上善如水

ホークの観察日記

お弁当と介護保険法改定

2019-08-31 22:25:24 | お弁当

冷凍食品便利!

お弁当にはなるべく時間をかけたくないので、冷凍食品とレンジでチンするだけのお惣菜を活用しています。

お弁当箱も百均の使い捨て。

お弁当箱を洗わなくていいというのが、ホント助かっています!

 

 

そういえば気になるニュースが。

厚生労働省の社会保障審議会介護保険部会で今月29日、来年の介護保険法改定へ向けた議論が始まったのですが、またまた国民の負担が増えそうですね。

現在40才以上が払っている介護保険料の支払い年齢引き下げ。

施設入居者の居住費、食費の自己負担の引き上げ。

ケアプラン作成費の利用者負担。

要介護1、2の介護サービスを総合事業に移行。

などなどが検討されているんだとか。


「総合事業に移行」というのは介護保険からの給付を取りやめ、新しいサービス「新総合事業」として運営、財源を市区町村の負担に移そうということ。

すでに14年の介護保険法改正で要支援1、2が総合事業に移行され、在宅サービスの「訪問介護」と「通所介護(デイサービス)」などが介護保険から切り離されました。

今度は要介護1、2の人たちも、介護保険から切り離し、市区町村に移行しようという案です。


前回厚労省は、総合事業移行後のサービス単価を現行の介護報酬より低く設定するよう自治体に求めたため、その結果、単価を現行の半分近くまで引き下げた自治体もあったようです。

そうすると、その人たちを受け入れていた事業所(訪問介護サービスやデイサービス)は、もらえる介護報酬が少なくなってしまいます。

また、運営する自治体にとっても財政面での負担が大きく、窓口で介護の相談にきた高齢者や家族を追い返す、いわゆる生活保護を受給させないための「水際作戦」と同じ構図になりかねないという懸念もあります。

たとえ総合事業サービスを受けられることになったとしても、自治体によってはサービス利用料がこれまでよりも割高になる恐れが。

ある自治体では30分500円と設定したため、それまで介護保険では1ヶ月1200円程度で受けられていたサービスが、月4回一時間ずつの利用で4000円、実に3倍近い負担増になった例もあるそうです。

 

介護保険制度自体はこれで守れるかも知れませんが、介護を必要としている人に本当に必要なサービスが提供できるのか、甚だ不安ですね〜

 

うちの施設にも、入所当時は要介護3でしたが、介護度が改善し要介護2になった利用者さんがみえます。

自宅で介護する人がいないため引き続き入所できていますが、介護保険からの給付がなくなり、総合事業に移行したら退所とかにならないかな?

退所にはならないとしても事業所の収入は確実に減りそう。

利用者にも事業者にも、何のメリットもないように思えるんですけど、誰のための介護保険なんだろう?

 


ユニットケア研修

2019-08-30 10:13:06 | 介護

ユニットケア研修を受けて来ました。

いやぁビックリ。

お花畑とまでは言いませんが、あまりに現実を無視した理想論に「そもそも研修を運営する法人にいくら税金使っているの?」とあらぬことを考えてしまいました。

 

ユニットケアというのは従来型と呼ばれるこれまでの老人ホームのスタイルと異なり、利用者の個性、習慣を重視して、自宅に近い環境でサポートを行うことを目的とした介護施設。

基本は個室、これまでの集団ケアと違い個別ケア、人数も10名くらいでひとつのユニットとして、顔なじみの介護員が一人一人の生活リズムを尊重した暮らしを支援します。

 

私もユニットケアには憧れがあって、研修ではそれをどう実現するのか、具体的なノウハウ、福祉用具や家具や家電の機能にその利用法、利用者の経済的負担に対する補助、経費や人件費に対する対策、行政の支援状況、成功事例などが知りたかったのですが、いきなり映像を見せられ、老人の一人語りというていで、従来型老人ホームの否定から始まりました。

決まった時間に起こされる。

朝はあたたかいコーヒーが飲みたい。

お風呂に昼間入るのは恥ずかしい。

体が不自由だけれど寝間着も着たいし朝はお化粧もしたい。

リハビリ体操やお遊戯もいいけれど、散歩がしたいしたまには喫茶店にも出かけたい。

・・・いかにも健常者がお年寄りの心を想像して作ったようなセリフ。

 

個性を大切にするんじゃないの?

生活習慣なんて人それぞれだよ?

なに、このオシャレなお年寄りイメージ?

 

糖尿病なのに甘いものを飲みたがるおばあちゃんもいます。

お風呂になんて入ったら風邪を引くと嫌がる人もいます。

着替えどころか、何枚も何枚も服を重ね着して、脱ぐのを頑なに嫌がるおばあちゃんもいます。

今が昼なのか夜なのかわからない人。ご飯を食べてもすぐに忘れてしまう人。

便座の水で手を洗う人。ぬいぐるみに自分の食事を食べさせようとする人。家に帰るために扉という扉、窓を開けようとする人。

 

そういう人たちの人権と個性を尊重しながら、私たちにはどんな支援ができるの?

そういう人たちにユニットケアはどんなメリットがあるの?

ユニットケアは従来型よりもたいてい利用料が高いです。経済的に困窮しているお年寄りにどんな救済方法が用意されているの?

 

だけれど、研修で講師がみせてくれた映像には・・・

入浴中、家庭用の小さな湯船に入るお年寄りと、楽しそうに話している介護員の姿(もちろん介護員は服を着ている)

いや、お風呂で服を着た相手とおしゃべりをたのしむ習慣なんてそうそうないよ!?

・・・ちょっといいすぎました。そういうことじゃないんでしょうね。伝えたいことはわかります。利用者さんの笑顔が欲しいんですよね。

 

性善説というか、中には介護員をバカにして喜ぶ人や、女性を差別している男性利用者、相手が痛がるのをいい気味だって笑う高齢者だっていますからね。

岐阜県の介護施設では包丁を持った利用者から包丁を取り上げ、投げ飛ばした介護員が「虐待」と認定された事件もありました。

 

いや、私はユニットケアには賛成です。

利用料が高くなって利用できない高齢者が多いとか、介護する人手が確保できない、人件費がかかる、施設の運営にとって負担、などなど政府のユニットケア推進は失敗だったんじゃないかとの声もきこえますが、そのひとの暮らしの延長での支援という考え、個性や人権に配慮した支援というのは必要だと思っています。

でもそのためには人とお金をもっとかけないと!

 

海外では、施設内に認知症の人の暮らす町を作ってしまった、なんて取り組みもあります。

普通にお店があり、郵便局があり、映画館がある。

研修では「利用者のテーブルでは手の届くところに5つ以上の物を置きなさい」とか「同性介助を行いなさい」とか「業務スケジュールはなくしなさい」とか具体的な指導もありました。居室にもっと物を置くように。壁や通路に飾りを。個人を尊重した掲示の方法を。

どれも人とお金がかかります。

「利用者さんは毎月の部屋代、食事代を払っています。施設は利用者さん目線で、決して従業員目線で行ってはいけません」

いままでの介護の方法ではダメです。これからはこうして下さい。理由はこれこれこいうことです。どうやって実行するかは自分で考えて下さい?

 

これは担当講師さんの問題?

他にもまだまだおかしな点はたくさんあったのですが、結局この研修を受けても、何もかわらないだろうということだけはわかりました。

自分たちで試して、調べて、勉強するしかなさそうです。

こういう無駄な研修に流れる予算をもう少し現場の介護員の給料に反映させられないのかな?

私なんて、今の施設で一生働いても、とうていユニットケアを受けるだけの年金も貯金も足りないですからね。

江戸時代の農民のように、年貢で収める米を作っているのに、自分たちでは米は食べられないのと同じです。

レーポート提出するのがユウウツだなぁ。