さすらいの青春(514)
𝓛𝓮 𝓖𝓻𝓪𝓷𝓭 𝓜𝓮𝓪𝓾𝓵𝓷𝓮𝓼
———————【514】———————————
Cet obstacle franchi, les chevaux repartis
au trot, Meaulnes commençait à se fati-
guer de regarder à la vitre, s'efforçant
vainement de percer l'obscurité environnante,
lorsque soudain, dans la profondeur du
bois, il y eut un éclair, suivi d'une
détonation.
.————————(訳)—————————————
この大きな障害物を越えて、馬たちも再び速歩
で動き出すと、モーヌは窓を見ていることに疲れ
始めました.そして周囲の夜の闇の中を通して見
えるものはなく無駄骨となっていたそのとき、突
然、森の奥で閃光が走り、その爆発音が轟いた.
——————— ⦅語句⦆ ————————————
obstacle:[オプスタクル](m) 障害物、障害、妨げ
franchi:(p.passé) < franchir (他) 越える、乗り越える
飛び越える、
chevaux:(pl) < cheval (m) 馬
repartis:(p.passé/pl) < repartir (pr) 再び出発する.
trot:[トロ](m) (馬の)速歩(はやあし
au trot / (馬が)速歩(はやあし)で
commençait:(直半過/3単) < commencer (自)
commencer à + 不定詞:~し始める、
se fatiguer:(pr) 疲れる、
se fatiguer de ~ :~にうんざりする、飽きる
regarder:(他) 眺める、ただし本文は (自).
regarder à ~:~と向き合う
regarder à la vitre:窓と向き合う
se fatiguer de regarder à la vitre:
窓と向き合っていることに飽きる
s'efforçant:(p.pré) < s'efforcer (pr)
s'efforcer de + 不定詞:~しようと努力する
Il s'est efforcé de me convaincre. /
彼は私を説得しようと努力した.
vainement:[ヴェーヌマン](副) むだに、むなしく、
percer:(他) ❶突き刺す、❷貫く、
Le soleil perce les nuages. / 陽が雲間をもれる.
❸突破する、通り抜ける;
percer le front ennemi / 敵陣を突破する
obscurité:[オプスキュリテ](f) 暗さ、闇
environnant, e:(形) 周囲の、周りの;
le village et les montagnes environnantes /
村とそれを取り巻く山々.
profondeur:(f) 深さ、奥行、深遠さ、
éclair:(m) 稲妻、電光、閃光、
détonation:(f) 爆音、爆発音、
——————— ≪文法≫ —————————————
Cet obstacle franchi, les chevaux repartis
au trot,
テキスト冒頭の句は、いわゆる絶対分詞節です.
franchiもrepartisも主文の主語 Meaulnes に対して
別主語をもつ分詞です.それぞれ過去分詞なので、
本来の「~ant」形ではありませんが、分詞節の
基本形は現在分詞で導入されるものなので、これ
ら2つは共に、étang もしくは ayant が脱落したもの
と考えましょう.入れてみますと:
Cet obstacle étang franchi, les chevaux étang repartis
ただし冗長なのでフランス人に見せると
Cet obstacle franchi, les chevaux repartis
と添削されるでしょう.
外国人の私たちは、おまけしてもらいましょう.