何にでも「モンスター」とつけることには賛成できませんが、利用者さんのご家族とのトラブル、ありますね〜
事務所で怒声が飛び交う、そんなことも時にはあります。
介護保険の理解不足ということもありますが、出来ないサービスを要求されたり、必要な出費を拒否されたり、中には金銭を要求したりするケースも。
もう何年も入所している利用者さん。
今はほぼ寝たきりで食事も排泄も全介助。
毎週のように通って来ては、ずっとお世話をしていた娘さんは、母親が高齢で入所中も入退院をくり返し、病院でも「もう病気を”治す”という段階ではない」と宣言され、施設側と何度も話し合ってこられたので、ある程度覚悟も決めていらっしゃいました。
そんな利用者さんの体調が悪くなり、もう病院に行っても治療は期待できない、長時間の検査や通院はそれだけで本人の体の負担になる、ということで病院には行かないということに娘さんとの話し合いで決まりました。
そんな状況を親族に連絡されたらしく、入所以来初めて「息子さん」という方がみえたのですが・・・
いつからこんな状態なんだ!?
こんな状態なのに病院に行かない!?
ここはいったいどうなっているんだ!?
と大変なご立腹。
看護師がこれまでの経緯を説明したらしいのですが、怒りは治まらず、その日の内に病院に行くことに。
もちろん、利用者さまだけを行かせるわけにはいかないので、車を出し、運転手と看護師が付き添い。
炎天下に長時間外出する(体調の悪い)利用者さんも大変ですが、残された施設も、急に看護師さんと職員一人がいなくなるとどうなるか。
まぁ、人員的にキツイですね。
影響は全職員、利用者さんにも多少は出てしまいますからね。
もっともここ最近は人手不足のせいで慣れっこといえば慣れっこなんですが。
それでも利用者さんの体調が良くなればそれはそれでよかったのですが・・
具体的な結果は書けませんが、おおむね加齢による老衰というこれまでの診断と同じでした。入院も不可。
それでも納得できない息子さんは、別の病院に連れて行くと主張。
後日、そこで入院手続きをされたようでした。
入院当日。
もう何年も入所されていた利用者さんを見送る介護職員の心境は複雑でした。(息子さんは来られませんでした)
体調が良くなったら戻ってくるのでベッドは空けておくようにと息子さんはおっしゃったそうですが、施設側がどんな回答をしたのか。
一応3ヶ月は確保しておけるはずですが・・・
人間だから、気に食わない事も許せないこともあるでしょう。
介護員も看護師も完璧ではありません。
でもね、「こんな状態」に突然なったわけではないんですよ。
それはずっと通って来られていた娘さんが一番よくわかっていらっしゃると思います。
生前にできることはしておきたい、少しでも延命できるなら病院で治療を。
そんな考えがあるのかも知れませんが、病院も万能ではありません。
きっと入所された当時のお母様と、現在のお母様の状態のあまりの違いにビックリされたのかも知れません。
できることなら、「こんな状態」になる前に、もう少し様子を見に来て欲しかった。
そして今後の事について、娘さんと一緒に話し合いに参加して欲しかった。
一番優先して欲しいことは、自分の気持ちではなく利用者さま本人にとって何が最善かということ。
当事者になっちゃうと、気持ちの整理がつかず、難しいこともわかります。
介護って、施設に入れたらおしまい。
もう全部おまかせってわけじゃないんですよ。
介護する人、介護される人、それだけじゃなくて、介護しているご家族、介護には直接関係していないご家族。行政。医療。
みんなひっくるめて考えていかないと、成り立たないんですよね。