ハリソン君の素晴らしいブログZ

新旧の刑事ドラマを中心に素晴らしい作品をご紹介する、実に素晴らしいブログです。

『凪のお暇』最終回

2019-09-24 15:01:48 | TVドラマ全般









 
なにか新鮮なものが観られそう、と期待したドラマでしたが、恋愛ドラマ色が強まるにつれ興味がみるみる薄れ、ヒロイン(黒木 華)と男2人(高橋一生、中村倫也)の三角関係が出来上がって以降はどーでもよくなり、その辺からは「ながら見」になっちゃいました。

が、何となく居心地良さのある世界観なので一応ラストまで見届けることが出来ました。ながら見だけどm(__)m

結局、こういう話で1クール(女性視聴者を)引っ張るとなると、恋愛をネタにするしかないんでしょうね。別に恋愛ドラマを忌み嫌ってるワケじゃないけど、ヒロインはどっちの王子様を選ぶんでしょう的な話になっちゃうと、私はダメです。辟易します。

ただ、メインは自分で何も決められなかった女性が自立していく成長ドラマですから、どっちかの男を選んで結ばれてハッピーエンドっていうのはあり得ない。くっついちゃったら大なり小なり依存し合う関係が続くワケで、それじゃ何も進歩した事にならない。

だから結末は最初から判ってるんだけど、もし万が一どっちかとくっついたらボロクソ書いてやりたくて、それが楽しみだから最後まで観られたのかも知れません。ほんと歪んだ性格ですw

でもやっぱり、当然ながらヒロインは両方との離別を決意しました。フラれた男2人も言わば依存体質で、これを契機に彼らも成長出来そうな希望が見える結末でした。

だから文句は言えないんだけど、結局すべてが収まるべきところに収まった感じで意外性が微塵もなく、なにか新鮮なものが観られそうっていう当初の期待は裏切られた、と言わざるを得ません。

結局、いろんな人々との出逢いと交流が主人公を支え、成長させていく構図も「教科書通り」って感じで、まぁそりゃそうだよねって納得するしか無いんですよね。

大ハマり中の『それは経費で落ちません!』にも言えることだけど、結局「誰かと喜びを共有できること」が何より幸せっていうマジョリティーな価値観に、あらゆる作品が落ち着いちゃうのが私としては大いに不満です。

確かに、そういう相手がいればハッピーです。その通りだと思います。けど、そういう相手と巡り会えない人、うまくつき合えない人だって沢山いるはずで、そんな人にもその人なりのハッピーはあるんだってことを描くドラマが、10年に1本でもいいから創られないもんか?って思う。

決して否定はしません。でも、正解はそれだけじゃないでしょ?って。他にも正解が無数にある筈なのに、メディアが勝手に1つの正解を押しつけ過ぎてませんか?って。学校でクラスのみんなと馴染めないことがダメなこと、不幸なことって、みんなが思い込んでるのはいったい誰のせいなの?って。そりゃみんな空気を読んじゃいますよ、窒息しそうにもなりますよって。

昨今、報道番組はそうじゃない価値観をようやく肯定するようになって来たけど、連ドラは相変わらず「絆」こそが至高で「孤独」は底辺だ不幸だと決めつけてる。それを苦に自殺する人が増え続けてる現実を一体どう捉えてるのか?と問いたいです。

作品のクオリティーとは関係ない話になっちゃいましたが、初回を観た時にひと味違うものが観られそうな錯覚を勝手にしちゃったもんで、平凡この上ないストーリーにちょっとガッカリしました。

男と女がくっついて子孫を残す、あるいは身を守るために群れを作るっていうのは自然の摂理なんでしょうけど、そうしなくても生きていける世の中になってしまった以上、そうしない人を否定するような価値観は変えて行かなきゃいけない。せっかく変わりつつある価値観を、変わらないように変わらないようにとTVドラマ(特に民放の番組)が守り続けてる。視聴率を稼がなきゃいけない=多数派に媚びるしかないメディアの弊害です。

まさかこんな理由でイチャモンをつけられるとは、番組スタッフも全く思ってないでしょうねw ヒロインはちゃんと自立したんだし、間違ったことは1つもしてないのに、何を私は目くじら立ててるんでしょうか?w

何も間違ってはいないんだけど、例えば三田佳子さん演じる独居老人がサプライズパーティーでみんなに温かく迎えられる感動シーンを観ても、自分がそんな事されたら居心地悪くて逃げ出したくなるけどなあって、私なんかは思っちゃう。

独り暮らしを満喫する三田さんの描かれ方が素敵だなあって初回で思っただけに、結局みんなと一緒が一番ハッピー♪みたいな着地点に落ち着いちゃうのがすこぶる残念でした。

自分が孤独なもんだからそれを肯定して欲しいだけなんだろ?って言われれば、その通りかも知れません。いや、まったくその通りです。全員に肯定されなくたっていいけど、たまには誰かいないの?って思ってます。

私はとっくに開き直ってますから大丈夫だけど、死にたいほど苦しんでる人も無数にいる筈で、その存在の否定に繋がるような価値観は一刻も早く無くした方がいい。

同じことは『これは経費で落ちません!』にも言えるんだけど、あっちは他の要素が斬新で面白すぎて、そんな不満を感じてるヒマが無いんですよね。『凪のお暇』には、それだけのスキがあったという事です。

孤独に生きることが最高だとはさすがに思ってません。喜びや苦しみを分かち合える相手はいた方が良いに決まってます。そりゃそうです。

分かってるからこそ、同じことばかり繰り返し聞かせるのは、もういい加減やめて欲しい。自分が出来るんだから誰にでも出来ると決めつけないで欲しい。あまりにマイノリティな価値観による感想で恐縮ですが、だからこそ書く価値はあるんじゃないかと思って書きました。

セクシーショットはヒロイン・凪の元同僚で意識高い系OLたちのリーダー・足立さんを演じられた、瀧内公美さん。ほか、市川実日子さん、唐田えりかさん、水谷果穂さん、大塚千弘さん、藤本泉さん、といった女優さんたちが出演されてました。
 


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4 コメント

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Unknown (harrison2018)
2019-09-29 01:33:11
'70年代には孤独な人を主人公にしたドラマや映画が確かにありましたけど、みんな破滅して行くんですよねw 孤独でも全然ハッピー♪って言い切った作品は、私が知る限りだと無かったように思います。
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探せばなくもないんじゃ・・ (ドゥ)
2019-09-28 18:33:58
>けど、そういう相手と巡り会えない人、うまくつき合えない人だって沢山いるはずで、そんな人にもその人なりのハッピーはあるんだってことを描くドラマが、10年に1本でもいいから創られないもんか?って思う。

新作ならWOWOWやNetflixあたりのオリジナルドラマに、旧作なら70年代のTVドラマにそういうのがありそうな気がするのですが、どうなんでしょうか?
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Unknown (harrison2018)
2019-09-26 12:41:58
恋愛要素があれほど前に出ていなければ、私も素直に楽しめただろうと思います。この題材で1クールは長すぎるんですよね。
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Unknown (キアヌ)
2019-09-26 09:41:26
ドラマの意図もハリソンさんの気持ちもすごくよくわかりました!
ひと夏物語としては私は好きです!
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