上善如水

ホークの観察日記

戻らぬ日々

2021-02-21 16:31:04 | 介護
「2月は逃げる」の言葉通り、あっという間の1ヶ月でした。

私の勤め先の施設は今のところ無事ですが、系列の他の施設で新型コロナウイルスの陽性患者が発生し、利用者と職員が入院。

急きょ、応援の職員を派遣することになったりしてドタバタしていました。

なかなか収拾の目処が立たないですね。

ただでさえ人手不足の業界なので、応援に人手が取られてしまうと、現場が回らなくなります。

入浴日を変更したり、日勤不在のまま残業で対応したり。

応援に行った職員も、自宅待機なんかせずに、すぐ職場復帰しています。

協力医療機関になっている病院でも、コロナウイルスの感染者が出ていて、そこに入院していた利用者が退院してくる。

この間、新規入所でやってきた利用者は、初日から発熱していて、入所初日から居室対応。

もう、いつうちの施設で感染者が発生しても驚きません。


こんな時期なんだから、新規入所者を受け入れなければいいのにとも、現場の介護員の立場では思ってしまいますが、経営的にそうもいかないし、人手不足なので新しい職員もどんどん募集しなければいけない。

今月だけで新しいパートの人が2名入りました。加えて4月採用を予定している学生さんの面接も行っています。


その反面、相変わらずご家族の面会はガラス越し。

声もマイクを使ったスピーカー越し。

子供たちの慰問や、ボランティアさんもお断りしているので、施設での生活はどうしても代わり映えのしないものに。

話を聞いてくれる傾聴ボランティアさん。

カラオケを一緒に歌ってくれる地元の愛好家の人たち。

ミシンなどで利用者の衣類の補修をして下さる裁縫ボランティアさん。

絵を教えてくれる方、楽器を演奏してくれる方、清掃や草取りを手伝ってくれる方。

介護施設って、ボランティアさんに助けられている面が大いにあるんですよね。

喫茶店に出かけたり、子供たちが歌声を披露してくれた日々が懐かしい。


利用者さんもですけど、職員もけっこう限界に来ています。

早くコロナウイルスが収まってくれるといいなぁ。





慰労金が給付されました

2020-12-02 15:45:07 | 介護

12月ですね。マフラーして出勤するような寒さになりました。

介護職員を対象とした新型コロナウイルスに対する慰労金、ようやく今月受け取ることができました。

うちの施設では新型コロナウイルスの感染者も、濃厚接触者も出なかったので、1人5万円。

実際に感染者の対応をしていると20万円が給付されます。

それでもマスクや消毒や、自腹でいろいろ対策しなきゃいけないし、面会禁止だったり、行事ができなかったり、毎日自分の体温測ったりと仕事にもかなり影響が出ているし、旅行や友達に会うのさえ控えているので、こうした形ある支援がもらえるとモチベーションの助けになります。

経費もかさんで経営を圧迫しているらしく、給料もボーナスもあまり期待できないみたいですしね。

 

慰労金の5万円を期待していたわけじゃありませんが、先月スマホを新しく買い替えました。

買ったのは発売されたばかりの、iPhone12 mini

4年ぶりの買い替え。

スマホの機能は本当に日進月歩で、すごく便利になっていて楽しいです。

安い買い物ではないけれど、これもモチベーションをあげる効果があります。

年末年始も休みなしですからね。

自分で自分のやる気を奮い立たせないと!

 

 


第23回ケアマネ試験お疲れ様でした

2020-10-13 09:54:30 | 介護

10月11日(日曜日)に第23回介護支援専門員実務研修受講試験、いわゆるケアマネ試験がありましたね。

受験された方、お疲れ様でした。

ツイッターなどで「難しかった」という声と共に話題になっていたワード「遅発パラフレニー」

こんな問題でした。

 

問題35 老年期の精神障害について適切なものはどれか。3つ選べ。

1 老年期うつ病では、心気的な訴えは少ない。

2 老年期うつ病では、気分の落ち込みよりも、不安、緊張、焦燥が目立つ。

3 老年期の統合失調症の症状の再発は、配偶者や親近者の死が要因となることがある。

4 老年期のアルコール依存症は、認知症を合併することはない。

5 遅発パラフレニーは、老年期の妄想性障害の、代表的な疾患とされている。

 

「遅発パラフレニー」というのは、60歳以降に発症する妄想状態のこと。

介護現場では聞いたことのない言葉ですが、調べると「統合失調症」とほぼ同じ意味なのかな?

統合失調症は発症年齢がそこまで高くないので「遅発」てことになるんでしょうね。

「統合失調症スペクトラム」として、一連の症状として考えるようです。

 

ちなみに正解は2、3、5の3つ。

1と4が適切ではないと分かれば解ける問題ですが、「遅発パラフレニー」という聞きなれないワードに引っかかってしまうと悩みそうです。

 

受験者数が激減しているケアマネ試験。

受験資格が厳格化されたり、試験合格後もお金を払って定期的に研修を受けなければならない、そもそも仕事が激務、そのくせ給料が低く割りに合わないと、政府の制度設計自体が受験者を増やす気がないのは明らかなので仕方がない部分はありますが、今年は少しは増えたのかな?

ちなみにうちの施設から受験した人はいません。

ケアマネの作るケアプランなんて、現場ではあくまで「目標」

現場の邪魔になることはあっても、助けになることは一つもありませんからね。

「トイレでは清拭を行い、清潔なパッドに取り替える」というケアプランがあったのですが、「この人はパッドをトイレに流してしまうので入所以来一度もパッドは使っていません」という現場の声が届くのに、なんと一年かかりましたから。

自分の施設のケアマネと話したことがないという介護員もけっこういます。

そもそも現場に来ませんからね、あの人たちは。

ケアプランを作るのが大変とよく聞きますが、現場で使えない「建前」を作る作業に忙殺されて、利用者の顔も見れない、現場にも出られないでは、何をしているのかわかりません。きっとお役所は書類さえ揃っていれば満足なんでしょうが。

介護員にとって魅力のない職種になってしまっているのは残念です。

 

 

 

 


介護施設のマスク事情

2020-09-26 22:50:01 | 介護

夜勤明けで帰宅。

夕方近くまで仮眠をとって、夕食に「にゅうめん」を作りました。

そろそろ、そうめんも片付けたいので。

 

 

職場ではとうとうマスク着用のまま夏をこえてしまいました。

コロナ対策で必要なことはわかっていますが、やはり暑い、表情が見えない、など仕事にも影響していて、ようやくガーゼマスクにかわるマスクが配給されました。

最近のテレビで芸能人などがつけているアレです。

透明マスク

一人一枚。

メイドインチャイナ。

 

 

 

う〜ん、確かに口元は見えるようになったけれど、やはり暑いし、すごい違和感。

慣れなんでしょうけど、やっぱり使い捨てマスクが一番便利で、一番衛生的で、一番使い勝手が良かったな。

単価は聞いていませんが、今の所一人一枚なので全然足りず、自分でドラックストアで買った使い捨てマスクと併用しています。

個人が買えるんだから、施設も使い捨てマスクにすればいいのにと思いますが、やはりコストがかかるのかな?

手袋も単価が上がり、一時期品薄状態だったし、今なら介護員が自分のお金でマスクを買ってくれるから施設は用意しなくていいいので、施設的には経費削減になっている?

入居者が病院受診の際に使う使い捨てマスク(施設が用意した物)も捨てずに再利用していますからね。

あと近所の中学校の生徒が布マスクを寄贈してくれたので、それも入居者用に使っています。

よくボランティアで歌声を聞かせに来てくれたり、劇を演じてくれたりしていたのですが、コロナ禍でそれもできなくなって、じゃあ布マスクを、ということで作ってくれました。

こういうの一番嬉しいし、実用的で助かっています。

 

しかし本来なら福祉政策として、自助や共助に甘えず公助できちんと用意すべきだと思いますけどね、使い捨てマスク。

中学生の作った布マスクでその場をしのいでいるなんて、昔の学徒動員じゃないんだからさ。

 

 


介護施設 入浴拒否百景

2020-09-22 07:11:06 | 介護

 

 

入浴拒否の多い入居者さん。

最初に声かけしたのは新人さん。

直球どストレートに「お風呂行きましょう」と話しかけ、

「行きたくないからいいわ」と断られる。

時間を置いて、もう一度声かけするも結果は同じ。午前中の入浴は諦める。

 

午後になり、今度の担当は中堅の介護士さん。

午前中の様子を聞いて「難しいかもね」といいながら、明るくハイテンションで声かけ。

「◯◯さんコンニチワ! 久しぶりだね、元気だった?」

「あれ、久しぶり。ありがとう、元気だった?」とハイタッチ。

・・・いや、毎日のように会ってますけどね。

 

「一緒にお風呂に行かない?」

「う〜ん」

「連れて行ってあげるから、一緒に行きましょう?」

「・・・じゃあ、お願いするわ」

「うれしい。じゃあ車椅子動かすね」

 

と会話しながら浴室へ・・・

 

これね、介護技術のひとつなんだけれど、ハイテンションで演技しなくちゃいけない介護士さんの大変さをまずわかって欲しい。

新人さんも断られて(どうしよう)って困っているだろうけど、雰囲気作りを考えず、ある意味、入居者さんの気持ちを考えずにこちらの要望だけを伝えているから、声かけとしてはサボっているんだよね。

もちろん中堅介護士さんのやり方がいつもうまくいくとは限らないし、同じパターンが他の人に通用するわけでもないんだけれど、考えて演技してコミュニケーションにボディタッチも交えて工夫してる。

この雰囲気、空間を維持するために中堅介護士さんがどれだけ気を使っているか。

そこを新人さんにはわかって欲しい。

 

相手の入居者さんは認知症がすすみ、以前のように周りの状況が理解できず、記憶も維持できない。それを不安に思い行動すること自体に恐怖を感じている。そんな想像力が働くと、その不安を軽くしてあげることのできる声かけができるようになる。

実際に入居者さんがどう感じているかはわからないし、想像が外れることも多いんだけれど、考え方としてはこんな感じ。

ベテラン介護士さんになると、「この人なら安心」という関係性をつくっているので、割と「お風呂行きましょう」でもすんなりうまくいくこともある。

「お薬ぬりますね。こちらへどうぞ」とか「足の調子はいかがですか?少し見せて下さいね」と浴室に案内する人もいる。

「温泉に入りましょう」「いいところに案内しますよ」なんて人も。

介護に正解はないので、人それぞれのやり方があっていいんだけれど、相手の気持ちを考える想像力は大切。

 

ちなみにこの入居者さんは、強引に連れて行こうとすると、車椅子の車輪回しをつかんで足を踏ん張り、テコでも動かないぞって感じで抵抗する方。

真夏でも「風邪を引くから入らない」という入居者さんもいるし、「家で入るから入らない」という何年も施設で暮らしている入居者さんもいるし、「今日はやめておくわ」という入居者さんとか、入浴拒否のパターンは千差万別。かなり演技力と想像力が試されます。へたな演出家より手強いです(苦笑)