ハリソン君の素晴らしいブログZ

新旧の刑事ドラマを中心に素晴らしい作品をご紹介する、実に素晴らしいブログです。

『特命刑事』#03

2021-02-13 09:35:18 | 刑事ドラマ'80年代










 
☆第3話『スキャンダル・レディー』

(1980.8.12.OA/脚本=高田 純/監督=長谷部安春)

大物代議士の愛人=尚美(水島美奈子)が山中湖で何者かに殺されそうになるも、九死に一生を得て、東京の公安分室まで護送される事になり、マッドポリスがその任務を請け負います。

もちろん、護送中に何度も敵の襲撃を受け、全編に渡って派手な銃撃戦が展開される事になります。

黒幕は、尚美が同行したスポーツ・ハンティング中に、うっかり民間人を撃ち殺しちゃった事実の隠蔽を謀る代議士(山岡徹也)で、護送を依頼した公安の分室長(松本朝夫)もグル。

だったら尚美が分室に到着するのを待って、マッドポリスを帰らせてからゆっくり殺せばええやんって思うけどw、創り手はとにかくC.イーストウッド御大の傑作アクション『ガントレット』みたいな事をやりたかったんでしょう。

アクション系の刑事ドラマなら、だいたい1度や2度は『ガントレット』とか『手錠のままの脱獄』をリメイクしてますよね。女性刑事がいれば『グロリア』あたりも。

本作の場合、護送するセクシー美女の気まぐれに、主役の刑事たちが翻弄されちゃう構図がまた『ガントレット』によく似てます。画像をご覧の通り、一番のコワモテである芹沢刑事(志賀 勝)が誰よりも簡単にカモられてますw 「いくらなんでもガラが悪すぎる!」と問題視された志賀さんの、可愛らしい一面をアピールさせる意図が見え隠れしますw

「ジャパンマフィアとの血で血を洗う抗争」っていう基本設定が撤廃された事で、より軽く、より自由な作風になった『特命刑事』は、毎回違ったミッションにチームが挑む構成といい、後の『ゴリラ/警視庁捜査第8班』(の初期エピソード)にますます近づいた感じがします。もちろん新田刑事=片桐竜次さんのアドリブ・ギャグも順調にスベってますw

新メンバーで真面目キャラの桜木健一さんにはちょっと違和感があるけど、きっちり芝居が出来る人の加入は作品世界を引き締めてくれますから、私は歓迎します。だけどその分、一緒に加入した山岡さんの演技がちょっとアレなもんで、結局プラマイゼロなんだけどw(『ゴリラ』も若手の谷川竜さんが足を引っ張ってました)

まぁしかし、相変わらず悪党を見れば片っ端から射殺するし、マッドポリスの在り方そのものは『大激闘』時代とまったく変わってません。そこはもう、現場で汗水流して働く、創り手たちの意地ですよね。

とにかくアクションに次ぐアクション! 謎解きも人情も一切なし! こんな連ドラはもう、日本では二度と創られないだろうと思います。素晴らしい!

スキャンダル・レディーこと尚美に扮した水島美奈子さんは、当時23歳。1978年のにっかつ映画『ひと夏の関係』で主演デビュー、'81年までロマンポルノで活躍されてました。当時の刑事物にはそういうゲストが多く、昭和のアクションドラマとポルノ映画、すなわちバイオレンスとエロが切っても切れない密接な関係にある事がよく判ります。

ところで今回、氷室キャップが敵を偵察するシーンで使ってたのが、我々世代(特に映画小僧だった者)にはとても懐かしい、8mmフィルムの家庭用カメラ「FUJICA」でした。

当時すでに家庭用VTRカメラも流通してたと思うけど、サイズがデカ過ぎて目立っちゃいますから、コンパクトなFUJICAを使ったんでしょう。
 
決してスタイリッシュとは言えない機材なのに、渡瀬恒彦さんが構えると拳銃みたいにカッコいい! おいちょ待てよ!
 
 

コメント    この記事についてブログを書く
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする
« 『特命刑事』#01 | トップ | 『特命刑事』#05 »

コメントを投稿