さすらいの青春(482)
𝓛𝓮 𝓖𝓻𝓪𝓷𝓭 𝓜𝓮𝓪𝓾𝓵𝓷𝓮𝓼
———————【482】———————————
D'ou donc que tu reviens, petite
liberine ?
Ton bonnet est déchiré
Tu es bien mal coiffée...
et cette autre encore:
Mes souliers sont rouges...
Adieu, mes amours...
Mes souliers sont rouges...
Adieu, sans retour !
.————————(訳)—————————————
どこに行っていたのか、浮気女よ?
お前の帽子は破れ
髪はけっこう乱れ髪
さらに別の歌も聞こえてきた:
私の靴は赤い色
さよなら我が愛しの人
さよなら、これがもう最後!
.———————⦅語句⦆————————————
libertin, e:(n) 放蕩者
bonnet:[ボネ](m) 縁なし帽子
déchiré, e:(形) やぶれた、引き裂かれた
bien:(副) けっこう、なかなか
mal coiffée:(形句) ひどい髪の、乱れ髪の
.———————≪感想≫————————————
出だしを最初は
「どこから来たのか、旅の乙女よ?」
と訳していました.誤訳チェックのため他の訳本
を見ると、どれも「どこに行っていた?」となっ
ていました.テキストをよく見るとvenir ではな
くrevenir が使われている.「なるほど!」さすが
先生方は re を見逃さない.このたったひとつの
前綴りで、意味は大きくひっくり返る.つまり
「どこから戻ってきた?」という意味なので
「どこに行っていたのだ?」となり、
「放蕩者」は定住者ということもわかり、
「浮気者」と訳すことになる.
たったre だけで、事態はこうも変わってしまう!