前栽にサザンカの木があります。花はもう枯れているのに,花弁にユスリカのなかまが意外にたくさん目に付くのです。すぐ脇にマンサクがありますが,花が咲くと必ずやって来て花の中で口元をごしごし擦り付ける動作を繰り返します。これについては過去何度も記事にしてきました。行動を観察していると,カのように吻を突き刺して血を吸うタイプではないことがわかります。ですから,肌の安全性からいえば恐れることはないわけです。
そのユスリカのことをわたしはほとんど知らないままでした。今回,ちょっとは知っておこうと思い立ってさらに調べたところ,思いのほか驚くような生態ぶりがわかってきました。あたらしい知見といってもよいでしょう。
ユスリカの印象は大抵は芳しくありません。それが洗濯物や布団に付くのが困るというのがその典型例です。衛生的でないというわけです。確かにそれらが付いたものを着るのは気分のよいものではありません。
さらに大量にした場合,見た目にも不快感がるのはやむを得ないでしょう。アレルギーの原因になるという点も気になります。
そうした点を差し置いて,以下知見を書き留めておきます。なお,参考にしたのはキソガワフユユスリカの情報です。
- きれいな水を好む。
- 秋の終わりから春の初めだけ発生。
- 他の期間は川底で繭を作り夏眠。
- 11月頃,成虫になる。(第一世代)
- ただちに成虫は交尾して産卵。12月に幼虫になる。
- 1月頃,成虫になる。(第二世代)
ヒトには迷惑がられるユスリカですが,自然界のバランスという点からいえば,益虫の側面も持っています。ざっといえば,水質改善・保全の一役を担っている,川底の環境を良好に保つ,幼虫時はは魚類の,成虫時はクモや鳥の餌になる,ということです。
自然のゆたかさの奥には,動植物のじつに細かなつながりがあるのだなあと改めて思いました。