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2005年に公開された、ジョン・アーヴィン監督によるイタリア・イギリス・チェコの合作映画。
先日レビューしたフランス映画『エコール』と同じ原作小説の映画化で、公開時期が1年しか違いませんから、これはリメイクというより競作と言った方が良さそうです。
驚きました。同じ小説を原作にしながらここまで違う映画になっちゃうの?!って、そのあまりに対照的な仕上がりっぷりこそがメチャクチャ面白かったです。
ものすごく大雑把に言えば、『エコール』はアート。『ミネハハ』はエンタメ。もはや比べようがないほど別物になっちゃってます。クロエちゃんの『モールス』が『ぼくのエリ』をほとんど完コピしてたのとまた実に対照的。
ストーリーは基本的に同じなんだけど、全てが比喩で表現されてた『エコール』に対して、この『ミネハハ』は全てを具体的に見せてくれます。「ミネハハ」って単語がインディアン語で「笑う水」を意味するって事もわざわざセリフで説明してくれます。
両者の質の違いが最も顕著に表れてるのがラストシーン。『エコール』が沸き上がる噴水を見せて射精を連想させたのに対して、この『ミネハハ』はヒロイン(メアリー・ナイ)が男に犯されてる姿をそのまま見せてしまう!
他にも、例えば学園から脱走を謀った女生徒がどんな末路を辿ったか、『エコール』は仄めかすだけだけど『ミネハハ』はそれもハッキリと見せちゃう。やってることは同じなのに前者はファンタジー、後者はスリラーを通り越してホラーになってます。
作品として優れてるのはどう考えたって『エコール』なんだけど、さて、どっちが面白かったかと問われれば、私は『ミネハハ』の方だと答えてしまいそうですw
だって、今回は途中で居眠りしなかったですから。まあ『エコール』で何度も居眠りしたのは事前に鼻炎の薬を飲んじゃったせいだから、そこで判断すべきじゃないんでしょうけど、もし同じ条件で観比べたとしても、結論はたぶん同じだろうと思います。作品の優劣が面白さと比例するとは限らない……っていうか、単に好みの問題?
ただし、心に引っ掛かって記憶に残るのは、間違いなく『エコール』の方。『ミネハハ』のことは明日には忘れそうですw そこがアートとエンタメの違い。
原作に近いのはどっちなんでしょう? ヒロインの年齢設定が大幅に違う(日本なら『エコール』は小学生ぐらいで『ミネハハ』は高校生ぐらい)のも気になります。
もしかしたら『エコール』はヒロインを幼く設定しちゃったから比喩で表現せざるを得なかっただけで、原作は『ミネハハ』に近いのかも知れません。読んで確かめるほどの興味は無いけれどw
ちなみに『ミネハハ』には懐かしのジャクリーン・ビセットさんが校長役で出演されてます。
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