上善如水

ホークの観察日記

病院百景 若年性脳梗塞になって

2014-10-27 15:56:20 | 日記
エコー検査という喉の動脈を見る検査の結果、血流もスムーズで問題ないとのことでした。

リハビリも順調で、まだパソコンを打ったりとかは苦手ですが、階段を登ったり、手すりにつかまらなくても歩けるようにはなっています。

完全に回復することはないので、あとは慣れていくしかなさそうです。

血圧が高めで今朝は 163/114 。

完全な高血圧。これが頭痛の原因かな? なかなか最低血圧が100を割らないんですよね〜

水分を十分に取っていますが、一朝一夕には治りません。

やはり生活習慣から変えていかないと。


左半身が麻痺してから通路の曲がり角が怖いです。

こちらはゆっくりとしか歩けないし、手すりにつかまりながらなので壁近くを歩いています。だらか急に人が曲がってくると避けられない。

エレベーターでもできるだけ壁に近い位置で乗りたいわけです。

今は病院ということもあり、人にぶつかったことはありませんが、これ外で電車に乗ったりデパートに行くの大変だなぁ。

自分がなってみないとわからない不自由さってありますね。


病院にはトイレに行くだけでも大変な人がたくさん入院しています。

この間は、たまたま見舞いに来た身内の方がお年寄りをトイレに連れて行ったらしく、怒鳴り声が廊下まで聞こえていました。

すぐに気がついた看護師さんが声をかけてお手伝いされていたようですが、ピシャリと肌をたたく音まで聞こえました。

介護される方も大変ですが、介護する方も余裕がないんですよね。


しかし看護婦さんには頭が下がります。

夜中に奇声を上げたり徘徊する方も入院されてみえます。

車いすにのって奥さんを呼び続けている方や、記憶があいまいになっている方。

病院のルールを守らない方(携帯電話とか食事の持ち込みとかずっと騒いでいるとか)

そういう人たちにいちいち説明し、丁寧に対応する。

時には鶴の一声みたいに一喝される看護師さんもいらっしゃいますけど(頼もしい!)


病院でメンタルヘルスのカウンセリングも受けて見ました。

メンタルヘルスってあまりなじみのない診療科だったのですが、退院後の不安や生活一般の悩みなどを話し、いくつかアンケートに答えました。

脳梗塞後に鬱病になられる方もいるという話も出ました。

思うように体が動かないことで気に病んだり、未来に失望してしまうのでしょうか?

私は食欲もありすぎるぐらいあるので、まずはダイエットを、とここでも忠告されました(苦笑)

肉体的な面での治療だけでなく、精神的なことも大切なんでしょうね。

そろそろ本屋に行きたくなって来ました(笑)


医食同源 若年性脳梗塞になって

2014-10-26 16:10:52 | 日記
お医者さんから飲み物自由の許可が出ました!

コーヒーは一日一杯(カフェインを含むもの全般)ですが、あとはまあいいでしょうとのことでした。

お茶やポカリスエットは前から大丈夫でしたが、これで炭酸や果汁100%も飲めます。

私が最初に買ったのは何だと思います?

病院の売店に売っているものなのでレパートリーは少なかったのですが、その中で私が選んだのは・・・



「不二家のネクター つぶつぶ白桃」 です!!!





無味乾燥な入院生活、桃の香りはかぐだけで幸せな気分になれる〜

さまざまな薬品や消毒液、洗ったシーツやもれてくるトイレのニオイなど、病院独特のニオイが充満する中、桃の香りはまさに桃源郷の香り♪

一本の缶ジュースをこんなに味わって、なごりおしんで飲んだのは久しぶりです。

いや、買おうと思えばたくさん買えますが、療養中の身、何事も控えめにしなくてはいけません。

あれも食べたい、これも飲みたいという欲望が出てきたってことは、少し元気になってきた証拠かな?



今日もお風呂に入って来ました。

病院のお風呂なので、たいして大きくはないのですが、体を洗って湯船につかると心もゆったりできます。

頭を洗う時に両手でガシガシ洗っているつもりでも、左手だけはなでるような動きしかしていなかったり、かがんだ時に左足が体を支えきれず尻餅をついたりはしましたが(あとで看護師さんに怒らるというか心配されました)、なんとか日常生活に近い生活が送れるようになってきました。あと不安なのは車の運転かな?

お医者さんからは、しばらく一人での運転は控えるようにといわれましたが、他の方の話を聞くと、軽い麻痺の人なら運転している人は大勢いるから運転自体は大丈夫とのことでした。

歩いていると左側に置いてあるソファーにぶつかったり、左手に覚えの無いすり傷があったりと、まだまだ完全ではありませんが(パソコン打つのもまだおぼつかないです)これは時間をかけてリハビリしていくしかないとのこと。

あぁ、早くあつあつのステーキをナイフとフォークで切り分けてみたい!

あくまで左手のリハビリのために。

左手がうまく使えるか試すために。





日々是好日 若年性脳梗塞になって

2014-10-25 10:10:33 | 日記
私たちは無意識のうちに明日はいつも通り来るものだと漠然と思っているのかも知れませんね。

明日はこないかも知れない。

目の前の人と今度出会う機会はもう巡ってこないかも知れない。

この場所を訪れることはもう二度とないかも知れない。

この感情を味わうことはこれが最後かも知れない。

晴れの日でも雨の日でも、今生きている一日はかけがえのない一日であり、一瞬一瞬に私たちは生きている。

良いことがあっても、悪いことがあっても、日々是好日。

好日とは待つものではなく、見つけ出すこと。


英語に「セレンディピティ(serendipity)」という言葉があります。

脳科学者の茂木健一郎さんが書いてみえるのですが、セレンディピティとは「偶然の中で幸運に出合う能力」

人生には不運に思えることや望まぬ結果になることもある。

しかし、そんな不運に見えることの中にも実は幸運が潜んでいることがある。

何かを探していた時に、それとはまったく別の価値ある物を発見する能力、それが「セレンディピティ」

例えば、ケガをして入院を余儀なくされたスポーツ選手が、その病院で一生を共にする伴侶と出会うとかね(笑)

中国の故事にも「塞翁が馬」というのがありますね。もっとも塞翁の場合は幸運だけじゃなくて不運も見つけてしまうんですが(苦笑)


思いがけない病気に倒れ、入院を余儀なくされると、いろいろよくないことを考えたり、自分の不運を呪ったり、役にも立たない後悔をしてしまいがちです。

脳梗塞で自分の脳の一部が死んでしまったというのは自分でいうのも何ですが、けっこうショックなはず。

でも、自分の身体の一部が自分の思い通りにならならいというのは、なかなかできる体験じゃなく、不謹慎かも知れませんが正直「面白い」と思ってしまいました。

昨日まで、自分自身だと思っていた身体というものが、実は自分=身体じゃなかった。

もう一方の見方をすれば、自分のすべてだと思っていた意識というのは、自分を構成する一部でしかなかった!

いや、現実の日常生活に戻れば、その大変さに辟易するだろうとは容易に予想できるのですが、自分の手が自分の思い通りに動かないってスゴい! 何なの? 不思議!? と思ってしまったんです。

もちろん、命があったからこんなことも書けるというのは重々承知しています。

重度の障害がどれほど本人にも、家族にも負担をかけるか。病院ではそうした場面を否応無く見てしまうことも多いです。

でも、そんな中でも、見つけようと思えばいろいろ面白いことが発見できます。

なにせ時間だけはたっぷりありますからね。


晴れの日でも雨の日でも、生きていれば日々是好日。


今日も年下の療法士さんに手取り足取り支えられながら、リハビリを頑張ってきました。

食事も美味しく、お腹もよく空きます(苦笑)

カロリーも制限されているので、これで退院までにほどよく痩せないかな?


規則正しく入院ライフ 若年性脳梗塞になって

2014-10-24 15:42:45 | 日記
入院してありがたいのが、朝昼晩と決まった時間にご飯が出てくること。

しかも後片付けまでしてくれる!

もちろんカロリー計算もされていて健康的。

何度もダイエットに失敗し、高血圧に今回の脳梗塞を発症した身としては、家に帰ってもこのメニューを頼みたいくらい。

思わず宅配で自宅までお弁当を届けてくれる会社を調べてしまいました。


高齢化時代の日本、やはりそういう需要があるみたいで、今はいろいろなサービスがあるみたいですね。

お値段も、上を見ればきりがないですが、一食500円以下くらいなものまであるみたい。

一人暮らしで買い物に光熱費考えたら、一食くらいこういう宅配にしてもいいんじゃないかな?

ちょっと本気で考えています。

自炊よりは割高ですが、高齢者用の物やカロリー考えた物もあるし、何より毎日きちんと同じように自宅に届けられるというのが魅力。

帰りが遅くなっても専用の保温ケースに入れて玄関に置いていってくれる会社もあるみたいです。


いちおう自分で料理もしますが、こう病気ばかりしていたら、もう自分の力でどうにかしようというのを諦めたほうがいいのかも(笑)

今は間食は禁止され、看護師さんのあたたかいしかし鷹のように厳しい目が光っているのでお菓子やインスタント類は食べていませんが、自分一人となるとつい買い物かごに入れてしまいそうだし。





ある日の夕食。

クリームパスタとフルーツポンチ!!

パスタはのびのびだったけれど、美味しかったよ〜



リハビリの日々 若年性脳梗塞になって

2014-10-23 15:19:51 | 日記
若年とはいえ、この歳まで一緒に経験値を上げてきた身体。

その身体がいきなり経験値0(ゼロ)になってしまったような日々。

うまく歩けない、うまくつかめない、平衡感覚がおかしい、力が入らない。

脳梗塞による麻痺には様々な症状があるそうですが、軽度の私でさえこのあり様。

筋肉や骨に異常はないのに、それを動かす脳細胞が死んでしまっている・・・



そのため、現在行っているのは、残った脳細胞で筋肉を動かすことに慣れる練習。

指で細い棒をつまみひたすら小さな穴に入れたり、おはじきをつまんだり、スポーツジムのような機械で重りの付いたバーを左手だけで押し上げるというのをやっています。
あとはまっすぐ歩いたり、階段を登り降りするという今までの生活で意識すらしたことのないような当たり前の行為。

私の場合左側に麻痺があるため、左手、左足の筋力がうまく使えず、よろめいたりつかみそこなったり。

顔を洗うという何千回もくり返してきた行為でさえ、左手がうまくついてきてくれません。

力が完全に戻るということはありませんが、リハビリで少しは回復するとのこと。


本人にとっては今まで当たり前にできていたことができないということで、ショックだったりもどかしかったりするのですが、しかしリハビリ室では、私よりも重度の障害を背負った方々(その多くはお年寄り)がたくさんみえて、私なんて運がいい方に見えますし、多分実際もそうなんでしょう。

若い療法士さん(?)に支えられながら、階段を登ったり、おはじきをつまんだりなんてことでほめられたり励まされたりしています(苦笑)