
ゴッホの黄あしたは狂うひまわりです 東村美代子
ひまわりの風景が似合う夏になった。
向日葵から連想することといえば、
まず、ソフィア・ローレンの「ひまわり」かな、
哀愁漂う音楽と見渡す限りのひまわり畑がとても印象的な映画であった。
そして、ゴッホの「ひまわり」、
鮮烈な黄色で描かれたアルルの花は短い命を燃焼しつくしたかのようである。
ゴッホの絵は生前にはわずか一枚しか売れなかったから、
どん底の貧困生活にあえぐ一生であった。
いつだったか、6千円の絵がゴッホの作と鑑定されたとたん、
値段がいっぺんに跳ね上がったとか、そんなことがあったような記憶がある。
絵の価値は画家が誰かということで決まるということか、
美術家の鑑識眼なんて所詮そんなものかと思う。
でも、たしかなことがひとつ、
屯田のひまわりもアルルのひまわりも、青い空の下で眺めれば感動は同じだということだよ。
ゴッホゆく向日葵畑の白昼夢 正部家一夫
