「『毎日が日曜日』というか『サンデー毎日』というか『全日空』というか。畑仕事をしていると曜日がわからなくなります。……」と9月23日『かかしをつくりました』のブログを書き出しています。『毎日が日曜日』という城山三郎氏の小説を読みもしないで誤解していました。題名から、「作家・城山三郎が老境に入って、好々爺の目で自分の日常を描写しているエッセイだろう」と勝手に想像していました。
二週間に一度母・妙子さんを連れて図書館に通いますが、大型活字本コーナーで3冊セットの長編小説になったこの本を見つけて読んでみました。
この本は昭和51年、ロッキード事件のあった頃に刊行された経済小説です。いまから34年も前のことですから出てくる通信機器などは古く、経済事情もいまとはちがいます。バブル直前の活発な経済活動下で働く一流の総合商社マンが活写されています。帰国子女の置かれるきびしい状況も描かれています。
父親の勤務の関係で数年間をニューヨークで暮らした中学生とかかわったことがあります。彼は英語は無論抜群にできました。理科・数学もできました。しかし国語はさっぱりでした。家を訪ね、母親から話を聞いて帰国子女の深刻さを知りました。
「日本語になれるように英語の本は帰国してから全部荷造りして隠しているのですが、それでも引っ張り出して読んでいます。それに兄弟げんかをするときは興奮してつい英語で喧嘩をしてしまいます」
優秀な中学生の頭脳をもった子どもが、大きな字でやさしく書かれた偉人伝の『ナイチンゲール』や『ガンジー』を読まされるつらさを知りました。
この小説に出てくる高校生の少年は、あの猛烈なラッシュアワーの電車に乗ることができない。学校では女子生徒にやさしくしすぎて問題になる。徹底した取材と鋭い観察の目が、のちに社会問題になる帰国子女の存在をきっちりとらえています。
城山三郎の代表作の一つだそうで、中味を知らずに引用していました。
ぼくは、生き馬の目を抜く総合商社などの世界とは縁のないところで生きてきました。そんなぼくでも『田舎暮らし』はいいのだから、企業戦士だった人にしっかり伝えてあげたいなー。
人間は心を開けば、やさしさと善意を分かちあいたくて仕方がない生き物であることを。そして田舎では心が自然に開くことを。
二週間に一度母・妙子さんを連れて図書館に通いますが、大型活字本コーナーで3冊セットの長編小説になったこの本を見つけて読んでみました。
この本は昭和51年、ロッキード事件のあった頃に刊行された経済小説です。いまから34年も前のことですから出てくる通信機器などは古く、経済事情もいまとはちがいます。バブル直前の活発な経済活動下で働く一流の総合商社マンが活写されています。帰国子女の置かれるきびしい状況も描かれています。
父親の勤務の関係で数年間をニューヨークで暮らした中学生とかかわったことがあります。彼は英語は無論抜群にできました。理科・数学もできました。しかし国語はさっぱりでした。家を訪ね、母親から話を聞いて帰国子女の深刻さを知りました。
「日本語になれるように英語の本は帰国してから全部荷造りして隠しているのですが、それでも引っ張り出して読んでいます。それに兄弟げんかをするときは興奮してつい英語で喧嘩をしてしまいます」
優秀な中学生の頭脳をもった子どもが、大きな字でやさしく書かれた偉人伝の『ナイチンゲール』や『ガンジー』を読まされるつらさを知りました。
この小説に出てくる高校生の少年は、あの猛烈なラッシュアワーの電車に乗ることができない。学校では女子生徒にやさしくしすぎて問題になる。徹底した取材と鋭い観察の目が、のちに社会問題になる帰国子女の存在をきっちりとらえています。
城山三郎の代表作の一つだそうで、中味を知らずに引用していました。
ぼくは、生き馬の目を抜く総合商社などの世界とは縁のないところで生きてきました。そんなぼくでも『田舎暮らし』はいいのだから、企業戦士だった人にしっかり伝えてあげたいなー。
人間は心を開けば、やさしさと善意を分かちあいたくて仕方がない生き物であることを。そして田舎では心が自然に開くことを。