自宅から離れた場所に、手が回らないので「放任している畑」がある。何も植えていなくても、周囲に迷惑がかかるので定期的に雑草を刈ったり除草剤を散布する。
今日の午後、草刈機を持って出かけた。以前、草刈機の刃のチップが石にあたって飛び散り、「ふくらはぎ」の中にめり込み、病院で切開し取り出してもらった苦い思い出がある。以来、刃を取り外し、アタッチメントを替えナイロンコードを使っている。
そんな安全性の高い「ナイロンコード」の草刈機で雑草を刈っていた時、家内が向こうから何かを叫んでいるようだったのでエンジンをとめた。
家内の話では、「ガシャーンという交通事故でも起こったかのような衝撃音がしたのでアチコチ見渡したら、近くに止めてあった我が家の軽トラの運転席の窓ガラスが粉々に割れていた」と。
ナイロンコードを使っているのに、運転席の窓ガラスが割れるような石を弾き飛ばすなんて信じられなかった。早く終わろうとパワーを全開にしていたこと、たまたま石が落ちていたこと、飛んだ石の先端がたまたまとがっていたこと、飛んだ方向がたまたま車の窓ガラスだったことなど、偶然の要因がいくつも重なったとしか考えられなかった。不運だった。
でも、自分や家内が怪我しなかったこと、近くに止めてある他人の車に当たらなかったことを思えば、不幸中の幸いだった。
ガラスの割れる音が聞えたのか、ご近所さんが夫婦で様子をみにきた。「この窓ガラス高いで。仕事してお金かかってたら、何してることやわからんなあ。気の毒に。これでも飲んで」と、慰めながら缶ジュースを差し入れしてくれた。
家内が困ったと言う。明日は花の仕入れで朝から軽トラを使う予定だった。畑から知人の自動車整備工場に電話した。「取り寄せになるから直せるのは明日以降だ」と言う。
粉々に割れた窓ガラスを片付け、とりあえず自動車整備工場に行った。「今ある代車は、オートマの軽のバンか、マニュアル車のハンドルが固い軽トラのどちらか。軽のバンにしたら」と言ってくれた。
家内:「バンだと細い路地でバックしにくい」「軽トラは前に借りた時、ハンドルが重たくて回す腕が痛くなった」
自分:「明日はお昼過ぎまで雨も大丈夫そうだし、暖かそうだし、このまま窓ガラスなしで走ったら。高速走るわけではないし」
家内:「そうやなあ。そうする」「戻ってきてから、修理してもらう」
知人の自動車整備工場を後にした。
夕方、その知人がやってきて「中古ガラスが見つかった。ただ寸法が合うかどうか、やってみなきゃわからん。明日、雨みたいやから何とかせなアカンし」と、自分の乗ってきた車を置いといて、我が家の軽トラを運転して帰って行った。
しばらくして、窓ガラスが入った軽トラを持って来てくれた。中古といってたけど、ピカピカで新品同様だった。
草刈機のアクシデントは二度とゴメンこうむりたいが、ご近所さんは「心配して駆けつけ、ジュースの差し入れで慰めてくれた」し、知人の自動車屋さんは「何とか今日中に直そうと、駆けずり回って部品調達してくれた」しと、アクシデントが人々の親切と温かさに出会わせてくれた。