家内と2人暮らしになってからは、クリスマスケーキを買ってきて「イヴ」を過ごすなんて風流なことはしていない。
それを知ってか、娘婿が「クリスマスケーキ」を買ってきてくれた。しかも、食べやすいようにと気を遣ってくれて、ミニケーキ6個入りタイプだった。シャンパンまでついていた。
今年、家内がツリーを飾っていなかったので、「どうしたん?」と聞くと、「アレッ、忘れてた! 今頃飾っても、すぐに片づけなアカンし・・・今年は、やめとくわ」
2人だけの我が家では、だんだんとクリスマス行事とは縁が薄れてきている。なのに、クリスマスケーキを貰った途端、家内はウキウキだった。
「その心は?」・・・「クリスマスとは関係なく、ただケーキが好きなだけ・食べたいだけやろ!」
・・・・・お正月用の里芋を掘った・・・・・
お正月の「お節料理」や「雑煮」に使う「里芋」を、まだ掘っていなかったことに気づいた。
今日はポカポカ陽気。天気予報では明日はグズついた天気。
これから年末に近づくほど何となく慌ただしくなる・・・ 寒さも厳しくなるかもわからん・・・
作業着に着替えて畑に出た。数株だけだったので短時間で終わった。植えっぱなしの里芋だったので、いい芋は僅かだったが、お正月用には十分すぎる量だった。
・・・・・おやつは、クリスマスケーキ・・・・・
「食用の里芋」と「来季の種にする里芋」に仕訳し、倉庫に片付け終わった頃を見計らっていたかのように、家内が2人分の「おやつ」を盆にのせて持ってきた。
そこには、ミニの「クリスマスケーキ」が載っていた。作業着を着たまま、軒下の縁台に座り、お天道様の下で「クリスマスケーキ」を頂いたのは、生まれて初めてのことだった。
庭では、孫達がクリスマスプレゼントを持ってはしゃぎまわっていた。自分にも、そんな頃があったはず。
枕元のプレゼントにワクワクした記憶が残っているし、野球のグローブの時は大喜びした記憶も残っている。ボロボロになったそのグローブは、今も捨てられなくて倉庫に置いてある。
今になって思う。ミカン農家で両親は忙しかったはずだし、当時は家に自動車もなかったし、近くには店らしい店もなかったし・・・なのにクリスマスプレゼントだけは、いつの間にか、ちゃんと用意してくれていた・・・
孫達をみていて昔を思い出してしまった。たまには、仏壇にも手を合わせなくっちゃ。