近隣で八朔を作っている農家は少ない。
我が家庭園芸では、植えてから6~7年ぐらいの2本の「紅八朔」がある。木成りのまま残してあった「紅八朔」を収穫した。
・・・・・紅八朔は肩身が狭い・・・・・
この「紅八朔」は「八朔」と同じで、食べるには皮や袋を剥いたりの手間がかかる。
しかも、大きいので一人では一度に一個食べるのは多すぎる。味も特有のほろ苦さと酸味が同居するので、人によっては好き嫌いもある。
一方で、この時期には甘くて皮だけ剥けば食べられるデコポンを作っている農家が多い。
そんなことから、近隣では「八朔」を食べる人は少なく、肩身が狭い存在にある。
ちなみに、全国の八朔出荷量で本県がダントツの一位になっているが、主産地は我が地域でなく紀の川中流沿いの紀の川市。
・・・・・非農家の味覚は違った・・・・・
先日、我が家に来てくれた非農家の人に、「八朔、食べる?」と聞くと、「食べる」というので数個を渡した。
後日、所用で電話をした時、冒頭「この間の八朔、ものすごく美味しかった! アレ、どこの畑で作ってんの?」など、「八朔談義」となった。
聞けば、いつも直売所で時季おりおりの柑橘類を買っているとのこと。八朔も好物で買っているとのことだった。
・・・・・自分の味覚判断はド素人だった・・・・・
よく考えてみると、自分は他の人が作った「八朔」を食べた記憶がないことに気づいた。
八朔を食べ比べして「味覚」の良し悪しを判断することもなく、我が家の紅八朔を食べていることに気づいた。
買って食べ比べている非農家の人の味覚が上だった。
栽培しながら情けないと思った。「美味しく育ってくれていた紅八朔」に申し訳ない気がした。
しかも、時には蜂蜜まがいのシロップをかけたりして・・・失礼すぎる・・・
今度、美味しいと言ってくれた非農家の人に会う機会があったら、八朔の「美味しい判断基準」を教えてもらおうと思っている。