古希からの田舎暮らし

古希近くなってから都市近郊に小さな家を建てて移り住む。田舎にとけこんでゆく日々の暮らしぶりをお伝えします。

晴耕雨読の『読』にはまる

2009年03月24日 03時13分52秒 | 古希からの田舎暮らし 80歳から
 妙子さん(95歳の母)はとにかく字が好き。いまでもずっと本を読んでます。自分の本棚は読んだ本ばかりだから、いまは図書館から借りた『佐多稲子全集』にとりついてます。その妙子さんを二週間に一度市立図書館に連れていくついでに、ぼくも本を借りてます。三月のはじめに「久しぶりに松本清張を読んでみるかな」と清張全集の棚を見て『西海道談綺』を手にとりました。
 読み始めたら面白い。そして実に長い。2段組400余ページの全集で3巻。やっと2巻目が終わったところです。週刊文春に五年余り連載された時代劇の伝奇小説ですが、夜起きて読むからまだ一週間はかかりそう。
 冒頭で主人公の恵之助が妻を断罪する。モンテクリストの冒頭の脱獄エピソードは読む者を一挙に物語に引きずり込みますが、あれと同じ。
 そうそう。ヒットラー暗殺事件の映画『ワルキューレ』を見に行くつもりです。その前に加瀬俊一の『評伝アドルフ・ヒトラー』をざっと読み返してみよう。同時代を生き、接触したことのある人の描写はどこか人間の肌合いを伝えてくれます。
 棚を見ると数日前に買った水木しげるの『娘に語るお父さんの戦記』と保阪正康の『敗戦前後の日本人』という文庫本が積んである。なるべく買わないようにと思うけど、つい立ち寄って買ってしまう。
 日本が戦争に負けた頃『はなたれ小僧』だったぼくたち『アラコキ』の世代は、10歳前後の子どもの感性であの時代を見てきました。自分の戦争体験や大人の生きる姿を見て感じたことを語ることもなく。でもなにかを伝えよう。死ぬまでには。そんな願いをもつ人は少なくない。これからそんな本が出る。
 本を読むことが、死ぬまでたのしみでありつづけますように。
 
 
 
コメント
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