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古希からの田舎暮らし

古希近くなってから都市近郊に小さな家を建てて移り住む。田舎にとけこんでゆく日々の暮らしぶりをお伝えします。

『毎日が日曜日』を知りませんでした。

2009年10月16日 04時25分06秒 | 古希からの田舎暮らし 80歳から
「『毎日が日曜日』というか『サンデー毎日』というか『全日空』というか。畑仕事をしていると曜日がわからなくなります。……」と9月23日『かかしをつくりました』のブログを書き出しています。『毎日が日曜日』という城山三郎氏の小説を読みもしないで誤解していました。題名から、「作家・城山三郎が老境に入って、好々爺の目で自分の日常を描写しているエッセイだろう」と勝手に想像していました。
 二週間に一度母・妙子さんを連れて図書館に通いますが、大型活字本コーナーで3冊セットの長編小説になったこの本を見つけて読んでみました。
 この本は昭和51年、ロッキード事件のあった頃に刊行された経済小説です。いまから34年も前のことですから出てくる通信機器などは古く、経済事情もいまとはちがいます。バブル直前の活発な経済活動下で働く一流の総合商社マンが活写されています。帰国子女の置かれるきびしい状況も描かれています。
 父親の勤務の関係で数年間をニューヨークで暮らした中学生とかかわったことがあります。彼は英語は無論抜群にできました。理科・数学もできました。しかし国語はさっぱりでした。家を訪ね、母親から話を聞いて帰国子女の深刻さを知りました。
「日本語になれるように英語の本は帰国してから全部荷造りして隠しているのですが、それでも引っ張り出して読んでいます。それに兄弟げんかをするときは興奮してつい英語で喧嘩をしてしまいます」
 優秀な中学生の頭脳をもった子どもが、大きな字でやさしく書かれた偉人伝の『ナイチンゲール』や『ガンジー』を読まされるつらさを知りました。
 この小説に出てくる高校生の少年は、あの猛烈なラッシュアワーの電車に乗ることができない。学校では女子生徒にやさしくしすぎて問題になる。徹底した取材と鋭い観察の目が、のちに社会問題になる帰国子女の存在をきっちりとらえています。
 城山三郎の代表作の一つだそうで、中味を知らずに引用していました。
 ぼくは、生き馬の目を抜く総合商社などの世界とは縁のないところで生きてきました。そんなぼくでも『田舎暮らし』はいいのだから、企業戦士だった人にしっかり伝えてあげたいなー。
 人間は心を開けば、やさしさと善意を分かちあいたくて仕方がない生き物であることを。そして田舎では心が自然に開くことを。
 
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サツマイモの植え方は……

2009年10月15日 01時44分48秒 | 古希からの田舎暮らし 80歳から
 写真のサツマイモは重さ2キログラム胴回り46センチ。バイオのベニアズマで、大きさを示すためにマジックをそばに立てています。我が家の畑で掘りました。地中からはじめに頭を掘り出したときは「コレハナンダ!!」と驚きました。これくらいの重さのサツマイモはときどきとれますが、この胴回りの太さにははじめてお目にかかりました。
 芋掘りでは大きな芋がとれるとうれしいものですが、実際はこんな大きな芋は切るのも大変です。八百屋さんに売ってあっても買う気はしないでしょう。
 ほどほどの大きさの芋がとれるようにするにはどんな植え方がいいのでしょうか。実は今年は、『垂直に近い斜め植え』にしました。去年は『舟底植え』にしたので、一本のツルに10個以上芋がぶら下がって出てきました。でも細くて捨てるしかない芋もたくさんありました。そこで今年は大きい芋を収穫しようと植え方を変えたのです。
 最初に買ってきた苗は5月はじめに植え、6月はじめ・7月はじめと二回、伸びてきた苗をとって植えました。5月の分は全部掘りましたが芋掘りに来た人ならよろこびそうな大きな芋でした。6月植えの分はまあまあ。7月植えは10月末くらいがいいかなー。
 来年は今年よりもう少し斜めの『垂直に近い斜め植え』にしようかと考えているところです。シモン一号は10月中は手をつけないつもりです。この芋は、一度つくったところには数年つくれないそうですからしっかり大きくなってから収穫します。
 もう一つ気になっているのは『安納芋』です。鉢植えの苗を買って7月になって畑に移植し、ほどなく二本のツルを切って植えました。元の苗も切って植えたツルも元気いっぱい。あの勢いならもっと早く畑に移植して10本くらい苗がとれたなー。芋はいまどれくらいの大きさになっているかなー。「クリーミーでほくほくの強い甘さ」ってどんな味かなー。
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お月見は準備万端

2009年10月04日 03時57分53秒 | 古希からの田舎暮らし 80歳から
 きのうは十五夜。仲秋の名月です。孫が来て泊まると連絡があったので、『お月見』をしようと朝から張り切りました。まず朝の散歩に出てススキが池の土手にあるのをたしかめ、これは孫が来てから散歩に出ていっしょに切ろう。団子を飾る台をつくらなくては。手ごろの板をさがし出して小屋で大工仕事をしました。
 二年前に買って植えた栗の木はまだ肩の高さにもならないのに、ことしはイガが六つつきました。けさ見ると二つのイガが落ちていて栗の実四つをゲット。これは団子の月見台に飾ろう。それにしても「桃栗三年柿八年」とはよく言ったものだと感心します。柿は四本植えたのに生き残っているのは一本だけ。まだ五年も猶予があるからしっかり育ってくださいね。
 ネットで月見団子のレシピを調べ、上新粉を買いに行きました。さっさと歩いても15分かかりますが、隣りのに小さな食料品店があるのです。飾るものは家でとれたものだけにしようと畑を漁り、オクラ・サツマイモ・ナスビをとってきました。
『家族の団欒』をもの心ついた子どもは夢見るものでしょうか。その頃は仲のわるかった両親に気は重くても、思春期の兄弟はクリスマスといえば山奥からモミの木を切って、かついで持ち帰ったことがあるし、七夕といえば笹竹を切って短冊を飾ったのを思い出します。しかしお月見にススキや団子を飾った記憶はありません。
 家庭をもつようになってからは子どもたちといろんな行事をしましたが、ススキを飾ってお月見をした記憶は残してやれなかったなー。
 去年見た『パコと魔法の絵本』という映画を思い出しました。事故の後遺症で一日しか記憶がもたず、きのうあったことは全部消えてしまう女の子のお話です。その子の記憶になんとか残りたいと病院の風変わりな患者たちは必死になります。
 人間は、子や孫になにかを残してやろうとあくせく生きるけど、結局記憶に人のぬくもりを残してやるのが一番ではないか。ふとそんなことを考えました。
 写真のはるか向うのなだらかな丘に、大きな十五夜の月が昇る。家を建てていた三年前の秋、棟梁を手伝いながら見事な名月を見て感動しました。あの感動の再現はできませんでしたが、孫は団子をしっかり食べました。
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運転免許の高齢者講習を受けました

2009年10月02日 02時56分02秒 | 古希からの田舎暮らし 80歳から
 古希といえば運転免許証の自主返納をそろそろ考えてもいい年頃だと昔は思っていましたが、田舎暮らしでは安易に返納するわけにいきません。
「それでは何歳まで運転するつもりなのか」と尋ねられると、いまだったら「80歳か85歳まで」と答えます。でも無事にその歳まで生きて、もしまだ元気にしておれば運転するでしょう。我が村にも、杖がわりに車椅子を押してゆっくり散歩する96歳の方が、車は運転しておられます。
 運転免許証更新の年にあたるので『高齢者講習』を受けてから来るように、と通知が届きました。そこで近くにある加東市の自動車学校で受講しようと予約しました。
 受講する日、朝食をとっていて何気なくカレンダーを見ました。8時40分・自動車学校と記入してます。受講の日は「忘れないように! 忘れないように!」と数日前から意識していたのですがなぜか「9時40分までに行けばいい」と思い込んでいました。「えっ! 8時40分?」あわてて免許証、印鑑、通知などをカバンに入れて車を運転して出掛けました。
 15分も走れば着くから大丈夫。朝の田園風景を眺め、この田んぼはもうじき稲刈りだな、と余裕のヨッチャン。8時40分の15分前には着いて学校に入りました。
 学校のドアを開けたとたん財布を忘れたことに気づきました。たしか講習は6000円ほど必要です。時計を見て、事務所の人に講習の開始時間をたずねると9時から。家まで財布を取りに帰ってもギリギリ間に合うかな。
「何を忘れられたのですか」という事務所の方の声を背に、あわてて車に乗り、運転しながら携帯電話で「財布を持って家の近くで待っててほしい」と道子さんに連絡。財布を受け取って急いで車を走らせ、なんとか講習開始時間までに受付手続きを終えました。
 あとになって考えました。
「なんで『財布を忘れました』と素直に言わなかったのだ。あとで払うからといえば受講させてくれただろう。もう年寄りなんだからもっと素直に自分の困ったことをさらけだして生きるべきだ。あわてて車を走らせ、運転しながら携帯電話をかけ、事故でも起こしてたら……」
 もし簡単に往復できない場所だったら素直に「忘れた」と告げていたでしょう。それに冷静に目の前の事態を考えるゆとりがあれば、車のダッシュボードにいつもお金を入れてることを思い出したでしょう。
 こうしてブログを書きながらも反省することが次々出てきます。
 思い込み・物忘れ・あわてる・恥……。振り込め詐欺は他人ごとじゃないな。
   
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