HASSY局長のハサカル日誌

伊勢志摩バリアフリーツアーセンター事務局長HASSYが
日々のハサカル(気になる)出来事など記録していきます。

採卵日(長文)

2007-07-31 14:40:44 | 不妊治療報告
とうとう、この日がやってきました。
私の卵を取る時です。
前々日の話では、卵胞が20ミリになっていたので27日(金)の朝7:00にARTに行き、採卵決行ということでした。

そうそう、前回の日記で卵18ミリというお話をしましたが、正確には卵胞18ミリです。
卵を守るように取り巻く埃のようなモアモアなものを含めてのサイズ。
その埃のようなモアモアの中に、チョンと小さな点の卵があります。
モアモアの中に卵は1つだけ。

そして卵巣にはそのモアモア付の卵胞20ミリサイズのものがひとつと、その周りをまた取り巻く形にあるのが小さいサイズのモアモア付の卵。
排卵するときはその一番大きなサイズの卵のみが排卵し、その他の小さいサイズは消滅してしまうんだって。

伊勢の本橋先生が言っていました。
「野口さんらの活動みたいなもので、一人指揮を取る人がいて、その周りに協力してくれる人がいる。卵巣の中でもそんな組織が成り立っているのです。または、総理大臣と大臣のいる内閣みたいなもの、かな?」

で、普段はそうなのですが、私のような不妊治療の場合で誘発剤を打つことにより、みんなが総理大臣化してしまって、みんなが指揮をとりたがって「我も、我も」と、みんなが20ミリレベル以上になるというわけ。

なんだか卵巣の中で、複雑な人間関係が繰り広げられているようで、想像するとちょっと怖いです。


話は戻りますが、無事9時以降何も食べず、24時以降は何も飲まず、そのまま朝も何も入れずにARTへ。

ドキドキです。

到着すると、まず、リストバンドに名前を書いて、装着。


回復室へ案内されて、そこで、手術着に着替えて待機。

本日は私以外にもう一人前にいたようで、私は二番目。
それまでドキドキで待っていないといけません。


手術の前に点滴をします。
私は、5年ほど前の高熱での点滴以来、これで2度目。
前回は覚えていないけど、今度は健康状態での点滴、相変らず、針挿入を見てしまいます。
そ、そしたら、は、針がどんどん深く入っていく。ざっと2~3センチぐらい入っていったんじゃ?
お、思わず「えらい、深く入るんですね~」って冷静にみていました。


点滴をコロコロ引き連れながら、ロッカーに貴重品やら入れて、コンタクトも取りました。

さて、とうとうお迎えがやってきました。
手術室までは歩いていきます。
もちろん、点滴も一緒です。
看護師さんに、コンタクト取るとかなり見えませんのでよろしくお願いしますと伝えておいただけあって、優しく誘導してくれました。

手術室に入るとスリッパに履き替えて、頭にシャワーキャップみたいなのをします。
そして手術室が開くと、見えないながらに、手術室らしく、ライトがいくつもついたものや、手術道具が並んでいます。
そして分娩台のような手術台。
「はい、野口さん、ここに乗ってください」

なんだか自分で手術台に乗るのって不思議。
でも、なによりももっと圧倒されたのは、予想以上のスタッフの人数です。
何人いただろう?手術台のまわりにざっと、先生合わせて、8人ぐらいはいたんじゃないかな?
私はその半分ぐらいだと思っていた…。
しかも男性が多い。

いや、別にもう既に、そのあたりは、いまさらどうでもいいんだけど。
まな板の鯉状態で、分娩台らしいポーズで寝たとたん、左右下からみんなが声をかけられます。

左「野口さん肩に注射しますね~(麻酔と言わない)」
右「大丈夫ですか?」
下「野口さん、もっと下のほうまで下がってください」(ハイ、身体が小さいもので、手術台のサイズがイマイチ合っていません)

と、同時に言われるものだから何からしていいのやら。
これは私の不安をまぎらわす作戦なのだろうか?

肩に注射されて、左にいた男性が「もうじきこのあたり(左腕の下のほう)が痛くなりますから」(後にこれは痛さを紛らさせる作戦?全然痛くなかったです)

え?なんで?と思っている間に、部位の消毒が始まりました。

ってところで、私の記憶はなくなりました。

次、気づいたときは、「野口さん、野口さん」と看護師さんの呼ぶ声です。
どうやら採卵が終わったようです。
まったく覚えていないし、どれだけ時間がっ経ったのかも分かりません。
とりあえず、今何時ですか?の問いに、確か8:30と答えてくれたような?
その後、看護師さんたちにより、手術台からベッドに移乗されて、そのまま回復室に。
そこから3~4時間ほど安静にしないといけません。
というか、麻酔がスッカリ覚めるまで休息。
その間、バルーン(膀胱に入れる管)も装着
初体験です。
でも、そのときはそんなこと言ってられません。

回復室にもどってから、しばらくして、お尻に注射。
い、痛い。
麻酔はもう効いていないの?と思わず看護師さんに聞いてみましたら、本当に短時間の麻酔らしい。
でも、そのあとの3~4時間は看護師さんが見に来たり、定期的に血圧を測るたびに何度か目を覚ますけど、眠くもないのに、「気を失う」という感じに深く眠ってしまっていました。
沢山夢も見ましたが、忘れました。

ということで12時ごろに、ようやく身体が起きれそうになり、看護師さんの許可をもらい、着替え、いつもの病院の待合室へ。
待合室には母が迎えに来てくれていました。
麻酔をかけた私は本日車の運転厳禁のため、母が帰りの車の運転をしてくれます。

内診で、膣内に入っていたガーゼを取り、先生による説明。

結局昨日までは取れるのは7個と言っていましたが、ナント!!13個も取ったそうです。
といっても、未成熟なものも含めてですが…。

そ、そんなにあったのですか?

これらを、今から顕微授精させて、2~3日様子を見ます。
上手く核分裂したら、予定では週明けの月曜日に私の身体に戻す「胚移植」ということを行います。

それまでの、土・日は薬を飲んだりしながら普通に生活してください。

とのことです。

普通に…。


「せ、先生明日土曜日に地元の祭り(川曳)があるのですが参加って、できますか?」(何ヶ月か前からこれが一番気になっていたこと)
と、聞いたこところ、「ほどほどにな」とのこと。

ほどほど…。
私にとってのほどほどです、きっと。
と自分に言い聞かせて家に帰りました。