
どうやってシチリアを廻ろうか...
パレルモの三日目、朝であります。
下水のかほりのする部屋とも、これでお別れ。9時にはチェックアウトを済ませて、AVISのレンタカーを受け取りに行く。
ところで、イタリア人はオートマチック車をまったくと言っていいほど使わないんですね。大きなクラスのベンツでも、マニュアルモデルしか走っていない。
レンタカーも、オートマはあくまでもオプションで追加料金。
なぜオートマを使わないのか。いや、嫌うのか。

借りた車も当然(?)手動変速
何故なのかは本文を参照
「オートマを信用してないんだと思う」と細君は言う。
その説明が、僕にも次第に納得出来るようになった。彼ら(彼女ら)はブラックボックスのような機械が嫌いなのですね。
自分のタイミングで変速したいのに、勝手に変速されるのが嫌いなのですね。
これはイタリア人に直接訊いてないのだけど、きっと当たっていると思うなあ。
パレルモの市街を抜けて、高速(SS)121号線を南下する。
本日は約130kmの距離を走行して、遺跡の街アグリジェントに投宿予定なのであります。
右側通行ということで、いささか緊張感を持ってスタート。しかし、現地のドライバーはすさまじい運転をしております。センターラインなんかおかまいなし。自由奔放にご走行なさってます。
おかげで、こっちも好きなように走らせていただきました。

時速120kmで移動する洗濯物と細君
車窓に広がるのは、一本の木も生えていない乾いた山並み。
牧草地には、顔の黒い羊が群れている。
彼方の岩山の山頂には、城壁の跡らしき建築物。
「こうやって自分で運転してると、いかにも旅をしてるなーという感じ」
「まったくですな」
「もう少し行くと、右側がコルレオーネ村ですよ」
「ゴッドファーザーですなあ」
「その先のパラッツォ・アドリアーノ村が、ニュー・シネマ・パラダイスの舞台になったところ」
「シチリアはロケ地の宝庫ですなあ」
荒涼とした風景ばかりかと思いきや、ところどころで緑豊かな土地が現れる。そんなところには必ず橋の標識があったから、水の流れるところはやはり肥沃な土地なのだ。