昨夜、仕事から帰宅してテレビを点けたら、たまたまやってたNHKのお笑い番組で、関根勤さんが千葉真一さんのモノマネを披露されてました。
今やすっかりマニアックなネタで「若い連中は解らんやろ!(それでも笑わせる関根さんは凄い!w)」 って、可笑しいやら感心するやらなんだけど、あまりのタイムリーさに驚きもしました。もちろん偶然のタイミングで、同時に追悼のテロップが出てました。
私が訃報を知ったのはその前日の報道番組における速報でした。コロナに感染されたとの事で、あんなズバ抜けて強靭な肉体と精神力を持った人ですら新型ウイルスには勝てないんだと、もっと大々的に報道すべきじゃないかと思いました。私自身もそうだけど、志村けんさんの時に比べて世間の反応が明らかに軽いですよね。もう大して驚きもしなくなっちゃってる。
志村さんとはまた違ったジャンルで一時代を築かれた千葉真一さん。このブログでも『キイハンター』『ザ・ゴリラ7』『燃える捜査網』『ドーベルマン刑事』『ゴルゴ13/九竜の首』『魔界転生』『里見八犬伝』等の出演作をレビューし、その度にアクションスター・千葉真一の圧倒的なる存在感と、怒らせたら本当に(もちろん素手で)瞬殺されそうな本物のカラテ技に魅せられ、今更ながらファンになりました。(カリスマと単なる人気者の違いって、殺気を感じさせるか否かの違いかも?)
しかし報道やバラエティー番組は、そういった功績をなぜもっと称えないのか? まるで代表作みたいに言われてる『キル・ビル』なんか余興のゲスト出演に過ぎないし、真剣佑だか何だかの父親である事なんか全然大した問題じゃない。この国の人達はつくづく、アクション映画やドラマを見下してるんやなあと思わずにいられません。
千葉さんのアクションと唯一無二のキャラクター、その魅力がちゃんと伝わって来たのは、おかしなことに関根さんのモノマネだけでした。心底からのリスペクトと敬愛があればこそでしょう。
『燃える捜査網』は1975年10月から'76年1月まで、NETテレビ(現:テレビ朝日)の金曜夜9時枠で全14話が放映された、NET&東映の制作による刑事ドラマ。JAC(ジャパン・アクションクラブ)の全盛期で、千葉さんが最もご多忙だった頃の作品と思われます。
普段は所轄署の経理部や交通課に勤務する制服警官たちが、重大事件が起こるや休暇を取って集合し「特別秘密捜査班」として秘密裏に捜査するという、なんだか不思議な設定。身分を隠すなら別の職業を装った方が良い気がするんだけどw
そのリーダーが千葉さん扮する根岸署の警務課長=大神史郎。以下、同じ警務課の佐久(谷 隼人)、さらに交通課の白鳥(志穂美悦子)と麻生(佐藤蛾次郎)がメンバーを務め、警察庁とのパイプ役となる日比木警部補(金子信雄)と指令役の高森刑事部長(神山 繁)が彼らをサポート。第9話から捜査課の城刑事(夏八木 勲)もセミレギュラーとして加わります。
志穂美さんはJACが誇る日本唯一のアクション女優として欠かせない存在だし、谷隼人さんは千葉さんと長年『キイハンター』で共演された仲。『ザ・ゴリラ7』でもレギュラーだった夏八木さんは千葉さんのマブダチで、そんな中で異彩を放っておられるのが佐藤蛾次郎さん。この作品に庶民的な雰囲気を取り入れたい千葉さんの意向が感じられます。実際、第5話では「寅さん」繋がりで前田吟さんが蛾次郎さんの親友役でゲスト出演されてます。
第4話『お前はお前、俺は俺』(脚本=永原秀一&峯尾基三/監督=西村 潔)では覚醒剤の製造元を探り出す捜査を巡り、手っ取り早いオトリ作戦をゴリ押しするリーダーの大神(千葉さん)と、堅実な捜査方針を主張する熱血漢の佐久(谷さん)が対立、それぞれが別個に動いて最後には同じターゲットに辿り着き、共に修羅場をくぐって友情を確かめ合うというストーリー。
ワイルドなキャラクターで優男イメージからの脱却に挑む谷さんの熱演と、悪徳刑事(中尾 彬)に騙されて覚醒剤の運び屋をやらされる孤独な女(中島ゆたか)に、そうとは知らず肩入れしちゃう大神=千葉さんの、ちょっとしたロマンス描写が大きな見所になってます。
もちろん、千葉さんと志穂美さんの空手アクションも見所だけど、この『燃える捜査網』は基本的にドラマ重視でアクションは控えめ。千葉さんは空手よりも44マグナムをぶっ放すGUNアクションに力を入れておられ、JACの従来イメージに収まらない新たな魅力をアピールしよう!っていう意気込みが随所から伝わって来ます。
レギュラー陣のみならず、ミステリアスな美女(騙されるより騙す側)の役が多いゲスト=中島ゆたかさんも、今回は裁縫の内職に励む庶民的なキャラで、いつもと違った魅力を披露。かえってその美しさが際立ってます。
そんな中島さんを騙して利用する役の中尾彬さんはまぁ、いつもの彬ですw なんだかんだ言っても色男の役がよくハマる、セクシーな人なんですよね。
圧巻は禁断症状を訴える中島さんから注射器を取り上げ、ヤク抜きするついでに黒幕の正体を聞き出そうとする千葉さんの大熱演。いつも熱演だけど今回は飛びっきりの美女相手で余計に力が入り、往復ビンタを5発もぶちかましてますw 是非とも関根さんに再現して頂きたい!w
もちろんお相手の中島ゆたかさんも大熱演で、ノーメイクに近いお姿が見られるのはかなりレアかも知れません。出てくる人がみんな熱くて味わい深くて、やっぱつくづく昭和ドラマは素晴らしい!
いや、本作が特に熱いのは千葉真一さんのリードがあればこそで、もっともっと日本のドラマや映画でご活躍を拝見したかったです。心よりご冥福をお祈り致します。
私が月2回のペースで通ってる整骨院で、コロナのクラスターが発生しちゃいました。感染源の患者さんが来院したのは5日ほど前らしく、私が最後に行ったのは2週間前。どうやらセーフです。
が、いよいよ自分の生活圏内までウィルスが侵入して来た恐怖と、かれこれ10年近く通ってる整骨院がしばらく休業やむなしになっちゃった不便。とても笑ってられません。
職業病と言っていい慢性的な肩凝りと腰痛。近年は介護(まともに歩けない親父を持ち上げたり引きずったり)も加わったんで、定期的な身体のメンテナンスが必要なんです。
整骨院にも良し悪しや相性がありますから、新たな掛かり付けを見つける労力を考えると気が重い! コロナの馬鹿野郎!!
いま毎週観てる唯一の連ドラ『ハコヅメ!』が急に2週連続で「特別篇」という名の再放送になっちゃって「一体どうした?」「オリンピックのせい?」とか思ってたら、主演の永野芽郁ちゃんが感染しちゃったんだそうで……許さんぞコロナ!!(無事に復帰され、明日放映の第5話から通常運転再開)
私自身は今月末にワクチン1回目接種予定。間に合えば良いのですが…… 超高齢の両親は接種済みとは言え、感染すれば職場にとてつもない迷惑を掛けますから油断できません。
街に出て遊んでる連中は、もし感染しても自分1人の問題で済むと思ってるんですかね? 周りの迷惑など知ったこっちゃない? 「感染したら100%即死」ぐらいのデマを流さんとダメですな、こりゃ。
オリンピック期間中に起こった電車内の無差別殺傷事件のニュースで「ミソジニー」という言葉を初めて知りました。女性全般に対する嫌悪感や蔑視を有する人の感情を指した言葉らしく、今回の犯人の動機がそれに該当するんだとか。
女性にモテたかったのに誰にも相手にされないから「幸せそうな女性が憎くて刺した」そうだけど、間違ってますね。憎むなら女性じゃなく、女性にモテモテのイケメンどもを憎むべきです。
モテなくてひがむ気持ちは痛いほどよく解るけど、だからって私は女性を恨まない。恨むべきはイケメンです。イケメンは全員、とっとと死ねえーっ!!
もちろん冗談です。モテないのは、モテるための努力が足りないからです。本気でモテたいなら、そのために全精力を注がなきゃダメです。私は無理だからモテるのは諦めました。
単にエッチなことがしたいだけなら風俗店に行けばいいんです。今はコロナで難しいかも知れないけど……(そのせいで性犯罪が増えたらそれこそ大問題!)
そもそも、ミソジニー的なものはずっと昔からあるんじゃないですか? AVでさんざんレイプとか顔面発射みたいなのが定番になってるのって、完全にソレですよね。あれを観てコーフンする人は多かれ少なかれミソジニーを抱えてる。私はそんなに好きじゃないけどフィクションとして観る分には嫌いじゃないw けど、それよりイケメンを皆殺しにする映像の方が百倍コーフンすると思うw
それって、恨みの対象が違うだけで、根っこはあの犯人とたぶん変わらない。モテないのは努力が足りないからと認めつつ、選んでもらえなかった「ひがみ」「恨み」の感情はどうしても残っちゃいます。
それは女性の側にもあって然るべきと思うんだけど、ミソジニーに該当する言葉って女性には無いんでしょうか?
そんな誰にでもあるミソジニーの感情を溜め込ませず、発散させることで犯罪を防ぐワクチンの役割を、AVや風俗は担ってるんだと私は思います。
アクション映画やドラマも同じことです。悪党どもをぶっ殺す、それが無理ならせめてぶん殴るシーンを見せることで、世の中の暴力は確実に減らせると私は思ってます。もちろん、真似するバカはどこにでもいるから、見せ方には細心の注意が必要だけど。
毒なくして毒を制することは出来ません。綺麗事ばっか言ってるからみんな言うこと聞かないんですよ。
このブログにエッチな画像を載せるのも、ワクチンなんです。犯罪を減らすために泣く泣くやってるんです。本当はエロもバイオレンスも大嫌いなのに、ムリしてるんですよ。だからgoo事務局さん、そっとしといて下さい。
2018年に公開された、デヴィッド・リーチ監督によるマーベル・コミック原作のスーパーヒーロー映画、そのシリーズ第2弾です。
同じマーベル映画でも『アベンジャーズ』シリーズのMCUとは別ユニバースで、『X-MEN』シリーズと世界観を共有する作品。これもアメコミに興味ない方は意味不明だしどーでもいい話ですよね。
しかしMCU(アイアンマン、キャプテン・アメリカ、スパイダーマン等)やDCEU(スーパーマン、バットマン、ワンダーウーマン等)をあまり面白いと思わない方でも……いや、そういう方こそ、この『デッドプール』シリーズは楽しめるかも知れません。
なぜなら、従来のアメコミ映画をちょっと斜めから見た視点というか、パロディーまでは行かないけど正統派とは明らかに違う、日本の刑事ドラマで例えると『太陽にほえろ!』の延長線上に『デカワンコ』が存在する、あの感じ。あるいは松田優作さんの『探偵物語』(テレビの方) とか、ヒーロー物で言えば『ヤッターマン』のスピリットがこれに近いかも?
うまい例えが見つからないけど、とにかく昨今の正統派ヒーローが(コンプライアンスを気にして)出来なくなってることもデッドプールは平気でやっちゃう。殺せばPTAから苦情が来そうな相手でもバンバン殺しちゃうw
要するに善悪のモラルに囚われない、良い子のお手本になる気はさらさら無い自由なヒーローなんですね。そういう意味じゃ一番トガってた頃の『大都会』シリーズや『大激闘/マッドポリス'80』に近いのかも知れません。
つまり「悪党は片っ端からぶっ殺せ!」をモットーとする私向きの作品なんだけど、なぜか'16年公開の第1作目にはそれほどハマりませんでした。楽しめはしたけど、自分のハートに突き刺さってくるものが無かった。だから第2弾を心待ちにすることも無く、公開から3年近く経ってようやく観た次第です。
ところが! 今回は良かった! ハマりました。ちゃんとハートに刺さりました。
今回のどこが良かったかを考えることで、前作に足りなかったもの(あくまで自分にとってだけど)も見えて来ました。
前作では、自堕落な日々を送ってた主人公=ウェイド(ライアン・レイノルズ)が生涯の恋人=ヴァネッサ(モリーナ・バッカリン)と出逢い、彼女のため真っ当に生きようと誓うんだけど、その矢先に末期ガンの宣告を受けてしまう。
そんな時にミュータント遺伝子を注入する人体実験の誘いを受け、生きてヴァネッサと結ばれたい一心でそれに応じたウェイドは、不死身の肉体を得た替わりに副作用で全身の皮膚がただれちゃう。
こんな醜い姿じゃヴァネッサに嫌われちゃう!ってことで、ウェイドは全身タイツのコスチュームで身を隠し、「デッドプール」を名乗って元の姿に戻るための戦いを繰り広げるのでした。
つまり、基本は惚れた異性と結ばれることがゴールのラブストーリーで、だから恋愛体質じゃない私のハートには響かなかったんでしょう。
それが今回、前作のラストで醜いウェイドを受け入れてくれたヴァネッサが、開巻早々ウェイドを殺しに来た刺客の凶弾に倒れ、いきなり帰らぬ人になっちゃう。
それで自暴自棄になったウェイドは自殺するんだけど、ミュータント遺伝子のお陰で死にたくても死ねない。いや、いったん死にかけて天国の入口で「あなたの心が正しい場所にない(から戻って)」とヴァネッサに諭され、どうすればいいか考えるんですよね。
で、自分と同じように自暴自棄になって怪物化したミュータント少年の暴走を食い止め、彼の心を救済することで自分の心も正しい場所に戻そうとする。
やっぱり、ヒーローはこれだと思うんですよね! 孤独で、どこかステバチで、あくまで自分じゃない誰かのために戦う。恋愛が原動力になるのはいいけど、それ自体が目的になっちゃダメなんです。
私がこれまで偏愛して来たヒーローたち……『リーサル・ウェポン』のリッグス刑事も『96時間』のブライアンも『キック・アス』のヒットガールも、みんな家族を失ってステバチになってる孤独な変人でした。本郷猛や兜甲児、マカロニ刑事やスコッチ刑事も皆そうです。
そう言えばスコッチ刑事は、かつてのトラウマから他人をいっさい信じない一匹狼だったのに、かつての恋人が自分の眼の前で撃たれ、犯人(の良心)を「信じてあげて」っていう彼女の最期の言葉を守り、命がけの説得に成功したことでトラウマを克服、かつての優しさを取り戻しました。
今回のウェイドそのまんまじゃないですか!w つまり成長ストーリーであり復活のドラマでもある。そりゃあ面白いしハートにも響いて来るワケです。R15指定でちょっとドギツイ描写も多いけど、『キック・アス』を通過できた方なら大丈夫w これはオススメです!
私が今回ハマった理由はストーリーの良さだけじゃなく、ウェイド=デッドプール以外のキャラクターたちも実に魅力的に描かれてる点が大きかったです。
中でも、何の超能力も持たず、ただ「べらぼうに運がいい」ってだけでどんな危機も脱しちゃうw、新キャラのドミノ(ザジー・ビーツ)に私は強く惹かれました。考えてみれば確かに、運を味方につけた人ほど強い人はいませんよねw
そんな冗談みたいな設定がまかり通っちゃうのも『デッドプール』という作品の面白さ。女性ヒーローが堂々と腋毛を見せちゃってるのも本作ならでは?(これも私が眼を引かれた理由w)
今回、ウェイドが共に戦う仲間を募集し、それに応募して来た中にドミノがいたワケだけど、その選考基準がまたイカしてるんですよね。応募理由を「面白そうだから」って言ってのけたヤツが合格で、「勇気なら誰にも負けません」みたいな綺麗事を言ったヤツは即落選w それが『デッドプール』なんですw(せっかく選ばれたメンバーたちもドミノ以外すぐ死んじゃうしw)
そんな自由な作風だからビッグスターが実にしょーもない役でカメオ出演してたりします。ブラッド・ピットはすぐに判ったけど、マット・デイモンやジェームズ・マカヴォイは全然気づきませんでした。
そして注目ポイントがもう1つ。X-MENの女性メンバー=ネガソニック・ティーンエイジ・ウォーヘッド(ブリアナ・ヒルデブランド)の「恋人」として登場した日系人ミュータントのユキオ、演じておられるのは忽那汐里さん! 元より日系オーストラリア人だったんですね。
今回はちょっとしか活躍しなかったけど、『デッドプール3』あるいは『X-MEN』シリーズの新作では派手に暴れてくれるかも知れません。期待してます!
名古屋の河村市長が地元メダリストの金メダルにふざけて噛みつき、猛批判を浴びて謝罪したっていうニュースはまったく笑えません。
一生の宝物なのにとかコロナ禍なのにとか言う以前に、若い女の子の持ち物に身内でもない爺さんが無断で口をつけるという、その非常識と下品さを全く自覚しない異常性に、モーレツな寒気と吐き気を感じます。
ほぼ「痴漢」と同じと考えればこれは立派な犯罪行為。政治家お得意の「失言」とは次元が違う問題です。「愛情表現だった」とか「憧れだった」とかいう言い訳で痴漢行為が許されると思ってる、その知性や感性がまさに異常。
TOKYO2020オリンピックは良いものをいっぱい見せてくれたけど、その裏側でかくも汚いもの、愚かしいものもいっぱい見せつけられました。終わった後にはとてつもない虚しさと絶望感に襲われそうで、怖いです。
光あれば必ず影もあるもんだけど、夢が詰まったオリンピック会場の外側で、かつてない感染爆発という地獄絵図が展開されてる、まるでハートフル映画とホラー映画を交互に観てるような感覚が、なんともシュールな2週間でもありました。
で、ハートフル映画がハッピーエンドで終わっても、ホラー映画は今後も延々と続いて行くワケで……
東京オリンピックは、やって良かったと私は思います。ずっとホラーばっかじゃ精神バランスが保てません。
感染爆発は、オリンピックがあろうが無かろうが起きてたはず。出歩いてるのはそもそもオリンピックなんか「別に、どっちでも」っていう若い子らでしょう?
オリンピックのお祭り気分に釣られて外出しちゃったって言い訳してる人がいたけど、メチャクチャな論理だと思う。人が集まるから反対してたんじゃないの? 一体ナーバスなのかお気楽なのか、ほんと理解できない。
とにかく何でもかんでも批判、反対、嘲笑。メダルを獲得したアスリートたちまで誹謗中傷のターゲットにしちゃう、その上から目線は一体どうして身につけたのか? 闘う者を笑う闘わないヤツらがなんと多いことか!
……と言いながら私も河村市長を名指しで批判してますけど、あれはマジで犯罪行為だから言われて当然。何でもかんでも見境なく叩くのがおかしいって話です。
感動と虚しさ、喜びと怒り、希望と絶望を交互に味わったホントにシュールな2週間でした。人間は本当に素晴らしい! けど、同時に救いようない愚劣な生きもの。そんな両面を持ってるのが人間なんだと、つくづく考えさせられました。
オリンピックはほんの一部しか観てないけど、当初から注目してた女子卓球と女子ソフトボール以外だと、女子ボクシングで金メダルを獲った入江聖奈選手がとても印象に残ってます。
決勝のリングに満面の笑顔で向かう格闘家を、私は初めて観ましたw 対戦相手やレフェリーにあんな何回もお辞儀しちゃう格闘家も空前絶後でしょうw
笑顔はコーチからの(たぶんリラックスさせる為の)指示で、お辞儀は判定員たちに好印象を与える為の作戦だったらしいけどw、そんな裏話もあっけらかんと話す底抜けの明るさに、私はノックアウトされました。ボクシングは大学と一緒に卒業すると断言しちゃう潔さもカッコいい!
そしてやっぱり卓球女子! イチオシの伊藤美誠選手こと大魔王様は、混合ダブルスで金、団体で銀、シングルスで銅と三色のメダルを制覇されました。もちろん全ての種目で金を目指しておられた筈で、やっぱ中国の壁はとてつもなく厚い!
しょっぱなの混合ダブルスだけはドラマチックだったけど、あとは順当に中国勢が金を独占して、こいつらがオリンピックをつまんなくしてるよなあって、つくづく思わずにはいられませんでした。
けど、中国以外の対戦相手が気の毒になっちゃうほど圧倒的に日本が強くなれたのは、打倒中国!っていう明確な目標があればこそ。そういう意味じゃ感謝しなくちゃいけません。
次こそはやっつけて欲しいと願うけど、中国選手たちの卓球マシーンぶりを見るにつけ、こりゃムリだと思わずにいられません。ていうか前にも書いたとおり、あんなになっちゃうくらいなら勝たなくていいよって思っちゃう。
中国選手からすれば、試合を「楽しみたい」なんて言ってる日本選手は「ちゃんちゃら甘いわ!」てなもんでしょう。楽しんでウチらに勝てると思うなよ!って。
だけどねえ……楽しめもせず、ただひたすら勝つためにだけ練習して、人生それでいいの?って私は思う。人生は国のもんでもスポンサーのもんでもない、自分のもんですから。勝つことでべらぼうな報酬が貰えるんだとしても、本当にそれで幸せなの?って。だから彼ら彼女らがマシーンに見えちゃうワケです。
オリンピックで泣いて笑って、人間らしく生き生きと輝いてる日本チームの方が、明らかに幸せそうに私の眼には映りました。しかも混合ダブルスで勝ったんだから言うこと無しです。ほんと最高のオリンピックでした。
パラリンピックでも、この人が出るなら応援したい!っていう「推し」が見つかればいいなと思ってます。
しかし誰よりもウハウハしてるのはもしかすると、オリンピック映画の監督を任された河瀬直美さんじゃないですか? こんな異例づくめでドラマチックだったオリンピックは空前絶後、そのドキュメンタリー映画が面白くならないワケ無いですから。市川崑監督の1965年公開版を超える大ヒットになるのも間違いないんじゃないですか?
ちなみに河瀬直美さんは私と同じ大阪ビジュアルアーツ専門学校のご出身で2年後輩。私はそこで1年だけ講師を務めたこともあるので、河瀬さんは私に会うと「○○先生」と呼んでくれます。もうお会いする機会も無いだろうけど、せめてもの自慢ですw
2021年8月5日木曜日、東京オリンピック真っ只中のゴールデンタイムにテレビ朝日系列で放映された、テレ朝&アズバーズの制作による単発2時間ドラマ。
警視庁ひきこもり係とは、働き方改革に伴う人材不足の部署を支援するため、武蔵野中央署に創設された生活安全課総務2係の通称。ひきこもりの犯罪者を取り締まる係という意味ではなく、所属警官が全員ひきこもり(もしくは予備軍)だからひきこもり係w
なぜか刑事部屋にテントを張って住み着き、外には一歩も出ようとしない元公安捜査官の「キャップ」こと引谷太郎に、滝藤賢一。
元陸上選手なのに容疑者との格闘で足に重傷を負い、走れなくなって戦力外通告を受けたひきこもり予備軍の若手刑事=草壁に、戸塚純貴。
IQが高すぎて周囲に馴染めず、ネットカフェにひきこもってる元ハッカー刑事=百田に、山本舞香。母親の介護に追われて社会から孤立し、ひきこもらざるを得なくなった元科捜研の女=家藤に、富田靖子。
そんな彼らが持つ高度なスキルを活かすべく、リモートワークを基本にしたひきこもり係を立ち上げた、定年退職後は家にひきこもってる嘱託職員=花房に、高田純次。
そして彼らと何かと関わることになる刑事課強行犯係の敏腕刑事に野波麻帆、警察庁の監視官に林家三平、引谷キャップの妻に大塚千弘、事件関係者に北香那、須賀健太、正名僕蔵etc…と、オリンピック中継の穴埋め番組とは思えない、豪華かつ魅力的なキャストが揃ってます。
メンタルは弱いながら優秀な人材が揃ってるひきこもり係だけに、的確な捜査で容疑者を絞って行くんだけど、いざ出動の段になると外に出る(人と関わる)のが怖くて二の足を踏んじゃうw
それでもみんな無理して動いたのに、肝心の引谷キャップが刑事部屋から一歩も出なかったせいで大失態w
当然みんなモチベーションを無くし、早くも解散の危機に陥るんだけど、そこで引谷キャップがひきこもりになった理由が初めて明かされる。
彼は公安時代、犯罪組織に通じる同僚の裏切りに遭って暗殺されかけ、奇跡的に九死に一生を得た。けれどまた命を狙われるばかりか、家族にも危害が及ぶ可能性があるため、対外的には「殉職した」ことにし、名前を変えて密かに復帰。あの顔で『ミッション・インポッシブル』のトム・クルーズみたく、愛する妻子にも自分が生きてることを知らせずにいるのでした。
そんな事実を知って奮起した部下たちは、まさに『ミッション・インポッシブル』ばりの大作戦を決行! それぞれタクシー運転手やホテル従業員に化け、高級ホテルに泊まるつもりだった容疑者を警察署内へと誘導。そう、引谷キャップを一歩も外へ出さないまま容疑者と対決させ、みごと事件を解決してみせるのでしたw
相当ムリのある設定ではあるけど、100%あり得ないとは言えない。エンタメ系のドラマにおけるリアリティーは、それくらいがちょうど良いと私は思います。どうせ似たり寄ったりの謎解きドラマなら、思いきって飛躍しないと面白くなりよう無いですから。
最初はちょっとお笑いに走り過ぎるきらいもあったけど、引谷キャップのハードな過去が明かされるあたりから深みが加わり、最後には気持ちよく泣かされました。世間的には負け犬の面々が奮起し、最後に勝ち組をやっつけるストーリーは大好物です。
いよいよ刑事ドラマのボスを演じるまでになられた滝藤賢一さんはじめ、誰が主役でもおかしくないキャストが揃ってるし、これは意外な掘り出し物。オリンピックの穴埋めで終わらせるにはホント勿体ない作品で、シリーズ化を強く希望します。
セクシーショットは山本舞香さん、野波麻帆さん、大塚千弘さんです。