くらぶアミーゴblog

エッセイを綴るぞっ!

ぶっ飛び!

2004-12-02 15:56:55 | 
waiting400

『Juns Welt in ドイツ』“スカイダイビング in ラスベガス”~にトラックバック。いい記事ですぞ。 
 昨今はパラグライダーに押され気味の、ハンググライダー。小学生の頃に死ぬほど憧れて、ようやく実現させたのは大学のサークルでした。
 しかしこれがなかなか飛べないのだ。急斜面(ほぼ崖だったぞ)を駆け下りて浮かぶ練習をするのだけど、ふわりともせずに重~い機体を担いだまま、一番下まで駆け下りて終わってしまう。ガシャガシャガシャ、ばたばたばた。そうして下りたからにはとーぜんのごとくまた上がらないとイケン。万物普遍の法則。約25kgの重量を担いで崖をハアハア登ります。この姿を遠くから眺めると、傷ついた蛾もしくは蝶がよろよろとよじ登っている姿そっくりなのだ。風景としてはかなり面白いが、当事者はたまらない。重量以上に大きさが堪える。風が吹くたびにヨロケて転ぶ。皮肉なことに、練習場はいい風が吹き抜ける“絶好の”エリアにあるわけです。
 しかしその瞬間は、突然やってくる。崖の頂上でじいっとアゲインスト(向かい風)を待ち続け、インストラクターのOKが出たら機体を持ち上げて構える。風のセンターにくるように、翼の上下角を適正に保って、「行きま~すっ」と勇ましく叫んでからまたぞろ全速力で駆け下りる。すると、あらら、背中のハーネスがぐっと上に引っ張られる。「ナンダナンダ!?」駆けていた脚は地面を離れて空を切っている。
「...!!!」
 人生でほんの数えるくらいしかない、新鮮な驚きの瞬間。時間の流れが非常に遅くなる。あるいは止まってしまったか。ナイロンの翼が風を切る音しか聞こえない。インストラクターがメガホンで指示しているが、まるで聞こえない。想像以上のスピードが出ている。
 地面が近づいてくると、やっと思考が戻ってくる。ああそうだ、機体を立ててブレーキをかけないと。足が地面を擦りそうなところで度胸を決めて、機首をグイッと持ち上げて失速させる。ふわりと着地。パーフェクト。
「やったな、おい」インストラクターの声が聞こえ、そこでやっと現実の世界が戻ってくるのだ。

flying400
「ああっ、飛んだよ飛んでるよ~○△×」(以下意味不明)

これで時速40キロくらい。上空で急降下すると軽く100キロオーバーという驚愕の世界である。