケです。
なぜほろ苦いかと言うと、当時の私は「女性恐怖症」と言えるほど女子に対するニガテ意識があり、せっかく温かく迎えてくれたのに全然馴染めなかった上、本番の舞台でもトチって結局迷惑をかけたから。(演劇の舞台に立ったのはそれ一度きりだけど、今でも悪夢にうなされるほどトラウマになってます)
なのにその後、自分が8ミリ映画を撮ることになり、演劇部メンバー2人に出演をお願いし、快く引き受けてくれたうちの1人がSちゃんなのでした。
もう1人の出演者=Kちゃんは(当時のタレントに例えると)石野真子さんみたいなアイドル顔なのに対し、Sちゃんは古手川祐子さんに似た美人タイプ。
Sちゃんとはクラスも一緒で、休み時間の教室ではいつも独りで読書してるような「孤高の存在」だったけど、演劇部では見違えるほど明るくて活き活きとしてました。
だからキャラ的には古手川祐子さんというより、10代の頃の多部未華子さんみたいな「我、我が道を行く」タイプでカッコよかった!
牛すき鍋セットを食べてる最中から、女性店員さんのメッチャよく通る(まるで舞台女優みたいな)声が聴こえて、客への対応も店長クラスのパーフェクトさで「こりゃもしかして…」「いや間違いなく…」とは思ってました。
でも、あえて目視はしませんでした。やっぱ小っ恥ずかしいし、波平化した頭も見られたくない。
そしたら向こうから声をかけてくれた。マスク越しでも満面の笑顔なのが伝わってきて、久々に心が弾みました。
今どうしてるの?と問われ、介護施設で働いてると答えたら、彼女も自宅で親御さんの世話をしてるとのことで、「誰もが通る道だよね」と励まし合い、「ありがとう」と言い合って私は店を出ました。あゝ青春!
そう、自分だけじゃない。みんなそれぞれ大変で色んな悩みを抱えてる。当たり前のこと。そう思ったらまた元気が湧いてきました。本当にありがとう、Sちゃん。5連勤だけどいい正月になった!