今日は、この子です。
眉毛を剃らなくても、そのままで通用するような面構えです。
この顔で得をすることも、損をすることもあるでしょう。
この顔に出会ったとき、わくわくする気持ちで絵筆を走らせました。
それだけ人間味に溢れているということです。
惑わされず、我が道を突き進んで欲しい。
今日のテーマは、「渇きを癒す」です。
かつて、短編小説「さなさん」で、命の水というタイトルの挿絵を描きました。
この絵です。
コンコンと湧き出る水をどう表現するか。
この穴を掘った苦労をどう表現するか。
失敗を恐れず、思うままに描いたのを覚えています。
「渇きを癒す」のは、水とは限りません。
時には、なにげない一言であったり、温かい抱擁であるかもしれません。
明日のことより、何時間か先のことしか考えられないほど切羽詰まることがあります。
この一粒のぷちぷちで救われたのです。
なにしろ助かりました。
渇きが癒えたら、風を感じるようになりました。
爽やかでした。何時間か前の不安は消えていました。
たゆたゆと、水に同化するような気持ちになったものです。
そして、また跳ねることができた。
赤子の時は、泣いて訴えました。
大人になると、それもできなくなった。
歯を食いしばる癖がついてしまった。
誰も気づかないふりをしました。
それでも、求めた時に手を差し伸べてくれました。
ほんの一時、温かさを感じました。
あとは自力で歩けました。
壊れる前に話せばよかった。
きっと渇きは癒えたはず。
命の水は、蜃気楼のように逃げて行くのです。
どうやら、生きている限りこんなことの繰り返しです。
生きているから渇きます。
渇くと癒すの繰り返しです。
癒すことが忘れられがちです。
渇き切る前に、一休みしましょう。
飲み続け 渇き癒えぬと さらに飲む
2018年3月7日