最近本を読めていなかった反動か、1日で一万円も本屋で使ってしまいました。
買ったのは7冊なのですが、三千円近い短歌の本があったので一万円。
ポイントで交換した図書カードがあったとはいえ、ちょっと使いすぎ・・・でも、まあ、本との出会いは運命だから(笑)
その中の一冊は介護関係。
看護師の目線で書かれた特別養護老人ホームを舞台にしたお話。
小島すがもさんの『看護師も涙した 老人ホームの素敵な話」(東邦出版)
最初は題名が何のひねりもなくて、買う気が起きなかったのですが(あとイラストも)、その日はちょっと自制心のタガが緩んでいて、(ま、いいか!)と買ってしまいました。
最近多い説明文っぽい長ったらしいタイトル、苦手なんですけどね。
病院勤務から尊敬する先輩看護師に引き抜かれて老人ホームの看護師に。
施設の入居者さんとの日々のふれあい。
施設に入り暮らすということ。
高齢者の思い。
認知症。
食事、入浴、リハビリ、排泄。
様々な事情、病気、思いを持った入居者さんやそのご家族、そして一緒に働く介護さんや職場の仲間が登場し、短いお話が載っています。
介護される親と介護する子供。
認知症でも、動けなくても夫婦は夫婦。
「父が死んでも連絡しないで下さい」という娘。
おばあちゃんの失敗を笑って受け入れる息子に孫。
いろんな人がいて、それぞれの人生があって、最後を迎える形もさまざま。
職員に内緒で海苔巻きを持ち込む家族がいたり(海苔巻きは喉にくっつくので大変危険)、職員を選んで頼みごとをするおばあちゃんがいたり、女性職員をベッドに誘うおじいちゃんがいたり。
介護の現場で働いているとわかる”あるある”が目白押し。
看護師さん目線ということもあるのか、職員同士のいざこざや、”嫌な奴”が登場しないのはリアリティーがないかな?(苦笑)
私はもう介護の世界にどっぷりつかってしまっているので自分ではわからなくなっているのかも知れませんが、病気や死、家族の確執や自分がどこにいるのかわからない認知症といった、世間一般では「悲劇」と捉えられてしまいそうな状況があるにも関わらず、ここに書かれているのは優しい世界。「喜劇」のような温かさをこの本から感じました。
そう、「介護」って、つらいけど、こういう面もあるよねって。
書かれていない辛い事が9割、喜びが1割かな?(笑)