HASSY局長のハサカル日誌

伊勢志摩バリアフリーツアーセンター事務局長HASSYが
日々のハサカル(気になる)出来事など記録していきます。

鳥羽高校フィールドワーク 鳥羽駅のバリアフリー調査

2008-10-08 10:19:46 | 講演・視察
雨が降る朝の鳥羽駅、今日(6日月曜日)は鳥羽高等学校「観光とバリアフリー」の授業のフィールドワークの日です。

「え~、せんせぇ~雨降っとるのに、するのぉ?」と予想通りの愚痴がぽろりぽろり。

そこでピシャリ!

「雨が降っているからと、旅行ってとりやめる?そんなことないやろぉ~。旅行者は雨が降っても旅行する!」

ということで、鳥羽一番街3階のお部屋をお借りして、レクチャーを行い、スタート。
鳥羽一番街のみなさん、朝からお騒がせしました。

鳥羽駅⇔鳥羽一番街の導線を連絡通路からと1階の横断歩道を通っての2パターンを見てもらう。


外を回っていくと、いくつか小さな段差があったり、長い歩道があります。



このグレーチング怖いんですよね。鳥羽駅(近鉄側)にはエレベータがあります。



鳥羽駅と一番街は2階の連絡通路で繋がっています。鳥羽一番街にはエレベータもあり


カモメの散歩道のベンチもチェック。


うわ~考えられている~ってみんな感心していました

駅では、券売機やトイレもチェック。


路線図や時刻表は高齢者には見え難いようです。


皇學館大学の板井先生も来てくれています



改札を通って、ホームへ降り、停車中の電車内も見学。

ホームへは、階段、エスカレーター、エレベータ選べます


ホームのこの場所がみんなちょっと怖がっていました



駅長さんの話も聞きました


ホームと電車の間にはこれくらいの隙間が…。渡し板をつければ大丈夫


視覚障害者が線路に落ちないように、連結部分には、こんな工夫があります


近鉄鳥羽駅さん、いつもお世話になっております。


もちろん、JR側の階段への問題にも触れてみます。

高校生たちは、文句を言いつつも、考えるところではきちんと考えるんです。

近鉄~JR側(街中に行く)には2階から1階に降りるために階段しかありません。
車椅子班は、車椅子に乗った友達をみんなで運んで下ろしました。


みんなで、安全に運びました

踊り場で、生徒たちは立ち止まり

生徒「先生、本当にここってこの方法しかないの?」

私 「うん、そうやな、今のところ、この方法か、近鉄側をエレベータで降りて、ぐるっと道を回ってくるしかないよな」

生徒「ええ~、それはちょっと、えらない?家族とかなら、運ぶの気を許しあっているからいいとしても、そうじゃなかったら、大変やよ」(実際血の繋がっていない友達を運びあうのはお互いが緊張したよう)

私 「ところでみんな、ここって普段しょっちゅう通っとるよな?今まで、こんなこと考えてことなかった?」

生徒「…うん、考えたことなかった…」(結構神妙)

もう、これで、十分です。


雨が降っていたところは、危険なので、空の車椅子を運びました


彼女たちは、ここで何かをきっと感じてくれたはず。
今まで、気づいていなかったことを18歳という若さで気づいてくれました。
きっと、この鳥羽駅のことに限らず、これから、同じような構造の建物を見つけたときに、「そういえば、ここって…」と今日、踊り場で立ち止まったときのように、足を止めて考えてくれることがあるかもしれません。
この鳥羽高校の「観光とバリアフリー」の授業はそんな「気づき」を見つけてもらうためのものですから。
だから、いつも、私はがんばって「誘導的な発言」をしないように気をつけている、つもり…。

前回は鳥羽水族館という、どちらかというと非日常的な空間でしたが、今回は、普段から使う身近な駅ということから、気づくことも多かったのでは?

来週のワークショップがちょっと楽しみです。

ちなみに、事前マスコミ発信してあったのもあるけど、連絡もなく、NHK、三重テレビ、ITV、中日新聞、読売新聞、毎日新聞が取材にきてくれました。(こんなに来るとは…)


テレビ局のインタビューにも答えてくれました