もぐりの語学教室+修行が辛くお寺を逃走した元僧侶見習の仏教セミナー

ご一緒に学習を!
私は先生ではありません.間違いだらけかと思います.
ご容赦下さい.

4725番:さすらいの青春(465)

2024-09-09 23:40:19 | 日記


前回の訳で「 Il sifflait 」の箇所を口笛を吹いていた
と訳しましたが、「歌う」としている訳本もあります
のでご報告します.先になぜ、私が「口笛を吹く」
の線で訳したかと言うと、entre ses dents [歯の間から
吹く]ということで「口笛」としたのですが、そうで
ないとされている先生方もいらっしゃいます.

歌を口ずさんでいた............旺文社文庫
口の中で何か口ずさんでいた... 角川文庫
曲を口笛で吹いていた......... 岩波文庫
口笛を吹いていました......... 講談社
なにやら口笛を吹いていた......パロル舎
何やら口笛を吹いていた........みすず書房    

 

    
さすらいの青春(465)
𝓛𝓮 𝓖𝓻𝓪𝓷𝓭 𝓜𝓮𝓪𝓾𝓵𝓷𝓮𝓼

   
———————【465】————————————

 Un  instant,  au  milieu  de  sa  promenade  
agitée,   il  s'arrêta   et   se  pencha  sur  la  
table,   chercha   dans  une  boîte,  en  sortit
plusieurs  feuilles  de  papier...  Meaulnes  vit,
de  profil,  dans  la  lueur  de  la  bougie,  un
très  fin  très  aquilin  visage  sans  moustache
sous  une  abondante  chevelure   que   parta-
geait  une  raie  de  côté.  Il  avait  cessé  de
siffler.   Très  pâle,   les  lèvres  entr'ouverts,  
il  paraissait  à  bout  de  souffle,  comme  s'il
avait  reçu  au  cœur  un  coup  violent.  
      
     
.————————(訳)—————————————

 不安歩きの真っ最中、男は一瞬立ち止まった.
テーブルに体を傾け、箱の中から何やら探し出し
そこから幾つかの書類を取り出した...モーヌは
その男の横顔について蝋燭の光の中で、横分けに
した豊富な髪の毛の下に、か細い顔と髭のない鷲
鼻顔を見たのだった.男はもう口笛をやめていた.
とても青白い唇を半ば開いたまま、激しい一撃
を胸にくらったかのように、男は息を切らせた
みたいだった.
    
 
.———————⦅語句⦆————————————
    
agité, e:(形) 動揺した、不安な、興奮した
       mer agitée / 荒れた海
       mener une vie agitée / 波乱に富んだ生涯を送る 
chercha:(直単過/3単) < chercher (他) 探す
   chercher は他動詞なのですが、本文のように、
   しばしば目的語なしで使われます.
   chercher dans ses poches / ポケットの中を探す.
   なので、自動詞としての項目を立てている
   辞書もあります.         
fin:(形) か細い、ほっそりした、きゃしゃな  
aquilin:[アキラン](形)(m) nez aquilin / 鷲鼻  
abondant, e:(形) 多量の、豊富な.< abonder   
abonder:(自) 多量にある、豊かにある
chevelure:[シュヴリュー] (f) 髪、豊かな髪 
partageait:(直半過/3単) < partager (他) 
partager:(他) ❶分ける、分割する、分配する
    ❷分担する、❸共有する、 
raie:[レ] (f) ❶縞、ストライプ;
    ❷(髪の)分け目  
côté:(m) ❶脇腹、❷側、側面、物の側面;
de côté:斜めに、脇に、横に    
raie de côté:(頭髪の)横分け
cessé:(p.passé) < cesser (自/他) 
cesser:❶(自) 終わる、やむ、❷(他) やめる、
   終える、中止する 
siffler:(自/他) 口笛を吹く、(曲などを)口笛で吹く、
pâle:(形) (顔、唇などについて) 青ざめた
lèvre:(f) 唇、(上下あるので通例複数で用いる)  
entr'ouvert, e:entrouvert, e の古い綴り  
entrouvert, e:(形) (窓、目などが) 半ば開いた. 
    dormir la bouche entrouverte. / 口を開けて眠る
  laisser la porte entrouverte. / 扉を半ば開けておく 
il  paraissait:このil は指示詞ではなく人称代名詞、
    若い男のこと、「彼は~にみえた」 
à bout de:~の限界に、の終わりに、の果てに;
   Elle est à bout de souffle. / 
   彼女は息を切らしている.
souffle:(m) (吐く)息
comme s'il avait reçu:彼は受けたかのように見えた.
au cœur:心に、胸に、心臓に
coup:一撃 
violent:激しい  


——————≪本日のテスト≫————————————

Meaulnes vit,:(直単過/3単) モーヌは見た < voir (他)
   モーヌは見た、何を見たのでしょうか?

この問題の意図はvoir は他動詞なので、目的語がある
はずなので、それを示して下さい、というものです.

何ですか? de profil  ですか ?  80点差し上げます.
でもね、それならなぜ le  profil と定冠詞をつけな
いのでしょう? de profil は「横顔について」と訳す
べき副詞句です.つまり、de は主題や判断を表す前
置詞で、「横顔について」、「横顔で判断して」.

答は、voir の目的格補語は、un très fin très aquilin visage  
です.「とてもか細い顔、すごい鷲鼻の顔」です.
un がvisage の冠詞です.不定冠詞ですね.
実はle visage に形容詞が前につけば、名詞は不定冠詞
を伴うようになります.visage に限らず、どの名詞でも
その前に形容詞が来ると不定冠詞がつくようになります.

これの文法的な説明は私には専門的知識がないので出来
ませんが、形容詞がつくということは、「顔」は
いろいろあるという前提が生まれるのです.
le visage にfin をつけて「細い顔」というとle fin visage
ではなくun fin visage になる.つまり、細い顔もあれば
太い顔もある、という前提が生まれるからです.

ただし勿論、レポートなどでは「定冠詞+ 形容詞+名詞」
のままで作文します.論文やレポートでは曖昧さが
あってはなりませんから.

 

 

コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

4724番:おっさんの日記 9月9日(月)ケーローの日

2024-09-09 07:28:43 | 日記

9月9日(月)重陽の節句

昨日は所属寺院の敬老式に出席しました.

ジジババの仲間入りの日です.

 

ご住職さまから、いろいろ健康に関すること

を聞きました.「歩きましょう」という

お話でした.

最近は1日中、座っています.いや、正しくは

半分寝そべってます.でもまあ、あと10年ほどは

健康でいたいから、ちょっとは歩きましょう.

歩くぞ

歩けばどうなる?

歩けば素敵な彼女にめぐり合う?

いや、もういらん.また来世、青年時代に

来てくれ.いや、どうかな?

来世も貧乏暮らしだろうから、嫁はいらんぞ.

 

来世ってあるの?

あるだろ.だってな、ないと仮定すると、

突然あなた「人間」に生まれてくるなんて、

進化論に反していないか?

 

つまり、少なくとも、ぼくたちは

類人猿の前世があっただろうよ.

その前はサルか、その親戚のリスには

生まれていたかも.

 

それから「原因があるから結果がある」という

仏教の因果関係が正しければ、たしかに生き物は

殺さないほうがいい.だって、来世はその逆に

生まれてきたりして…

 

この頃我が家にネズミが来なくなった.

ネズミに言ってやったんだ.

「お前、来世な、人間に生まれて、ぼくがネズミに

生まれたら、お前の家のコメ、毎日食べに行くぞ.

それがいやなら、もう来るな!」

それからネズミは来なくなったよ.

 

 

コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

4723番:ベラミ(77)途中で墜落予定(最後まで読めないと思う)

2024-09-09 05:47:38 | 日記


ベラミ(77)
Bel-Ami
 (1885)
by Guy de Maupassant


————————【77】———————————————

Duroy  demeurait  immobile,  un  peu  intimi-
dé,  surpris  surtout.    De  temps  en  temps  
des  hommes  passaient  devant  lui,  en  cou-
rant,   entrés   par  une  porte  et  partis  par
l'autre   avant   qu'il  eût   le  temps  de  les  
regarder.     

                        
 .—————————(訳)———————————————

デュロワは気おくれしていたが、何より驚いて
じっとその場を動かなかった.ときどき職員た
ちが、彼の前を通り過ぎ、ドアからドアへと走
っていったので、彼はじっとその人たちを眺め
る時間さえなかった.


.—————————⦅語句⦆——————————————

demeurait:(直半過/3単) < demeurer (自) 
demeurer:(自) ~のままである、であり続ける
  Il est demeuré silencieux. / 彼は沈黙を守り続けた.
intimidé:(p.passé) < intimider (他)  
intimider:(他) ❶…をおじけづかせる、
  どぎまぎさせる、❷…を威嚇する、脅す
surpris:(p.passé) < surprendre (他) …を驚かせる
  びっくりさせる、  
surtout:(副) とりわけ、特に;何より    
de temps en temps:ときどき  
passaient:(直半過/3複) < passer () 
en courant:(ジェロンディフ) < courir (自) 走る   
entrés par une porte:一方の扉から入り  
partis par l'autre:他方の扉へと出て行く   
avant que + 接続法:~する前に
il eût le temps de les regarder:(接続法半過去)
   彼がその人たちを眺める暇もなく     

 

本は450ページほどあって只今40ページ目

(folio classique 版です)

読破可能性=限りなくゼロ

コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

4722番:雄鶏が鳴いたのよ(17)

2024-09-09 05:39:08 | 日記

 

雄鶏が鳴いたのよ(17)
 Un Coq Chanta  


—————————【17】——————————————
  
Alors brutalement  il  l'enlaça,  et  appuyant
sur  la  tempe  ses  grandes  moustaches,  il
la  baisa  d'un  baiser  furieux.  


—————————(訳)———————————————

そんなことになって男爵は思わず夫人を抱きしめ
ました.そして自分の口髭を彼女の耳のそばの髪
の毛に押し当てて、夫人に激しいキスをしました.


—————————⦅語句⦆———————————————
  
alors:だもので、そういうわけで
brutalement:(副) ❶乱暴に、手荒に、
    ❷急に、激しく 
enlaça:(直単過/3単) < enlacer (他) ❶抱きしめる、
   しがみつく、❷(~に)からむ、巻きつく
appuyant:(p.pré) 押さえつけて
tempe:[タンプ](f) こめかみ、側頭;鬢(びん)、
   耳の前の毛髪  
moustache:(f) 口ひげ、本文は複数なので、左右
   の口ひげ.
baisa:(直単過/3単) < baiser (他)[文] 
baiser:~に口づけする、接吻する 
furieux, se:[フュリユー, ズ](形) 激怒した、激しい、
   猛烈な、乱暴な  

 

コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

4721番:さすらいの青春(464)

2024-09-09 05:33:41 | 日記


さすらいの青春(464)
𝓛𝓮 𝓖𝓻𝓪𝓷𝓭 𝓜𝓮𝓪𝓾𝓵𝓷𝓮𝓼

   
———————【464】————————————

 Il  sifflait  quelque  chose  entre  ses  dents,
une  espèce  d'air  marin,   comme  en  chan-
tent,   pour  s'égayer  le  cœur,   les  matelots
et  les  filles  dans  les  cabarets  des  ports...
     
     
.————————(訳)—————————————

 その青年は口笛で何か海の男たちが歌うような
歌を、歌うように、心和ませるように吹いていた.
港町の酒場のマドロスと女たちを楽しませるよう
な節だった.
   
 
.———————⦅語句⦆————————————
      
sifflait:(直半過/3単) < siffler (自) 
siffler (自) 口笛を吹く、 
dent:(f) 歯
espèce:(f) ❶種類、性質;❷種、種族;
   辞書にはないが、楽曲を数える単位の言葉
   だと思います.英語にpiece という数える
   単位があるので、相当語だと思います.  
marin, e:[マラン, マリヌ](形) 海の
air:(m) 曲、歌、楽曲;
une espèce d'air marin:海の男たちが歌う歌
quelque chose:「何か」、あとのune espèce d'air marin
   と同格.「何か海の男たちの歌のようなもの」
chantent:(直現/3複) < chanter (自/他) 歌う
égayer:[エゲィエ](他) ❶陽気にする、楽しくさせる;
    ❷飾る、彩る、明るくする.
s'égayer:浮かれる、喜ぶ、楽しむ.  
matelot:[マトロ](m) ❶水夫、船員、❷水兵
filles:(pl/f) 女たち、ここでの fille は酒場の女、
cabaret:(m) 酒場
port:(m) 港、港町  


——————≪仏文解釈≫————————————

le cœur とles matelots et les filles dans les cabarets 
des ports も同格です...
心和ませる節だった、港町酒場のマドロスや女たちを
和ませるようなね.

コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする