自然となかよしおじさんの “ごった煮記”

風を聴き 水に触れ 土を匂う

ホオズキカメムシの産卵と幼虫

2020-07-19 | カメムシ類

ホオズキカメムシには散々ひどい目に遭わされ,卵の産み付け状況もひどいのに,なぜか産付場面を目撃できないままでいました。

ところが先日,この産付を初めて目撃できたのです。場所はピーマンの葉裏。たまたま裏を見ると,産卵中だったというわけです。

 

一所懸命に産み付けているようで,動く気配なし。

 

近くの葉では生まれた幼虫がかたまっていました。

 

生きものとして見ればなんということもないのですが,野菜を食する害虫として見ると,迷惑な生きものではあります。申し訳ないけど,やむなく退治の対象になります。

 


クモヘリカメムシとエノコログサ

2020-06-30 | カメムシ類

庭に生えたエノコログサの穂に,クモヘリカメムシがいっぱい。イネやイネ科植物の汁を吸うことで知られています。これが水田に発生すると,大きな被害を受けることに。

 

口を突き刺して吸汁しています。

 

なかには,複数の個体がいる穂も。

 

これは四匹。

 

上から見ました。

 

五匹だって。

 

よく見ると,幼虫が。親に似て,スマートな体型です。

 

 

雑草の世界だけならよいのですが,栽培植物にまで影響するのは困ったもの。でも,当のカメムシはヒトに関係なくイネ科植物に集まる習性を身に付けただけ。ヒトが誕生するずっとずっと昔に。

 


大発生,ホオズキカメムシとその卵

2020-06-30 | カメムシ類

今,カメムシが地域で大量発生しています。病虫害防除所から病害虫発生予察注意報という,いかめしい名の付いたお知らせが出ています。

我が家の畑では,ジャガイモに続いてピーマン類にホオズキカメムシがわんさか付いています。おまけにニジュウヤホシテントウも。わたしの経験でも,これほどの発生は記憶にありません。ホオズキカメムシもニジュウヤホシテントウもはナス科植物が大好きなので,このまま放っていれば吸汁による被害がいろんな野菜に出て来ると予想されます。

 

成虫や幼虫が闊歩するほか,葉の表や裏にも卵があちこち産み付けられています。孵化も観察したいのですが,それ用の卵はいくつか置いておき,他は葉を切り取って始末することにします。そうでないと,どんどん殖えていくのは目に見えています。

 

幼虫や成虫の退治するのに農薬は極力使いたくありません。とりわけ収穫時やその直前に散布するのは,健康被害を思うと絶対に避けなくては。

 

そこで今回採用したのはペットボトルを活用した捕獲器です。ポピュラーな道具です。使うのはこれと箸。容器をカメムシの下辺りに持って行って,箸で落とすと穴に落下。地面に落ちたものは擬死して動かなくなります。それを箸でつまんで穴から投入。

 

それにしても,退治するのに相当な根気と期間がいりそうです。

 


アムールシロヘリナガカメムシを捕食するシマサシガメ

2017-07-26 | カメムシ類

あまり見かけないカメムシがなにか小さな獲物を捕まえているようです。口吻を突き刺しているので,捕食中だとわかりました。よくよく見ると,被害に遭っているのもカメムシ。カメムシがカメムシに襲われているのです。

あとで調べると,大きな方はシマサシガメ,小さな方はアムールシロヘリナガカメムシだと判明。アムールシロヘリナガカメムシは近頃庭でよく見かけます。

頭部と胸部の間に,吻がグサッとばかりに突き刺さっています。アムールシロヘリナガカメムシは微動だにしません。 

 

 

 

持ち替えて,というか突き刺し替えて胸部下側に吻が突っ立っています。 

 

シマサシガメはゆっくり動きました。逆立ち状態のときに撮ったのが下写真です。口吻のりっぱなこと! それに触覚も! 

 

吻を間接に突き刺した模様。脚で抱えているといった方がよいでしょうか。

 

下写真は吻の威力を示しているように見えます。 

 

うんと近づいてみました。吻先はほんのわずかに接しているように見えるだけ。

 

口吻の突き刺し先を替えて,体液を吸い始めました。

 

こんなふうに捕らわれると,どうしようもないといった感じです。ここにはサシガメのどう猛さが如実に現れています。 

 


カメムシの脱皮

2017-07-13 | カメムシ類

昨日のカメムシと同じものです。初齢から日が浅いのに,もう脱皮が始まっていました。脱皮直後のからだは透明感に溢れています。

 

脱皮最中の幼虫はいないか,探すとすぐに見つかりました。触覚と脚を揃えて,真っ直ぐな姿勢で皮を脱いでいきます。小豆色をした複眼,黄色の頭・胸部が瑞々しさを伝えているかのよう。

 

脚を完全に出し終わると,一斉に動きかけます。

 

りっぱな口吻の持ち主です。脱皮を終えた幼虫たちはさっそくウォーミングアップ。

 

捨てられた皮が無造作に脱ぎ捨てられています。

 

いのちの誕生や変化はいつもわたしをワンダーな気持ちにさせてくれます。

 


カメムシたちの誕生

2017-07-12 | カメムシ類

カメムシのカテゴリー記事を書くのは久しぶりです。カメムシは種類が多く,かたちも色も実に豊かで,他を圧倒すると思われるのにすくないのは,わたしに同定能力がないので検索する時間を考えると気が遠くなるからでもあります。初齢幼虫から脱皮毎に模様が変わるのを常とするので, 手に負えません。

にもかかわらず,特徴的な風景は記録しておこうと思います。これはもしかすると,アオクサカメムシなのかもしれません。卵の上に集団でいる様子が目を引きました。かたまっていると都合のよいわけがあるのでしょう。想像で終わるのでなく,直接尋ねてみたくなります。

 

わずかな空間にひしめいているのです。卵殻が集合場所であるシグナルになっているのでしょう。

 

からだが積み重なっている風景も大したもの。甲羅干しをしているカメのからだが浮かんできました。

 

隙間が見えない重なり様が際立ちます。みんなきょうだいだと思うと,あらためてふしぎが頭をよぎります。

 

 

同定できなくても,あるいはしなくても,事実のおもしろさは生きものに共通しています。 

 


アカサシガメの狩り場面

2016-06-23 | カメムシ類

アゲハの庭園にて。

レモンの葉にカメムシがいて,どうやら獲物を捕まえている様子。近寄って行くと,サシガメらしく,口吻が獲物に突き刺さっていました。 

 
獲物はラミーカミキリ。とんだ災難に遭った模様です。口吻はカミキリの口の辺りに突き刺さっていました。からだで一番柔らかい部分に口先を刺して体液を吸い取っているのです。

あとで名を調べたら,アカサシガメと判明。写真を撮るために近づくと,警戒して葉の裏から表に移動しました。移動したものの,獲物を放そうとする様子はまったくありません。大した攻撃性を備えています。

 
少々の異変には動じる様子はなし。それで,葉の表にいるサシガメをじっくり撮ることができました。


ラミーカミキリの格好を見ると,もうどうしようもないといった感じです。実際,動きかけしませんでした。いわば,壮絶な場面とでもいい表せるでしょうか。

「食べる」「食べられる」,「襲う」「襲われる」,この食物連鎖は生物界のきびしい様相です。それぞれのいのちにとっては,容赦のないドラマです。  

 


誕生間もないカメムシの幼虫

2014-08-27 | カメムシ類

カメムシの同定についてはまったく自信がありません。それでもカメムシの大発生とか,卵の集団とかを見ると,「これはスゴイ!」と目をパチクリしてしまいます。我が家のトマトに大発生して,実を台無しにするカメムシにはまったく迷惑しているのですが,農薬を使うことが嫌で,なるがまま,なすがままにしています。それで,目のパチクリは一向に収まりそうにありません。

そんななかで,見かけたのが『アゲハの庭園』のカメムシ。ホトトギスの葉の裏に,孵化したばかりの幼虫の集団がいたのです。ホトトギスは,ルリタテハを呼びたくて植えているもの。その卵を探していて,偶然見つけました。 

 

孵化直後なのでしょう,殻の上でじっとしていました。その下にある卵殻は真っ白。まるでカプセル風で,蓋が開いて幼虫が生まれてきた形跡が残っています。

さて,このカメムシの正体の話です。名を同定する自信がないのに加えて,幼虫とくると一層わからなくなります。なんとか調べてたどり着いたのが,クサギカメムシ,チャバネアオカメムシ。これとても,もしかするとそうかもしれないというレベルなので,じつにいい加減なものです。 

どんな生きものにしても,“生まれる”というのは大事件です。カメムシだからどうの,というわけにはいきません。カメムシにはカメムシのいのちがあります。それで,生まれるという事実を粗末に扱うことはできません。観察もまたそうした思いに立って行いたいと思います。 

 


ヨコヅナサシガメの捕食行動

2014-06-10 | カメムシ類

そのときは,初めて見て驚き,大したカメムシがいるものだと感心して撮影しました。あとで正体がわかって,「ほほーっ!」とまた感心。

さて,このカメムシとはヨコヅナサシガメ。大きさは横綱級,口吻を獲物に突き刺して体液を吸うといいますから,たいへん攻撃的な性質の持ち主だといえるでしょう。

このカメムシを見かけたのは我が家の庭で,たまたまダンゴムシに口吻を刺していました。ダンゴムシの鎧の隙間からぐっと刺し込むという感じです。体長2cm! ダンゴムシは,例によって危険から身を守るために団子状に丸まっていました。「大きなからだ! それにしても変だ。口が抜けなくなって困っているのかな」と思ったのですが,違っていました。

こんな場面を見たことがなかったので,とにかくその行動を妨げないように注意しながら写真に収めました。結果,これが貴重な記録写真になったのです。


からだは真っ黒。腹部の縁は白。先は少し赤みがかっています。突き出した頭と目の先に,釣竿のように伸びた口吻があります。この口吻がダンゴムシに刺さっていました。それはまるで釣りでもしているかのよう。


あくまで放そうとしません。脚で抱え込むようなしぐさも見られました。


さながら吸血コウモリそっくり。こんなふうにして体液を吸うカメムシがいるとは!

もともとこのカメムシは東南アジアと中心に棲息する外来種で,昭和初期に我が国に入って分布を拡げているのだとか。さらに,口吻で刺されると,激痛を伴うために要注意らしいのです。

それにしても,こんなに威風堂々としたカメムシがいるなんて,驚きです。