紀州・有田で田舎暮らし

思いつくままに野菜や果実や漬物を作ったり、時には青春する心を求めてさ迷ったり、気ままに田舎暮らしを楽しんでいます。

倉庫のミカン 見てくれる!

2019年12月23日 | 我が家の食&漬物作り

いつもミカンやキュウイフルーツをもらっているミカン農家4軒に、我が家庭園芸の安納芋や富有柿や大根の残り物を配って回った時だった。

あるミカン農家で、「今年は裏年の木が多く、大きなミカンが多くてコマ(小さいサイズ)が少ないんや・・・」

自分が小さいサイズのミカンしか好まないのを知ってくれているので、「今年は持って行くミカンが殆どなくて・・・」と申し訳なさそうに言ってくれた。

「ちょっと倉庫のミカン、見てくれる!」というので、入ってみた。

「加工品でしか出荷できへん大きなミカン、これだけあるんやで! この大きいのでよかったら、なんぼでも持って帰って貰えるんやけど」

びっくりぽんだった。何とコンテナに3段積みされた大きなミカンが並んでいた。ザッーと数えたら30杯あまりあった。加工品だと安値にしかならない。

もったいない・・・ 自分は大きいサイズは食べないけど、世の中には大きいのを好む人がいるかも知れないのに・・・店頭に並ぶことさえ許されないミカンが可哀想・・・

今年の相場は知らないが、加工品用だとコンテナ1杯で500円するかどうか・・・コンテナ1杯収穫するだけでも約20~30分の手間はかかる。収穫・運搬・選別作業などを考えると、手間賃どころか、肥料農薬代にもならない。

いいミカンを作ろうにも、裏年になれば大きなミカンがパラパラと実をつける。農家によっては、木を休めるために実を切り落とし、運んだり選別したりの手間がかかるので畑にそのまま放置したりもする。

「もったいないなあ。でも、来年は表年の木が多いはずや。豊作になるで」と慰めることしかできなかった。

・・・・・・・

「今、選別してる中に、少しだけやけど3Sサイズのミカンがある。持って帰ってくれる?」と言ってくれたので、家庭選別用の選果機の所に移動し選別された3Sサイズをみた。

 

3Sサイズも、3L以上の大きなミカン同様、店頭に並ぶことのない加工品扱いなので遠慮なく貰えるが・・・

「チョットだけやんか。親戚とかにも配らないかんやろうし・・・ ウチは他から3Sをもらっているのでカマヘン」

「親戚には、気を遣って出荷できる2Sサイズを持って行くんよ。3S、食べてくれるんやったら持って帰ってよ」と。

結局、コンテナに1/4ぐらい入った選果途中の3Sサイズを貰うことにした。加工品用として積まれていたコンテナからも、記念にと大きなミカンを2個だけ失敬してきた。

・・・・・・・

我が家庭園芸と違って、高い肥料や農薬を使い手塩にかけて作られた農家のミカン。同じミカン・同じ味なのに、サイズの大小や見た目の違いだけで、人様の目に触れることなくジュース工場に送られていく。気の毒すぎる・・・

我が家にやってくる3Sサイズのミカンは、加工品扱いを免れるどころか、重宝がられ喜ばれているだけに「幸せ者や!」

 



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