聖なる怠け者の冒険
価格:¥ 1,680(税込)
発売日:2013-05-21
こんなにも活躍しない主人公がかつていただろうか?(笑)
森見登美彦さんの長編小説『聖なる怠け者の冒険』(朝日新聞出版社)を読みました。
京都。
狸。
宵山。
京都の週末に現れ、困っている人を助けて回る謎の怪人「ぽんぽこ仮面」
ひょんなことから「ぽんぽこ仮面」の跡継ぎに指名された、社会人二年目の主人公小和田君は、休日をただただのんびり過ごしたいがために、あとやっかい事に巻き込まれたくないために、この頼みを断り続けるのですが・・・・・・
もう、「ぽんぽこ仮面」なんてどうでもいいです!
とにかく何もしたくない、のんびりしたい、退屈にひたっていたいという小和田君が、森見登美彦さんの分身に見えてしょうがない(笑)
ずっと夏休みだったら・・・・・・
そんな気持ちもわからなくはない。
わからなくはないけれど、それじゃあ物語が進まない!(苦笑)
眠る主人公。
迷い続けるアルバイト探偵。
土曜日の休日を楽しむためにめいいっぱい予定を組むカップルに、食べても食べても出てくる「無間蕎麦」!!
北白川ラジウム温泉で湯につかり、電飾またたくレストラン菊水のビアガーデンに足を運ぶ。
ふるまわれるのは幻の酒「テングブラン」
宵山でにぎわう京都の町。
赤い浴衣の女の子に、かわいい狸のお面をかぶった怪人が飛び回る。
ちょっとお金があったらをエキストラを雇って、赤い浴衣の女の子と狸のお面の格好をさせて、集団で祇園祭の京都を通り抜けるのとか面白そう♪
なんて、この本を読んでいるうちに、イタズラ心がムクムクとわきあがってきました。
森見登美彦さん、面白いなぁ~
日本人の知らない日本語4 海外編
価格:¥ 998(税込)
発売日:2013-08-02
「親切」という漢字はなぜ「親」を「切」るのか?(笑)
日本語学校を舞台に、日本人でさえ知らない日本語の不思議と魅力、日本語を学ぶ海外の学生の疑問などを取り上げ、シリーズ累計200万部を突破したベストセラーの最新刊。
蛇蔵&海野凪子の
『日本人の知らない日本語4 海外編』(メディアファクトリー)
を読みました!
そう、今回は「海外編」
日本を飛び出し、世界各国(今回は主にヨーロッパ)での日本語学習の現状を紹介、そしていつも以上の切り口の面白さで、日本人でもビックリの海外での日本語事情をマンガで紹介しています♪
もう、全部紹介したいぐらい、海外の学生さんも先生も面白い!!
「津軽海峡冬景色」を口ずさむパリの学生(笑)
貝原益軒の『養生訓』をテキストに使っているベルギーの大学(!)
洗った食器についた洗剤の泡をふき取らないイギリス人!(もう日本語学習関係ない!)
ちなみに「イギリス」って呼び方は日本でしか通用しません。英国の正式名称は「グレートブリテン及び北アイルランド連合王国」
「U.K.」という表記が一般的でしょう。車には「GB」(Great Britain)という国籍を表すシールを貼ったりするそうです。
これとおなじで「オランダ」も日本独特。正式には「ネーデルランド」です。
ヨーロッパで見かける日本文化。
マンガ、アイドル、寿司、ファッション。
意外に人気なのが「漢字」
現代に残る数少ない象形文字(物の形が文字になっている)である漢字は見ただけで何となく意味がわかるものの、カタカナやひらがなは学生さんにとっては難しいらしく、フランスの学生さんが発音より綴りを優先するあまり、カタカナ(綴り的な読み)にカタカナ(実際の発音)でふりがなをふっていたのには、驚くやら可笑しいやら☆
イギリスの先生が初級クラスで日本語の数の数え方をジェスチャーで教えるシーンが好き♪
朝起きて、かゆい!(イッチー)ひざが!(ニー)窓には太陽!(サン)あくび!(ヨーン)、って語呂合わせかい!!(笑)
本当に、世界って、言葉って面白いですね!
最初にあげた「親切」という漢字。
「親」は「近しい人」という意味で、「切」は「ぴたりと合う(適切の切もこの意味)」という意味からきているので、決して「親を切る」なんて由来ではありません(苦笑)
水戸光圀の「圀」って漢字が中国の女帝、則天武后が作った「則天文字」だなんて知らなかった!
どうりで他に使いようがないわけだ!
では、川端康成の有名な小説「雪国」の冒頭シーン。
「国境の長いトンネルを抜けると雪国であった」
この文を英訳する時困るのが、英語には欠かせない「主語」はどれかという問題。
英語と日本語の関係を取り上げる際によく出てくる例題のようなので、答えは本を読んでのお楽しみということで♪
日本語なのに日本人の知らないことってたくさんありますね!
あぁ、面白かった。