この間の夜勤はひどかった。
自分の精神状態がどんどん追いつめられていくのがわかりました。
(あ、ヤバい。嫌な介護士になってる)
て自分でわかりましたから。
夜勤は違うフロアの職員と一緒とはいえ、基本自分の担当フロア25人は自分一人で対応します。
その日は徘徊のある利用者さんがお部屋で放尿。
幻覚妄想のある利用者さんがナースコールを連打。
昼夜逆転の利用者さんからの訴えが深夜から朝まで。
その間にも他の利用者さんのトイレ介助にオムツ交換。夜間は記録管理や洗濯なんかもやらなきゃいけない。
こ、これはね、いくら廊下を走っても追いつきませんよ(泣)
認知症があって会話も成立しない方から、くり返しくり返し同じことを訴えられることはよくあるのですか、それが2人同時。しかも朝まで8時間。
思わずナースコールを手の届かない所に置きたくなる衝動がわき起こってしまいました(もちろんそんなことはしませんが)
伝わらないとはわかっていても「◯◯さん、さっきも同じことしたでしょ?」とつい本音が。
(あ、しまった。言っちゃいけなかった)
とすぐに後悔。利用者さんは悪くないんですよね。おぼえていないんだから。
このままじゃ自分の精神状態に自信が持てなくなりそうだったので、あわててロッカールームに行き、甘いお菓子を一口。
(元に戻れ、元に戻れ)
と何とか気持ちの切り換えを願いました。
認知症の方は寝ない事も多くて、朝までずっと歩き回ったり訴えが続いたりすることがあります。
では昼間寝ているのかといえば、睡眠時間は1時間くらい。
強い薬を飲めば眠れるのでしょうが、担当医もそれはしたくないみたい。
以前はそんなに追いつめられることはありませんでした。
全然知識も経験もなかったので(こいうものか)と受け流していた感じ。
でも今は認知症の理解がすすみ、経験も増えて自分でも何かできそうな気がしはじめていたんです。
認知症の人でも環境を整え、その人の人生に向き合えば、その人らしい生き方の介助ができるんじゃないか。
セミナーに通ったり、自分なりに勉強もして知識を仕入れ、どこか頭でっかちになっていたんでしょうね。
こんなにあなたのことを考えているのに!
良かれと思ってしていることなのに!
こんなに頑張っているのに!
何でわかってくれないの!
いつの間にかエゴのかたまりみたいな勘違い野郎になっていました。
油断した〜
心も上善如水。
まだまだ修行が足りません。
安い賃金でも重労働でもプライベートの時間まで削って介護に従事している自分ってエラい!!
とか考えていたんでしょうかね。自分の思い上がりに反吐が出ます。
はぁ、人間ってホント自分大好きなんだから。
夜勤は甘いお菓子で何とか立て直して、朝には精神状態も落ち着いていました(疲れはピークでしたが)
利用者さんに洗濯物をたたんでもらいながら、昔の話をして大笑い。
女性の利用者さんで昔野球(ソフトボール?)のピッチャーをしていたというおばあちゃんがいて(学生時代の話)、今でも紙くずをゴミ箱に投げ入れるのは百発百中。
その腕前に「おー」とみんなで驚きました。
こっちの身勝手な思いを押し付けるのはよくないですね。
勝手に押し付けて、受け取ってくれないからって勝手にイライラするなんて最悪。
勉強になる夜勤でした。
あ、でも甘いお菓子の備蓄は切らさないようにしないと。
いつでも緊急避難できるように。
備えあれば憂いなし、です。