「介護の専門性」というテーマの研修を受けてきました。
講師の方がこう質問します「介護の専門性と何ですか?」
私はこういうの大嫌い。
質問が抽象的でどうとでも取れる内容。
相手の望んでいる答えじゃないと受け付けてもらえない。
質問者のさじかげん次第。
コンサルタントとか怪しげなセミナーでよく見かけます。
介護員はけっこう研修に出る機会があるのですが、本当に役に立つ研修にはなかなかお目にかかれません。
一般的な「マナー研修」とか「コミュニケーション研修」も同じ。アレなんで会社のお偉方って研修の成果によって報酬を払う出来高制にしないんですかね。仕事を依頼してその作品の出来を確認することなく言い値で払っちゃう。材料(研修を受ける側)が悪ければいい作品は作れない? なら研修やらない方がお互いのためじゃない?
ま、こんな愚痴が出るくらいひどい内容でした。
「介護の専門性」で調べるとこんなことが書かれています。
ー生活全般について、観察などから情報収集して、それらを統合・分析し、どのような課題、ニーズがあるのか発見したうえで、QOLを高めるための介護方法を見出していくことー (QOL=Quality of life 人生の質、どれだけ人間らしい生活や自分らしい生活が送れているかということ)
こんなの一字一句覚えて働いている介護士なんていませんよ(いたらゴメンなさい、私は覚えられません)
私たちが日々しているのは、トイレがうまくできない人にできることをやってもらい、できないことを手伝う。
体が麻痺して服がうまく脱げない人に、脱げるところだけ脱いでもらい、脱げないところを手伝う。
どこまでできて、どこができないのか。どういうことに困っていて、その原因は何なのか。何をしたらできないことができるようになり、これ以上悪くならないか。
でも講師が求めている言葉は「根拠に基づいた介護」「自立支援に向けた指導、助言」「環境整備と他職種連携」なんです。
そりゃ私たちだって食事形態について栄養士さんと相談するし、薬や病気の影響、皮膚状態などは看護師さんに情報あげるし、PT(理学療法士)さんからアドバイスもらったりしています。ケアマネとはケアプランについて喧々諤々するし、そういうことが他業種連携じゃないの?
確かに根拠のない(思い込みや古い知識で)介護をしている介護士さんもいるけどさ。
「根拠」て言葉がない。「指導、助言」という言葉がない。「環境整備、他業種連携」という言葉が出てこなかった。なんて言われても、内容がだいたい合っていたら、それでOKじゃない?
私はこの時に「できることはやってもらう」「手助けしすぎない」「必要な支援に結びつける能力」とけっこう意見を言っていたのですが、講師の人に「必要な支援に結びつけるのはケアマネの仕事じゃないの?」といわれちょっと講師の方と議論になりました。そして後で講師の方がみんなの前でこう言ったんです。
「根拠という言葉、指導助言という言葉、他業種連携という言葉がでてきませんでした。私がちょっと突っ込むと「違います」と言い返す人もいましたね」
と私のことを取り上げました。
もうね、この一言で私にとってこの研修は「ひどい内容」になりました(苦笑)
これは私の悪いところなんですが、つい自分の主張に熱くなってしまうんですよね。たかが研修と流せない。
実際のやりとりを聞いていないとどういうことかわからないと思いますが、講師の方はわざとまぜっかえして楽しんでいるような感じだったんです。こちらが説明しても「長すぎる」「もっと短く」と内容よりも言葉を重視する感じ。「他業種連携」という言葉を引き出したかったのかな?
そしてよくあるグループワーク、ロールプレイング。
いいんですよ、そういう手法を使うことは。
ただ圧倒的に説明不足だし、段取り悪いし、目的がわかっていない人がいるのに見切り発車。
結果グダグダな時間になってしまいました。
あーあぁ
結果、私にとってはとっても不愉快な研修になってしまいました。
こんなことなら一日利用者さんとゆっくり一緒に過ごした方がずっと有意義だったよ。
帰りはヤケ酒。
普段あまりお酒は飲まないのに!
案の定ビール2杯が限界でした(笑)