わが家の空き地でクマバチが飛び回っています。一匹のクマバチの近くにもう一匹が侵入すると,途端に追いかけます。追いかけて追い出すのです。見ているとこの繰り返しで,いかにも縄張りを守っている行動に見えてきます。
このクマバチを一匹捕獲。一晩限定で,顔写真の撮影を試みるためです。昼間は動きが激しいので撮影はまったくダメです。
さて,夜に入って気温が低くなったときに撮影開始です。しかし,開始とはいってもこれがなかなかたいへん。深度のより深い写真を撮るのですから,ある程度の時間じっとしているときがなくてはならないのです。一瞬だったら,そのチャンスはいくらでもありますが,時間の幅を考慮すれば至難です。生きた昆虫を標本のごとく撮るわけです。
何度も何度も,そして何回も何回もやってみてようやく撮れたかなと思われるのが下写真です。前脚先のかぎ爪も入れることができました。ただ,右脚全部を写し込むことはできませんでした。
真正面からです。触覚を少しでも動かしたらダメです。このコマはなんとか合格です。クマバチの凄みのような顔つきがよくわかります。前脚の様子を見るとクマそのもののよう。迫って来るように思えます。この個体は左右の複眼がかなり接近していることからオスとわかります。
二枚の写真にわたしなりの苦労が詰まっています。それでも,こうした撮影に飽きることはありません。